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ドルスト上、クロス円やや下の方向感|FX週足相場分析 - 2023年3月第4週(3/20~)

FX トレーダーの「たぬとれ」です(私の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)。今週も週足相場分析をお届けします。

「週足はトレードの背骨」と言われ、日足と並びデイトレ・スイングのみならずスキャルピングにも大切なテクニカルトレードの基盤です。でも、日々のトレードの中でマルチタイムに複数通貨ペアを見ていると、中々週足に時間をかけることができないですよね。

そんな中「たぬとれ」は毎週末に確定足で週足分析を行い、日々のトレード前の環境認識や振り返りに活用しています。私の場合、これを習慣づけてから無駄なトレードが減り毎週利益が積み上がるようになりました。週次で安定して勝てない人は是非お試しください。


今週のまとめ


■大局と通貨相関

  • 先々週のSVB破綻を端とした信用不安はクレディスイスの株価急落に繋がり、金融システムの綻びを露呈させている。欧米財務当局は不安の連鎖を断ち切るべく手を打っているが、FRBの金利引上げも難しくなっておりインフレ継続と本格的景気後退が懸念される

  • ドル金利の下落でドルも上昇から下落にトレンド転換しつつある。一方で欧米金利引き上げの限界が見えてきたことと、リスクオフへの転換で円は買われる展開。テクニカルにもドルスト上昇、クロス円やや下落の方向が出ている。但し、ドル円は週足での短期サポに到達しており、週初陽線スタートとなればもみ合う可能性もある。ドル円の動きで力関係を把握した上で、ドルスト・クロス円の通貨選択をしたい。

  • ユロポンは週足で安値更新も上昇チャネル下限到達で依然方向感なし。

  • クロスオージーは引き続き豪ドル下落の方向感が確り出ている。クロス円下落の流れと重なればオジ円ショートは本命。一方でドル円反転上昇でドルストショートとなれば、オジドルが有力な選択肢となる。

■注目の通貨ペア

  • ドル円:陽線出れば静観も、陰線で短期サポを下抜ければ下目線でショート狙う。

  • ユロドル:短期レジ上抜けすればロング狙う。

  • ポンドル:上目線でロング狙いたい。

  • オジドル:ドル安トレンドを警戒しつつ、テクニカルとしては積極的にショート狙いたい。

  • オジ円:下目線で戻りから積極的にショートしたい。

  • ユロオジ:日足以下で足場が固まればロング狙いたい。

  • ポンオジ:日足以下で足場が固まれば短期ロング狙いたい。


【考察】期待値トレードのリスク分析


トレードとは期待値を得るために淡々とエントリーと決済を繰り返して行くものと考えています。ではその期待値が高いというのはどういうことか。トレーダー毎にルールは千差万別だと思いますが、比較的上手くいった3月17日(金)20時からのポン円ショートで「たぬとれ」が何を考えていたか。思考の流れを振り返ります。

■前提として「たぬとれ」のトレードスタイル

こんな感じです。

  • 4時間足・1時間足を主軸としたデイトレード(エントリー後の保有時間は15分~4時間)

  • ロンドン・NY市場前半の資金が入る時間帯のみトレード

  • 損切は1分足レベルに置き、最低リスクリワード1:3の損小利大を狙う

  • エントリー後リスクリワード1:1まで順行すれば、建値ブロックし目標利確に指値を入れて放置する

  • 勝率は40%を越えれば良しとし、チキン利確するなら建値に戻された方が良いと信じ込む

■エントリー前の環境認識

ロンドンオープン前に、ポン円の下落スペースに既に注目していました。

そして、エントリー前の上位足の環境認識は。見るからに上には行けないが下に抜けると大きなスペースが開けている様に見えます。

3月17日20時の上位足
  • 週足:大局高値圏だが下落ダウの戻りから20SMAに沿って下落

  • 日足:安値更新20SMA/200EMA下抜け後のレジ帯への戻り目

  • 4時間足:急落下落ダウ更新後の戻りが上昇ダウを刻んだが、半値戻しでデッドクロスした20SMA/200EMA下もみ合い。18時の足は安値更新できず

  • 1時間足:19時の足がレンジと20SMAを下抜けた後小さな戻り目

■下位足でのエントリーの思考の流れ

19時に1時間足が下抜け(緑ライン)したが下位足でのエントリーのサインが出ないまま20時が迫っていました。19時台の1時間足ロウソクは小さな戻り陽線で、20時から下落して陰線になるのだろうとのイメージが湧いていました。

そして、20時直前からエントリーにかけての思考の流れ。

下位足でのエントリーから利確まで

➀20時を前に5分足が戻りに引いた斜め線を下抜け
②19:55に5分足が僅かに安値更新
③15分足は戻り目が高値更新できていない
④20時の1時間足が戻りの陽線コマ足で確定
⑤1分足は安値更新後の戻り目から陰線出て来た
⑥20:02に161.530でショートエントリー
損切は1分足の上において▲9pips
⑧利確は1時間レンジブレイクのFE61.8と重なるキリ番161
⑨1分足で若干もみ合った後下落開始
⑪直ぐに10pips程度の含み益になったので建値ブロックと利確指値して放置⑫その後すんなり下落して目標到達。+53pips
⑬しかし、そこから更に40pips下落

