【フジケン】初めて尽くしの路地状敷地
みなさん、初めまして。
今年の9月からトグルホールディングス(以下トグル)に入社し、グループ会社フジケン株式会社(以下「フジケン」)の開発企画ユニットに配属となりました来栖(くるす)と申します。
これから、フジケンが行っているものづくりの魅力を発信するためにnoteで発信を行っていきます!
この連載はフジケンが行っているものづくりを自身の理解を深めるとともに魅力を伝えたい!と思い、立ち上げました!
今回は、フジケンが手掛けた大森中の物件についてお話を伺います。
Q1.土地との出会い
まず、どのようにしてこの土地を見つけたのですか?
丹音(あかね):大森中の物件は初めて*「sketch」を使って仕入れた土地ですね。この「sketch」もプラットフォームを構築するための事業検証としてスタートしました。まずは弊社のクライテリアを登録をして、我々がつくるプラットフォームにどれだけの情報が集まるか、取引を発生させることができるかを検証していましたね。なのでとても思い出深いです。
髙﨑:懐かしいです。当時は丹音さんも私と同じポジションでアクイジション(投資用不動産や土地の取得を行うこと)をやっていていましたね。当時のポリシーとして土地を買うということを一度みんなに経験してほしかったからです。
丹音:入社して1か月だったのでフジケンに入って初めて交渉して、初めて仕入れた土地ですね。
*sketchのサービスは現在終了しています
その土地を仕入れるに至った経緯を教えてください。
丹音:当時まだ路地状敷地をフジケンとして触ったことがなく、ロジックが全然なかったので路地状敷地に挑戦してみたかったからですね。
路地状敷地は都内だと基本的には長屋しか造れないのと予算の関係で木造でしか作れなかった。しかし、当時フジケンとして新しい【ものづくり】にも挑戦したかったので挑戦することに決めました。
髙﨑:当時はトグルレジデンスシリーズが事業性の再現性が高いことが確認できていましたが、我々の目標を達成するためには、新たな領域にもチャレンジしていかないといけないと感じていました。そこで新たな事業を立ち上げるためには投資判断をする必要があります。この投資判断の肝として、例えば水槽の中に魚がたくさんいてその中からマグロを見つけるイメージです。マグロを知っていればすぐに釣り上げることができるがそもそもマグロを知らなければただの魚群にしか見えないですからね。
そういった意味で、まずは知ってみることからという事で路地状敷地を事業化することにチャレンジしてみようと考えました。こうしたチャレンジに踏み切れたのは丹音さんとの出会いがあったからでした。
丹音:路地状敷地は、東京都安全条例という規制があり都内では企画するのが難しい土地です。そこに挑戦したいという気持ちがありました。フジケンでは初めてづくしでしたが、このプロジェクトを進めることで新しい経験が積めました。結果的に、その後、トグレジ以外のアセットに取り組む素地にもなりました。
Q2.Roooji大森中のコンセプト
梅屋敷の物件のコンセプトについてお聞かせください。どのような想いが込められているのでしょうか?
丹音:大森中の立地自体の魅力は、梅屋敷駅から東西に伸びる商店街の活気があり、個性的な個人商店が多いことです。そのようなエリアで小商いを営める魅力的な建物を企画しました。また、そこに住空間も設けることによって多様化の現代において様々な使い方ができる空間を目指しました。
具体的には、どのような仕組みを取り入れているのでしょうか?
丹音: 路地状敷地なので敷地延長部分には建物が建てられません。そのため各住戸の一番手前に小商いのスペースを設け、奥にプライベートスペースを配置し、動線計画を工夫しました。これにより、住みながら自分の仕事を展開できるようにしました。現代ではリモートなどで住みながら仕事をすることも多いのでメリハリをつけられるように空間の質を違うものに仕立てました。
髙﨑:どのような小商いだったり、入居者を想定していますか?
丹音:飲食店は難しいのですが、ネイルサロンや個人事務所、普段はネットでの販売業をやっている方の実店舗として、現代ですと2拠点居住されているなどを想定しています。羽田空港も近いので出張の多い方や旅行が好きな方にも向いていると思います。
髙﨑:普通の賃貸ではなく小商い付きの住空間にしたのはなぜですか?
丹音:最初は一般的な賃貸マンションを企画していました。しかし、相場がそれほど高くないため、当初は賃料の上限に悩んでいました。相場が1.1万円/坪である中、利益を上げるためには1.2万/坪を目指さなければなりませんでした。物件の近くに建築設計事務所を構えている連さんという方がいてKOCA(コーカ)という京急の高架下を活用するプロジェクトを行っていました。京急沿いには町工場が多く、地域特性に詳しく、ものづくり文化を体現している方です。その村井さんと企画を進めていく中で、高く賃料を設定できるようにするための住空間と商いのスペースを組み合わせたアイデアが生まれました。
そして設計を進めていく中で特徴的な階段が生まれたんですが汎用品がなかったので地元の鉄工所の方と協力しオーダーメイドで作成してもらっています。
また路地状敷地でのプロジェクトはこれから先ブランド化していきたいと考えていて、それにあたりRooojiのロゴデザイン化も進めています。
こちらも地元のデザイナーと協力し現在も話し合いを進めている最中になります。
今回のプロジェクトでは、地域の企業や住んでいる方も意識しながら、独自の物件を企画できていると感じます。
物件の進捗状況について教えてください。
丹音:現在、上棟が終わり、屋根をかける段階です。施工には時間がかかりましたが、順調に進んでいます。年明けには完成予定です。
プロジェクトの進行中に特に苦労された点やエピソードがあればお聞かせください。
丹音:一つは、埋蔵文化財の問題で着工に時間がかかったことです。地盤が良くないため、杭を打つ前に調査が必要でした。設計者の方と協議を重ね結果的に掘らなくて済む地盤改良を行いました。また、階段の構造計算に関しても確認申請に時間がかかり、最終的には別の方法を採用して問題を乗り越えました。
それでは、最後にこのプロジェクトを通じて得られたことや、今後の展望についてお聞かせください。
丹音:このプロジェクトを通じて、地域の特性に合った物作りの重要性を再認識しました。土地や地域に根ざしたプロジェクトを進めることで、より多くの人とつながり、地域に貢献できることが実感できました。今後も、地域に密着したプロジェクトを展開し、街の活性化に寄与していきたいと考えています。
ありがとうございました。梅屋敷の物件がどのように形になっていくのか、楽しみにしています。
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