強気な“元”取引先が急に頼ってきたけどもう遅い…「取引先との残念なやり取り」ネタが注目されるワケ
こんにちは、ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)です。
トゥギャッターが毎週月曜日にお届けする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」。
今回のテーマは「取引先との残念なやり取り」についてです。
先日、縫製工場で代表を務めるしゃく。(@shakunone)さんが投稿した、とある町工場で起きた取引先とのやり取りが注目を集めました。
その町工場は、取引先から「今後はコストの安い海外でつくる。もう高い日本製はいらない」と突然一方的な取引停止を受けました。これを受けてピンチに陥った町工場は、その後各所に頭を下げてなんとか経営危機を乗り切りました。
ところが、3年後に件の元取引先から電話が。2022年の4月に起きた上海ロックダウンをきっかけに海外で商品を作れなくなったので、取引を再開したいという連絡でした。先方からは「困った時こそ”お互い様の気持ち”が大事でしょ」と言われたとか。
これに対して町工場の代表は、ピンチの時に「”お互い様の気持ち”で贔屓にしてくれた」取引先との仕事を優先したい、とストレートに返し、断ったという話です。
この話は広く拡散され、反応をまとめたTogetterでも100万PVを超える反響を呼びました。
この例に限らず、「取引先との残念なやり取り」に関する話題はとにかくバズりやすい傾向にあります。過去に話題を集めたTogetterまとめを元に、バズりやすい理由を探ってみましょう。
悪印象はその後のビジネスに長く影を落とす
冒頭の町工場のように「取引先からひどい対応を受けたことが、その後のビジネスに影響した」という構図は鉄板です。
例えば、普段温厚な役員が「この会社は30年前俺の名刺を破ったから(一緒に仕事を)やらない!」と怒っていた…というお話。
30年経ってもまだ役員の怒りが収まっていなかったと考えると相当な禍根だったことがうかがえますが…まとめに似たようなシチュエーションに遭遇したという報告が多数ピックアップされていることを見るに、決して珍しくない話のようです。
ビジネスにおいて、一度の悪印象が長く尾を引く怖さを示す教訓として、特に注目を集めやすかったのだと予想します。
「言い方で損してる」にもご用心
取引先との関係づくりにおいて、「言葉遣い」の印象も馬鹿になりません。
見積もりの段階で提示した価格の高さを理由に「他を当たる」と断ってきた取引先が、他社で見積もりをした結果、再度取引を持ちかけてきたけど丁重にお断りした、という話もあります。
投稿主の吉田 拳(@sugoi_kaizen)さんは「言い方で損してる」とコメントしており、取引時に相手の言葉遣いが気になったことが伺えます。まとめの中でピックアップされている反応にも、「持ち帰って検討します」なら心証が良いのに…といった具合に、先方の対応の悪手ぶりを惜しがる意見が多くあがりました。
「こうすればよかったのかも」とつい一言いいたくなるツッコミどころがあることもまた、取引先との対応ネタが拡散されやすい一因なのかもしれません。
フリーランスvs企業
取引先との残念なやりとりが発生するのは、BtoBの現場だけではありません。
フリーランスや自営業の方が、企業から残念な対応を受けた話もたくさんあります。
漫画家の山本貴嗣(@atsuji_yamamoto)さんがとある取引先に言われたのは「え?ギャラが必要だったんですか?それなら早く言ってもらわないと」という衝撃の一言。最終的に無事支払ってもらえることになったそうですが、取引先の理不尽な対応に驚きの声が多く寄せられました。
フリーランスとしてイラストや漫画を手がけるita(@iitta_limonene)さんが投稿した、クセのある案件を振り返る漫画もかなりのインパクトがあります。企業の広告漫画制作を依頼されたはずが、仕事が始まると取引先の関係者が集まるチャットに参加させられ、関係者らの意見の取りまとめをはじめ、依頼の内容外の業務を求められそうになり大変だった様子。
フリーランスに対して、お金が発生しない「業務外」のことを頼むクライアントは多いようで、漫画を読んだフリーランスの人から共感の声や体験談が多数寄せられました。
「フリーランス対企業」のやり取りに関するバズの共通点としては、強い立場の企業側が、フリーランス側に理不尽な要求を強いる構図が注目を集めやすいようです。
逆にポジティブな例も
もちろん、取引先との間で起きたポジティブなお話もあります。
新入社員が博多の取引先への手土産に選んだのはなんと「東京銘菓ひよ子」!「銘菓ひよ子」は東京と福岡で展開されていますが、「東京土産」とするか「福岡土産」とするかは土地によって意見・見解が分かれがち、というのは有名な話。
あわやトラブル勃発か、と思いきや先輩社員によるフォローもあり取引先は大ウケ。新入社員は「博多を教えてやる」と様々な博多グルメをご馳走になって帰ってきたそうです。
こちらの話では取引先とのトラブル事例と思いきやほっこり話だった…という落差がウケたのでしょう。取引先とのやり取りネタは、シビアな面にスポットが当たりがちだからこそ、反動でポジティブな話題も同じく反響を呼びやすいようです。
まとめ
「取引先との残念なやり取り」に関連する話題とその反応を見ていると主に以下の3つの要素が共通していることが分かります。
取引先とのやり取りに不満を抱えた経験がある人が多い
他社(者)の事例によって自身が直面している不満が可視化され、共感を呼びやすい
残念な取引先を両断する爽快さが好感を呼びやすい
対外的なやり取りが発生する仕事についている人にとっては、業種を超えて相通ずるポイントも多く含まれていることから、Twitterでバズりやすい話題の特徴である「共感」が特に色濃く出やすい領域であると言えるでしょう。
一方で、取引先との間で発生した「スカッと」する話をTwitterで発信することや、それに対して手放しで好感を示すことに疑問を投げかける声も出ており、ビジネスの体験談発信の是非については別途議論の余地がありそうです。
話題になった他社(者)の事例を辿ってみると、ビジネスにおける取引先との関係づくりのヒントを得られるかもしれません。
以上「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした!
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