■リスク分析

ここで改めてリスク分析として、エントリーの肯定材料と否定材料を比較してみます。

【肯定材料】

  • ロンドンでそろそろ動いて良い時間帯での1時間足切り替わり

  • 週足、日足が下目線

  • 1時間足のレンジブレイクからの戻り

  • 5分足の小さな斜め線ブレイク

  • 5分足安値更新

  • 1分足の戻りから陰線出て来た

【否定材料】

  • 4時間足は安値更新していない

  • 15分足の戻りが半値達成していない

  • 5分足の短期上昇ダウは崩れていない

これらを瞬時に考えて、損切が薄く伸びるスペースが大きいことからエントリーを決断しました。最重要視している4時間足が安値更新していないことはギリギリまで気なってはいたが、逆行すれば損切すれば良いし、上位足の環境は整っているので入り直しても良い。勝率40%でもトータルで勝てるという数字がエントリーを後押したとも言えます。

しかし、利確後40psisも伸びたのはいただけないですよね。フィボナッチを引く際に15分足を使っていればあと20pipsは取れたのですが。私の場合フィボナッチの始点を実体にして終点を伸びたヒゲ先にしているので、上の時間足を使う程チキンになってしまいます。まあ、1時間足のレンジブレイクが最大の根拠でキリ番とも重なってしまったので仕方ないとしましょう。「頭と尻尾はくれてやれ」とは言いますが、えらく尻尾の長い魚のいるということかな


個別通貨ペア分析


■ドル円

短期上昇ダウが短期レジと20SMAに押さられ下落し短期サポ到達。大局は長期上昇ダウの押し目がもみ合い。

20SMAと短期レジが綺麗に効いており短期下落の勢い強い。陽線出れば静観も、陰線で短期サポを下抜ければ下目線でショート狙う。


■ユロドル

長期下落の戻り目FR50と重なる長期レジから下落も上向き20SMAで止められている。先週短期レジ上抜けトライも押し戻され十字線気味陰線。

突き上げる20SMAと短期レジに挟まれている。短期レジ上抜けすればロング狙う。


■ポンドル

短期上昇ダウの押し目から上向き20SMAに沿って先週高値更新。

20SMAが確り突き上げており上目線。ユロドルが上抜けしてくれば更に自信を持てる。上目線でロング狙いたい。


■オジドル

下落ダウのレジへの戻り目。チャネル内の下落で大局も下落ダウ。

下目線で背となるレジもある。ドル安トレンドを警戒しつつ、テクニカルとしては積極的にショート狙いたい。


■ユロ円

長期上昇の押し目がもみ合い。短期上昇ダウの中先週大きめ陰線で20SMA下抜けしチャネル下限と短期押し安値到達。

短期サポとチャネル下限で下落止まったが、天井圏の三尊形成で売り圧力も強い。下抜けてくればショート探るも、優先度の低い通貨ペア。


■ポン円

長期上昇チャネルの下限から上昇も20SMAから下落。大局は三角保ち合い。

売り買い交錯するポイントで方向感ない。優先度の低い通貨ペア。


■オジ円

下落ダウ更新、長期上昇チャネル下抜け後、先週続落。

下目線で戻りから積極的にショートしたい。


■ユロオジ

上昇ダウの押し目。20SMAと200EMAがゴールデンクロスしそう。

日足以下で足場が固まればロング狙いたい。


■ポンオジ

上昇ダウの押し目だが、長期下降チャネル上限。

上目線だが長期下降チャネル上限。日足以下で足場が固まれば短期ロング狙いたい。


■ユロポン

上昇ダウの押し目が先週20SMAを下抜けし僅かにネックライン下抜け。冗長チャネル下限到達。

短期下落ダウ転もチャネル下限で買いも出るポイント。方向感でなさそう。強弱関係を見る監視通貨なので基本トレードはしない。


前提

FX週足相場分析の前提は以下の通りです。

  • 「たぬとれ」が監視・トレードする10通貨ペアをドルスト、クロス円、クロスオージーの順に分析。

  • 4時間足デイトレードを目的とし、週足の大きな流れより今週のロウソクが陽線か陰線かという観点に重点を置く。

  • 分析は金曜日に確定した週足で行い、確定済みの週を「先週」、新たに始まる週を「今週」と記す。

  • TradingViewのFXCMロウソク足チャートに200EMA、78EMAと20SMAを描画。78EMAは中期としての参考で反発の対象とはしていない。

  • ダウ理論とロウソク足を基本とし、Demand/Supplyに基づくサポ/レジ、チャネルラインとフィボナッチリトレースメント(FR)、たまになんちゃってエリオット波動で分析。

  • ロウソクヒゲ先より実体を重視。

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