原価は安いのに販売価格が高いのはナゼ?「手間賃」「技術料」の話が繰り返し話題にあがるワケ
こんにちは、ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)です。
トゥギャッターが毎週月曜日にお届けする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」。
今回のテーマは「原価と販売価格」についてです。
モノやサービスの価格は原価に加え、技術料や手間賃、諸経費を合わせた額になります。しかし、その価格設定が妥当なのか、消費者にとっては判断しにくいもの。そのせいか、Twitterで注目されやすいテーマのひとつになっています。
先日は「棺桶の原価は7000円程度なのに、葬儀屋からの請求は10万円という話を聞いた」というツイートが話題に。
実は棺桶はAmazonでも購入でき、おおよそ2万円〜3万円以内で販売されているのです。
もちろん、安いのには理由があります。創業89年になる葬儀社「佐藤葬儀」代表の佐藤信顕(@satonobuaki)さんが明確に説明していました。
棺桶そのものは安く購入できたとしても、底が抜けてしまうなど品質に問題があることも。さらに、納棺に立ち会う人件費など、ごく一般的なことを行うための必要な経費がかかってくるのだそう。
10万円の請求となった理由はわかりませんが、こうした説明を聞けば、請求額が適正な価格だと納得できるのではないでしょうか。
もうひとつ、こんな話もあります。
山本八重さん(執筆中)(@aizu_sniper_yae)さんは、農業に携わっている中で「無農薬栽培の野菜は、農薬を使っていないのでその分安くできるでしょ?」と言われたことがあるそうです。
無農薬栽培は、単に農薬を使わないのではなく、病害虫防除の手間や草取りなどの特別な技術で栽培されているもの。さらには、天候などの影響による減収リスクを低減させる必要も。
消費者側からはわかりにくい部分ではありますが、見えない手間暇がかかっていることを説明したそうです。
販売価格の裏には見えない手間暇がかかっている
このように、Twitterでは原価と販売価格の差について言及するツイートが投稿され、そのツイートがバズるたび、その分野に詳しい人たちが「設定している価格には手間や工程によるコストが含まれていることに気づいて欲しい」と訴えるというパターンが繰り返し観測されています。
漫画やイラスト制作といった創作物の分野についても同様のことが起きています。
漫画家である、あの佐々岡(@anosasaoka)さんはiPadでイラストを描いていたところ、その様子を見たお母様に「デジタルで絵を描くのに、そんなに細かい作業をしてるの!?」と驚かれたという話を投稿しました。
お母さまは「(デジタルツールを使えば)自動計算とかでぱぱっとイラストが仕上がる」と誤解していたそうです。
その後、実際の作業を見てもらい、デジタルでイラストを描くのにも手間がかかっており、技術が必要であることを理解してもらえました。
あの佐々岡さんは「100円で絵を描いて、という人の正体はこれかもしれない」と述べています。
また、イラストレーターの岸田メル(@mellco)さんは、相手側の理解不足から無茶な依頼をされたことがあり、「描く労力だけでなく、それを使って商売をする権利分も含まれてることを理解していてほしい」とツイートしていました。
イラストの場合、描かれたイラストを使って商売をする権利も同時に販売されている形になり、イラスト料金に含まれているのです。
料理やハンドメイド作品についても同様です。一見「高い」と感じたとしても、実際に作ってみると同じように再現することは難しいのです。
クオリティの高いものを作るには、技術や知識、経験、それに伴う膨大な時間がかかっていることを知れば、原価と販売価格の関係も理解できるでしょう。
こうした事象を繰り返したうえで販売価格への理解が深まってきたのか、最近では、事情を知ってポジティブな行動に発展した話も出てきています。
こちらは、ケーキ屋に勤める友人から話を聞いたというユーザーによるツイート。
ショートケーキなどの洋生菓子は原価が高く、売れ残れば廃棄となります。そのため、日持ちのする焼き菓子を並行して販売していかなければ利益が出にくいという現実があるとのこと。
それを知ったTwitterユーザーからは「これからは焼き菓子も買おうと思った」といった反応がありました。販売価格の背景を知ることで、値段が高い・安いと不満をこぼすだけにならない傾向に変わってきたようです。
まとめ
Twitterに上がってくる「原価と販売価格」の話とその反応について整理すると、次の通りです。
販売価格には原価と手間賃や諸経費が含まれていることが忘れられがち
Twitterでは消費者側に伝わっていない事情を業者や専門家が説明することがある
販売する側の事情を知り、ポジティブな行動に変わる傾向も
もちろん、販売価格を見て買う・買わないを判断するのは消費者の自由です。
物価が上昇している昨今、販売価格をシビアに判断しがちですが、販売者・生産者の高い技術力に見合ったもの、あるいは企業の経営努力による価格設定であることは頭の片隅においていてもいいのではないでしょうか。
以上「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした!
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