「絶対の自信をもって切れる肢」量産化計画~司法試験・予備試験短答突破のために~
こんにちは、あるいは、こんばんは。とげぬき法律事務所弁護士の寺岡です。
さて、表題のとおり。
今回のテーマは「絶対の自信をもって切れる肢」を作ろう、である。
司法試験・予備試験の短答は、憲法のように「1・1・2・1」みたいな問題はともかく、5つから正しい組み合わせを選ぶ問題が中心である。
そもそも当たる確率は20%なわけだから、単純に計算すれば1科目あたり30点×0.2=6点は勝手に取れることになる(よっぽど運が悪くない限り)。
これが、1つでも自信をもって切れれば選択肢は3つになる。つまり、当たる確率が33%となる。
この時点でも単純に計算すれば、
30点×0.33=9.9点が取れる。つまり、「全ての問題につき1つでも絶対的自身をもって切れたなら9.9点は取れる試験」なんて見方もできる(よっぽど運が悪くない限りpart2)。
では、「絶対の自信をもって切れる肢」が2つならどうだろう?
この場合、選択肢次第で場合分けが出来る。
例えば、
1ア・イ 2ア・オ 3イ・ウ 4ウ・エ 5エ・オ
パターンを考えてみよう。
「絶対の自信をもって切れる肢」がアとイなら4か5になるわけだから、確率は50%。上と同じ計算から15点取れる計算。
一方、「絶対の自信をもって切れる肢」がアとウなら答えは自ずと5になる。つまり、100%当たる。
もっとも、試験委員もそこはお見通しというか、「ここで悩ませよう」と想定しているはず。ゆえに、後者になるパターンは多くはないだろう(というかそれでは試験としてもはや成り立っていない)。
しかし、それでも、「絶対の自信をもって切れる肢」が1問につき2つあれば単純計算で15点は取れるわけだ(もちろん、これでは7科目トータル105点だから普通は届かないが)。
よって、こうした「絶対の自信をもって切れる肢」を量産し、15点の人間になるところから始めてみよう。
ちなみに、「絶対の自信をもって切れる肢」が3つあれば満点となるんだろうが、そこは封じておきたいのが試験委員側のお気持ち。そういう意味で、過去問を肢毎に見れば、「いや、別にここまで知ってなくてもいいけどね?」という難問も入っている点には注意したい。
とかく、直前期になると「全部に触れようとする人」がいる。その結果、「絶対の自信をもって切れる肢」がたくさん増えるならアリ。が、作れないならいたずらに時間をロスしてしまうだけかもしれない。換言すれば、その学習はあなたの血肉となるか、当日「絶対の自信をもって切れる」だけの”効果”が発揮されるか。こうしたことも考える必要がある。
・1時間かけて公判前整理手続の短答を30肢やった結果「絶対の自信をもって切れる肢」が3つしか生まれない場合
・1時間かけて公判前整理手続の短答を15肢×2周やった結果「絶対の自信をもって切れる肢」が10個生まれた場合
前者のほうが広く演習出来ているものの、当日その3つが出なければ「出たとこ勝負」に終わる(案の定、「どっちだったっけ」状態となり、そしてそういうときは外すのが世の常)。しかし、後者であれば…あとは言うまでもないだろう。
可能であれば、「体系別」に「頻出分野」について「絶対の自信をもって切れる肢」を量産することをお勧めする。
例えば、
民法…(不)動産物権変動
商法…株主総会
民訴…証拠調べ
刑法…因果関係、共犯
刑訴…逮捕・勾留
憲法…21条論、国会
行政法…裁量、行政指導
のような頻出論点ごとに整理し、
「株主総会だけは絶対2点取る」
「21条の判例問題では負けないわ」
という気概でひたすら演習をするといいだろう。一周やったら終わりではなく、すぐにまた周回(全部か間違えた問題かはともかくとして)する気持ちで。中高生の頃にやっていた試験範囲付きの「英単語テスト」や「常用漢字テスト」の勉強のような気持ちで。
そしてそれだけの学習をすれば当日「出てくれてありがとう」という気持ちにすらなる。逆に出なかったら自分の運を呪う気持ちで。
なお、年度別に試験を行うことで、自分の弱点も見えてくる。ゆえに年度別も同時並行するとよい。縦(年度)の糸と横(体系別)の糸とが織りなすように演習することで、布(知識)は分厚くなっていく。どちらか一方では、すぐに糸はほつれてしまうのではないだろうか?