彼女のLINEが淡白なのでハートの絵文字を使って下さいとお願いした話
交際が絶好調の時でも、彼女のLINEは淡白でした。
スタンプは基本、会話の終わりだけ。絵文字や顔文字もほとんどなし。
いちゃいちゃすべきやりとりでも、
《好きだよ》
くらいの素っ気ないものでした。
一度その話になった際には、こんな返答がありました。
「単純に文字でいちゃつくのが苦手なんだよね〜」
確かに電話の時や実際に会った時はそれ相応のいちゃつきがあるので、その言葉に嘘はなさそうです。
いやでも。でもでも僕は。
「たまに❤️の絵文字を使ってくれると嬉しいかも、、、」
「ええー、絶対イヤなんだけど!」
「頼むよ。たまにでいいからさあ」
「じゃあ、たまにね。本当にたまに」
それで何ヶ月もハートの絵文字がなかったので、あ、この『たまに』は本当の本当に『たまに』なんだなと、僕は観念したのでした。
その日はLINEで明日のデートは飲みにいきたいという話をしていました。僕はお酒が強くないので、基本的にジュースや緑茶しか飲めません。たまーに1杯、甘いカクテルを飲むくらいです。
しかしペパリーゼという肝臓を強くする錠剤を事前に飲んでおくと、2〜3杯は飲めるようになります。彼女は普段から2〜3杯飲むので、どうしても僕に同じくらいお酒を付き合ってほしい時は明日は一緒に飲みたい宣言をして、事前に僕はドラッグストアに錠剤を買いに行くのでした。
《オッケー、明日よろしく!》
僕がやりとりを終わらせようとすると、
《ずっと前から言いたかったことあってさぁ》
と、意味深な返信が。
《なに?》
《ペパリーゼじゃなくて、ヘパリーゼだぞ❤️》
《そ、そこでハート、、、? ってか、そうなの!?》
《可愛かったからずっと泳がしてきたけど、いい加減そろそろ大人の前で恥かくぞ❤️ ペパリーゼちゃん❤️》
《え〜いまググったほんとだヘパリーゼだ! 俺もう最初からペパリーゼだと思ってた! 既に友達や先輩の前でもそう言ってるけど一回も注意されたことないよ、何でだろう?》
《早口キモいぞ❤️》
《うっせええええええ》
《間違い訂正してもらったんだからありがとうって言え❤️》
《ありがと❤️》
《お前はハート使うな💔》
《かなしい💔》
……思い描いてた❤️の使い方ではなかったけど、これはこれで良い思い出になっています。
だけど、一回だけ、、、。
《◯◯、もう付き合って一年九ヶ月だね。
◯◯はかっこいいし面白いし、ずっと愛してる。◯◯と出会えて本当に良かった。
今までありがとう、これからもよろしく!
大好きだよ❤️❤️❤️》
といった直球の素敵メッセージを送ってきてくれたことがあります。
それは大変嬉しかったことですが、
エイプリルフールにだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最高の彼女ありがとう。