10月9日 ひねくれ者にオススメしたい映画「ベイビーわるきゅーれ」
お世話になっております。スギちゃんです。
突然ですが「ベイビーわるきゅーれ」って映画知ってます?
藪から棒ですみません。
つい感情的になってしまって。
改めて聞きますけど、みなさん
「ベイビーわるきゅーれ」って映画観たことありますか?
2021年に公開されて既に続編の製作が決まっている「ベイビーわるきゅーれ」(以下「ベビわる」)、26歳の若手監督によって作られた公開規模の小さな映画ですが、若手監督ならではの斜に構えたひねくれ者を優しく肯定してくれる作品で、ひねくれ者の私にとって大切な一本ですので紹介させてください。
作品紹介
あらすじ
本作は阪元裕吾監督の前作「ある用務員」に登場する刺客、女子高生の殺し屋二人組を主人公にしたスピンオフのバイオレンスアクション×青春映画になっています。
分かりやすく説明すると「賭博黙示録カイジ」に対する「一日外出録ハンチョウ」のようなポジションです。分かりずれーか。
スピンオフと聞いて「前作も観なきゃいけないのかぁ」と思ったせっかちなそこのあなた!!
安心してください。
この映画は完全に物語が独立しているので、前作を観ていない人でも気にせず楽しめます。
私自身も初見時はスピンオフであることを知らずに鑑賞しましたが、全く違和感なく見ることができました。
ベビわるのここがすごい!!
①キャラクターがすごい
作品の魅力はたくさんありますが、なによりまず伝えたいことは、
本作の主人公達は非常に性格がひねくれています。
というか多分、監督がへそ曲がり。
主人公がひねくれ者と言うとあまり魅力的には聞こえないかもしれませんが、「自分って何か世間とズレているな」と感じた事がある若い観客にとってはとても親近感の湧くキャラクターになっています。
作中の主人公二人のセリフを挙げると、
と、かなり具体的に実在する奴の悪口を言っています。
みなさんはこんなことを言う主人公達に共感できたでしょうか?
できなかったのであればここでタブを閉じていただいて大丈夫です。
私自身はこの主人公達のセリフにかなり親近感を覚えました。
あるあるネタが局所的であればあるほど面白いように、
このキャラ設定にハマると主人公が他人事だとは思えなくなって物語により深く没入できます。
少し話が逸れてしまったので本題に戻すと、
本作はそんな「若者の生きづらさ」を描いてる物語でもあり、
特に世間と温度差を感じているはぐれ者
(読者をそう思ってる訳じゃないよ💦)
は共感しやすい内容になっています。
この他にも、
「ネットで見た野原ひろしの名言をドヤ顔で披露するバイト先の店長」や、
「出会ったばかりなのに『一緒に面白いことしよ~』と言ってすぐLINEの連絡先を交換したがる女」など、リアルに嫌な奴個性的なキャラクター達が登場します。
②アクションがすごい
殺し屋という設定を扱う以上アクションが必須になってきますが、
本作のアクションシーンは迫力満天でかっこよくクオリティの高いものになっています。
(映画紹介としては普通にこっちを先に言うべきだったね。)
アクション監督は「図書館戦争」「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」の園村健介
さらに主人公の殺し屋まひろ役を演じるのは、「実写版キングダム」「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」でメインキャストのスタントダブルを担当した伊澤彩織
男性と比べるとどうしても力の劣る女性が技や素早さで戦うアクションは見どころです。
個人の見解では邦画の女性アクションでは最高峰だと思います。
文句があるオタクは直接言いに来いよな。
特に冒頭10分、コンビニでのアクションシーンでは
「悪女/AKUJO」のナイフを使ったヒロインのアクション、
「ザ・レイド」の一対多数の揉みくちゃになる肉弾戦、
「実写版るろうに剣心」の走り回りながら戦うスピード感のある戦闘等々
アジアアクション映画の傑作選になっています。
(これらを観てる前提で話してごめんね!!)
③監督がすごい
冒頭でも書いたように本作のメガホンを取った阪元祐吾監督は20代の若手監督で、本作「ベビわる」が口コミで広がり大ヒット。
年齢も価値観も近い若い映画ファンの私は一発で阪元監督の虜になりました。
監督は以前から殺し屋を扱ったバイオレンスアクションを撮影しており、
一貫して殺し屋を社会に馴染めず殺し以外何の仕事もできない不器用な人間として描いてきました。
殺しのプロではあるものの不器用なせいで顧客とモメたり、仕事の人間関係で悩む殺し屋のフェイクドキュメンタリー「最強殺し屋伝説国岡」
詐欺に引っ掛かりやすく多額の借金がある、むしゃくしゃするとすぐに手が出てしまう、殺し屋の家系なのに殺しの才能が無く親に勘当されてしまった、
そんなワケありの登場人物たちが殺し屋になるための合宿を通してチームになる「グリーンバレット」
そして社会不適合な殺し屋二人が互いに支え合いながら共同生活をする本作「ベビわる」
どれもラストは主人公の弱さを克服するのではなく、その弱さを受け入れてくれる仲間を見つけるという、
過激な暴力描写とは裏腹な観客を肯定する優しい結末。
「学校一の不良が実は動物を助けていた」みたいなギャップが監督の作家性なんだと思います。
そんな坂本監督のひねくれてて優しい映画「ベイビーわるきゅーれ」
気になった方はぜひ……とおすすめしたかったのですが、
「ベビわる」及びここで紹介した坂本監督の過去作すべて、
U-NEXTの独占配信でした。
(筆者も書いていてこの時点で気づいた。)
なのでここまでの文章はすべてただの自語りとなります。
これはアフィリエイトのnoteでも何でもないので無理にとは言いいませんが、
良かったらU-NEXTの無料トライアル等を使って観てみてください。
それか阪元祐吾監督作がもっといろんなとこで観れるように応援してください。
杉ちゃんでした。
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