僕と陸上 #3 高校時代〜現在

 そんな行く末も見えない夏、顧問や担任が、僕の今までの経緯を聞く時間を設けてくれた。今まで苦しかった事、本当は大学で駅伝がしたい事、でもどうしようもならないこと。胸の内を全て語った。

 そしてそこから、僕はプレートを抜釘する決断をする。普通は、5年も経つとスクリューが骨と同化して全ては取れないことが多い。医者にものけるデメリットはたくさん言われた。しかし、僕は覚悟を決めて手術に臨み、結果は全て外すことができた。奇跡だと思った。

 すべてプレートが外れたことで、もう一度、大学で陸上を続ける決意をした。行きたい大学にも受かることできた。骨が強くなるまでの間は、思うように使えない。しかし、普通の体に戻った自分なら、やれるという確信があった。

 しかし、本当に人生はうまくいかないもので、昔手術したときに普通より長くなってしまっていた橈骨が影響して、思うように腕が触れない。周りの人のたくさんの支えでやっとプレートが取れたのに、また次か。終わったと思った。神様なんてこの世にいないと思った。

 結局、親や医者にも申し訳なくて、このことを言えず、そのまま今の大学に進むことになる。今の僕は部活もサークルも入る気はない。なにをしにここに来たのだろう。

 今もこの事を話していないほとんどの人は、僕が陸上を頑張っていると思っている。本当に家族や関わってくれた陸上関係の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

  僕と陸上 〜完〜


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