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4年半かけて保育士試験を受けた話(後編)

この記事は令和4年度 保育士試験実技試験(前期)の体験談をまとめたものである。実技試験はダラダラとやっていた筆記試験とは異なり独学で一発合格なので、一応試験対策の参考にもなるのではないかと。
なお、筆記試験(一次)や全体的な話については「前編」を。

実技試験対策

私が選択したのは「造形に関する技術(以下、造形)」と「言語に関する技術(以下、言語)」の2つ。
今の生活環境上、音楽を選んでも楽器練習のしようがない(経済的な理由で楽器購入・楽器レンタル・スタジオレンタルなども厳しい)ので、必然的にこの2つを選ぶしかなかっただけ、とも言う…。

筆記試験の2日後の4月26日、自己採点して「よほどのことが無い限りは実技試験に進めるだろう」と判断し、準備を始めることに。
まずは「試験対策の準備の準備」をと、インターネット上の情報を調べる。筆記試験対策も動画は色々と見つかったけど、実技試験も結構な量が出てきた。
念のために実技試験対策本(ユーキャン成美堂出版の2冊)も買った。
尚、オンサイト/オンラインで実施していた対策講座は一切受講していない。

「言語」対策

いわゆる「素話(すばなし)」の実技。
想定環境は3歳児クラス15名程度、3分間。
実際の試験では面接官と受験生の間の空間に「園児に見立てた椅子」が2つ置いてあるので、それに向かって語る。

課題の「お話」は「受験申請の手引き」に書いてあるので筆記試験の受験前から対策しようと思えばできる。
令和4年度は以下の4つ(前期後期共通)。

  • ももたろう

  • 3びきのこぶた

  • おおきなかぶ

  • 3びきのやぎのがらがらどん

まずは「素話」自体のコツを調べた。
小平は素話の活動を行う団体があるので、図書館に行けば情報があるはず…と思い行ったら、素話の本がいっぱいあった。さすが。

それから「自分が話したい話はどれ?」というところで、絵本を物色。
どれも一度は読んだり聞いた覚えのある話だったけれど、それぞれ幾つかの出版社から出ているバージョンを読んで吟味。
「おおきなかぶ」か「がらがらどん」のどちらにしようか迷い、保留。

改めて絵本を読んで「3歳児に3分で話す」点で悶々。
そもそも3歳児15人が大人しく話を聞いている姿がまるで想像できない。
3歳児、素話理解できるの?3分て結構長くない?🤔

子育てをしている知り合い何人かに尋ねたところ「3歳児…振り返っても分からない!!」と清々しい回答を得る。
わかんないのかぁ~。
わかんないんじゃあしょうがないよね!!(何が

実のところ、試験対策本にドストレートに台本が掲載されているし、YouTubeで「保育士試験 実技 言語」などのキーワードで検索すると対策動画というかそのまんまのヤツが出てくるので「特にこだわりが無ければそのまま丸コピという手もあるのか!?🤔」と思いかける。
最終的に、いろいろなものを参考にしつつ、自作。

何度か練習しているうちに「がらがらどん、これ、下手すると3歳児がワンワン泣くやつじゃない?た、たのしそう…!!😊」と嗜虐心をくすぐられる。
(男兄弟からは人気だったなどの意見も幾つかいただいている)

「がらがらどん」は冷静に考えると酷い物語だ。
話中に登場する大きなトロル、自分のテリトリーをしれっと通過しようとした山羊を威嚇しただけで(絵本上では)、実際には何の物理的な危害も加えていない。
なのに最終的には一番大きな山羊のがらがらどんにミンチ肉にされる。
テリトリーに侵入してきたから威嚇しただけなのに。
酷い、酷すぎる!!😭
………だがそれが良い😆😆😆

しかし「おおきなかぶ」の「うんとこしょ、どっこいしょ」の汎用性の高さも捨てがたい(既に素話とは関係ない)。
とはいえトロルがひたすらお気の毒な「がらがらどん」も捨てがたい。
うんとこしょ、どっこいしょ。
どっちにしようか迷っちゃう。

