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警察に足止めされて悲しくて悔しくてケンカ売っちゃった話
20代半ば、自転車で深夜でも食べられる美味しいラーメン屋さんにスイスイ向かっていると、ちょっと年上くらいの警官2人組に出会ってしまいました。
「お兄さん! ちょっといいですかあ?」
う、、、と僕は、立ち止まります。
「最近、自転車の盗難が増えてるんですよね〜」
「う、、、」
「防犯登録、確認させてもらいますね?」
ううううううううううううううううう
「今週3度目なんですけど!!!泣泣泣泣」
僕はあまりに悲しくて叫んでしまいました。
無職は朝昼晩自転車に乗るのです。少しでも前に、進みたいから!!!!!!!!
だけど俺は東西南北どこいったって警官に止められる!!! 地味なパーカーに地味なジーンズで、こんなにもひっそりと静かに生きてる人畜無害な一般市民なのにだ!!!!!!
週に3回はやりすぎだって! さすがに拒否したくもなるって!!!
「んー、それは申し訳ないけど我々は確認できる手立てないですからねえ、、、。ご協力していただきたいです〜。お名前お願いできますか?」
「自転車なんか盗らないっすよ、、、」
「お名前お願いできますか?」
「◯◯◯です、、、」
お巡りさんの強い圧に負けてしまった僕は、しぶしぶ名字を差し出すしかありません。
「◯◯◯さんね、、、」
警官が僕の自転車の後ろに貼ってある防犯登録シールの番号を覗き込んで、持っている無線に向かって話しかけます。
「はーい失礼しますお疲れ様です。防犯登録確認お願い致します。××××の××××で、◯◯◯さんです! どうぞ、、、」
無線のやりとりの合間、僕がもう一人の警官にどこに住んでいるかなど世間話させられていると、、、
そこを金髪のリーゼントでいかつい見た目の半グレヤンキーが、自転車にまたがってチンタラと通りすぎてゆきました。
「あ、はいはい、了解しました、それではまた!」
警察が無線のやりとりを終えます。
「すみません確認とれましたので、もう行って大丈夫ですよ。何度もご協力ありがとうございました!」
警察が僕が無罪だから走行を許可します。
でも僕は動きませんでした。
「なんで警官ってヤンキーみたいな人には声かけないんですか!?????????」
さきほど自転車で通りすぎた金髪ヤンキーを、警官2人ともチラ見して、何もせずにスルーしたことを僕は見逃しませんでした。
「……別にそういうことじゃなくて、いまはアナタを相手してましたから。タイミングの問題ですよ」
「ほんとかなぁ。いっつもおとなしそうな人が乗ってる自転車だけ足止めされてる気がしますけどねえ!!! 楽だからですか?」
なんせ今週3回確認されてるしな!!!!
「気のせいですよ、、、」
「いや絶対に見た目で判断してる!!!! 強そうな人には声かけないで弱そうな人にばかり声かけてる!!!!!」
「見た目で判断してますぅぅぅ!!!!!!!」
み、みみみみみ認めたぁ!???????
「君の言う『強そうな人』は自転車 盗まないんだよ!!!!!!!!!!!!!」
「するならもっと大きな犯罪するの!!!!」
「だから歩いてる時に声かけることが多い!!! そういう時にカバンや財布の中身やズボンのポケットも確認させてもらっているよ!!!」
「自転車とかは、君みたいなタイプの方が可能性あるんだよ申し訳ないけど!!!!!」
警察に2人ががりでド正論みたいなド偏見でフルボッコされてしまいました逮捕された気分!!!!!!!!!泣泣泣泣泣
確かに僕は何度も何度も何度も自転車に乗っている時に防犯登録を確認されたことはあるけど、街を歩いている時に職質されたことはただの一度もありません。
渋谷や新宿で見かける職質は、怖そうな見た目の人にちゃんとやってるイメージがあります。そこに自転車はありません。
なるほど僕の見た目は、暴力や薬物はやってないだろうけど自転車ドロボウ顔なのですチャリパク顔なのです!!!!!
長年の謎がやっと解けました。職務質問は強そうな人を中心に。防犯登録の確認はおとなしそうな人を中心に。これが警察のパトロールとして効率が良いのです。限られた時間の中で、ちゃんと職務をこなしているのです。
(あくまで何年も前の警察が半ギレで言ってたことだから、どこまでマニュアル化されているかは知りません。防犯登録確認と荷物検査を同時にやるパターンもありますし、地域差や警察ひとりひとりの価値観・判断もあると思います)
僕は、これからも何度もチャリ泥棒を疑われるだろうけど、カバンや財布の中身などはほとんど確認されないことに感謝して(アダルトグッズ買った帰り道とか恥辱死じゃん)、再びラーメン屋へと自転車を走らせるのでした、、、。
まあその数年後にイカつい見た目の人に自転車パクられるんだけどね!!!!泣泣泣
完
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