逡巡した末に、がらがらどんで行くことにした。
この時点で実技試験まであと1週間。あとはひたすら家事やら散歩やら何やらの合間に諳んじて、日に2~5回計測しながら練習して、本番を迎えた。

なお、当日の印象としては「3びきのこぶた」が多く「おおきなかぶ」もチラホラ、という感じだった。

「造形」対策

家に色鉛筆がなかったので、その準備からスタートした。
クーピーは持っていたが試験で使用するのは微妙・大丈夫などと、どっちつかずの情報が錯綜していて却下。
最初は「試験でしか使わない気がする。なんか買うの勿体ない」という理由で百円ショップで買ってみたが、書き味が悪い。色のノリが悪くてイライラする。
心情的に「これで試験を受けるのはちょっと…」となり、通販で取り寄せることにした。

「じゃあ、どのメーカのどの色鉛筆を買おうかな」と調べているウチに、色鉛筆を物色することが楽しくなってきてしまう。
あ、やばい。脱線する。やばい。楽しい。やばい…。
とりあえず3つのメーカーの色鉛筆を取り寄せて、一番使い易かったものを試験で使うことにした(ついでに解答用紙として想定されているケント紙も、漫画原稿用の無地のものを取り寄せた)。

三菱ユニ、トンボ、クーピー…の色鉛筆を取り寄せた。試験ではトンボをメインに混成。

なお、当日配布された資料を見て色数は決められているが持ち込む本数の指定はないと知って愕然。

色鉛筆(12~24色程度、本数制限なし)

「実技試験にあたっての諸注意」より

な、なんだと…!?
本数のことなんて「受験申請の手引き」に書いてなかったじゃん…ひでえ…

詳細の情報が書かれているという手引き書にはそんな説明ないんですけど…

また、「色鉛筆はタオルの上に置く」という人が多いようだけど、自分は缶ケースの中の仕切りのついたプラのトレイを取り出して使った。一本一本転がらないし、重ねておけるし、場所を取らないし。便利…☺️

この置き方めっちゃ安定感あって良かった

道具はさておき、本番対策。言語試験対策が押してしまったのと若干ナメくさっていたところがあり、実質の対策期間は3日程度だった。
それでも3日間丸々描いていた訳ではなく、園舎や関連施設ならびに「遊び」の調査をひたすら行っていた。実体験がないからいまひとつイメージできず…(私は保育園ではなく幼稚園出身)。
なので言語と同様に3歳児に「あたり」をつけて、年間行事等を色々と調べた。各園の公式サイトの募集要項や紹介動画が役だった。インターネット様々…。あと、一応0歳~6歳の描き分けや速塗りの練習もした。

時間計測して描いたの、3枚しかない…

試験当日・本番

心身の調子が微妙。「もう金輪際、筆記試験から受験し直したくない」と心に強く誓いすぎたのか、前日からずっと緊張しっぱなし。
「試験中に便意を催すなどのアクシデントがあってはいけない」と思って下剤を飲んだ上で早く寝て午前4時前に起きたものの、緊張が上回ったようで便意ゼロ。まぁそれならそれで…。
そして朝からずっと心臓がバクバクし、両手は細かく振動。止まって…。

スマート時計で自動計測していた当日の心拍数。比較のために別の日のも。

あまり食欲は無かったものの、経験的に「あ。これ、あとで激しい胃痛で苦しむヤツだ」と危険を察し、念のために朝昼は軽く食事を取った。

折しもこの日はKDDIが大規模通信障害を起こした翌日で、朝方はまだその余波が残っていた。なのでauユーザ(当時)の私は鉄道遅延などを考慮して集合時間の1時間前到着を目指して出発。幸いにも特段の影響はなく、事なきを得た。

会場に着くと、各机に封筒が置かれていた。
試験のスケジュールや諸注意をまとめた紙の束と、研修やらなんやらの案内チラシなど。
自分の会場は造形と言語を選択した受験生のみらしく、集合時間になってガイダンスが行われたあと小休憩を挟んですぐに全員一斉に造形試験だった。

「造形」本番

試験開始前から終わった後もずっと手の震えが止まらなくて困った。
試験前に黙々とカッターで色鉛筆を削って精神統一を試みたら少し和らいだけど、本当に少しだった…(なお、削りカスは会場で捨てられないのでお持ち帰り)。

筆記試験のように「早く終わった人は早く退出」することはなく、試験官が全員の解答を回収してから全員一斉退出。
回収中の回答をチラ見したら十人十色で面白かった。全然違うもんだねえ。

「言語」本番

造形の試験終了後は、言語の試験の時間まで各自待機。
自分の番は幸いにも12時過ぎ。少し早めの昼休憩をしてすぐ試験だった。

各所の試験対策情報曰く、言語試験は実質の「面接試験」だという。
素話の技術だけではなく、身だしなみならびに入室から退室までの所作も見ている、とか。
身だしなみ…もちろん髪色も…。今年は色々あって地毛に戻していたから良いけど、昨年以前だったらどうだったろうか。金髪だったし(というか、筆記試験を何度も金髪頭で受験したよね)🤔
いずれにしても、もうこれ以上落ちたくないから体を張って検証するのはやめておいた…😅

服装については、自分はオフィスカジュアルにした。ちなみにジャケットと靴以外ほぼ全てユ●クロ。靴はクロックス(販売終了した黒メッシュのウォーキングシューズ)。
他の受験者を見た限りでは皆が皆ビシッとした服装だったかと言えばそうでもなく。チェックのネルシャツにGパンなど適度にラフな格好の人もいた。無論それで合格したかどうかは知らない…。

入退室の様子も見られていると言われているものの、ノックの回数、扉のノブの持ち方、挨拶の角度など「こうでなくてはいけない」厳格さを求められている感じではない印象。もしかしたら部分点対象になっているかもしれないけれど、よほどのことが無い限りは致命傷に至らない気がする。おそらく「就活をしていれば適度にできるであろう身のこなし」で十分かな、と。

試験管の指示が聞き取りにくくて言われたことがすぐにできなかったり何度か聞き返してしまうことがあった。荷物をどこに置くか、マスクをどのタイミングで外すか、など。

午前の造形試験の緊張が抜けきれず、表情が硬かった気がする。
その上で時間切れで途中で終わってしまった。けれど締めの部分の手前まで話すことはできた。

帰宅後、気が抜けたのか、ドバーッと汗が吹いて、そのあと地味にしばらく足つった…😭

一発合格で一安心

各分野で6割 i.e. 30点以上で合格のところ、造形42・言語38で見事一発合格👏🎉同じ試験をもう一度受けて同じあるいはそれ以上の結果が出せるかはわからないけど、今回は対策が上手くハマったようで本当に嬉しい。

めでたく一発合格

保育士試験を終えて

「もう二度とこの試験を受けなくて良いんだ」という安心感がとにかく大きい。あんな思いを何度もしてたら物理的に心臓に悪いし。
(いやまあそれで急死するとしたら「タイミングがちょっとナー」だけど「お望み通りのピンピンコロリ」でアリと言えばアリ…かも…🤔)

そして「試験直前の割り込みタスクに怯えなくて良いんだ」という安心感も大きい。
全ては私自身の自己管理能力の欠如に起因しているとはいえ、もう二度とあんな思いをしなくて良いんだ。良かった。いやあ、良かった。本当に。
(ただし性懲りも無く何かの受験申込みをして、性懲りもなく割り込みタスクの夜なべ対応などしなければの話…)

いまは目の前の自分の活動に集中したいし、そこに活かすにしてはまだまだ色々と勉強不足だから、もっともっと勉強して経験を積まねばということしか思いつかない。

まぁとにかく気が済んだ。気が晴れた。やりきった。スッキリした。
前に進むぞ!!

以上。

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