本資料は、小海スタート2ヶ月前に計画を作成し、それに結果と見解を書き添えたものです。(※2ヶ月前にはある程度補給と装備まで決めていた。「スタート時点で勝負は決まっている」というので、事前に超考えていました。)
この記事のまとめ。
上記を詳細にしたのが下記ですが、物好きの方はどうぞ・・・長いよ、、、
1. KOUMI100 マイル の目標
自分は、2021彩の国マイル完走が直近の最大の目標。
2018KOUMI完走者と2019彩の国マイル完走者、どちらの大会も出ている人を並べた時に、2018KOUMIサブ32の方々が彩の国を完走していた。ただし2018KOUMIは距離が長いため-2時間のサブ30を目標ラインと設定。
2. KOUMI100 の課題と対策
2-1. 小海の目標
・2021年の彩の国100マイルに向けて中間テスト
・サブ30が合格ライン
2-2. 仮説
・過去の失敗を洗い出して全て対策すれば、目標クリアできるのではないか
・マフェトンで練習し、本番マフェトン心拍で、目標クリアじゃないか
・高地対策すればいいんじゃないか
・登りに耐えうる筋力をつければいいんじゃないか
2-3. 過去の失敗に対して検討対策する
過去の経験から、タイムを落とした要因を書き並べる。
最初の頃は股ずれや足裏だったが、昨年はレースマネジメント、そして眠気や疲労、吐き気など。
まとめると下記。
対策1. 疲労抜・睡眠
2019年のレースは疲労を溜め込んだままスタートしていた。結果、レース中に6時間寝ることも。疲労の蓄積をどうするか?また、前日は緊張から眠れないこともあって、当日眠いなんてこともザラ。これをどうするか。
結論、下記を試そう。
(疲労の蓄積対策)仕事を調整して、睡眠時間確保
(疲労の蓄積対策)寝る前にサプリを飲む(俺は摂取す)
(疲労の蓄積対策)直前2,3週間の練習を軽めにする
(前日就寝対策) レース前1ヶ月間はレース時間に起きる
(前日就寝対策) レース前1ヶ月間はレース前日に眠る理想の時間に眠る
(前日就寝対策) 寝るときのルーティンを作る
※「これとあれをやれば俺は眠れる」と身体に染み込ませる
対策2. トレーニング計画
トレーニング計画は、礒村さん(通称礒さん)に作成してもらった。礒さんはプログラムを遵守せよとは言わず、プログラムをベースにその意図を汲んで自由にやってもらって構わないという方針。(これは非常に助かった。)
礒さんのメニューにアレンジを加えて下記で行くことに。
※トレーニング補足
・9/12のKOUMI試走の結果、にゅうで高山病の予兆あり。高地慣れが必要と判断
・9月の峠走をヤッホーの湯(1300m)←→麦草峠(2100m)峠走に変更
対策3. 装備・補給準備
装備は下記で想定。後半になっても元気で走れているのか、それとも歩いているのか、それによって寒さ対策が変わるのでファジーに。
補給系は下記。(エイドで食べるものはレースマネジメントで。)
1時間300kcal×6時間で1800kcalを目安に。車エイドで3-500kcal、行動時は1300-1500kcal。
inゼリーは大きいのがデメリットだが、KOUMIなら荷物を最小限にできることから持っていくことに。
対策4. レースマネジメント
運行計画
運行計画を下記の通り作成。セオリーは登りは歩く、下りは走るであり、これにプラスして下記を課すことにする。
・下りはゆっくり走る
・登りはゆっくり走る(林道と峠走のみ)
※これだとサブ30はNGだが、ストレッチ目標なので妥当目標ペースとして。
詳細計画は下記。
上記を計画した後に、KOUMIのコースを試走して平均心拍140でいけるかをチェック。試走では140を超えていたが、疲労ピークなので本番もこのペースをベースに行くことにする。
車エイド計画
車エイドでは、何を食べるか、そして着替えをどうするかを事前に決めておいた。KOUMIの前週には、家でエイドタスクの予行練習もした。結果、3周目のタスクの多さに混乱w
<もともとの計画表>
これは不味いと思い、下記の表を作成。また、急遽ペーサー大友さんにもお願いする事項を追加。3周目はやることが多いので3周目スタート前にチェックするチェックリストも作成。
※黄色の箇所は大友さんにお願いした箇所
3周目スタート前のチェックリストは主にこんな感じ。
1:Tシャツ替えたか?
2:ゴミ捨てたか?
3:ライトと予備電池持ったか?(これ、忘れそうだなと思った)
4:手袋もったか?
5:靴を脱いで、プロテクトJ1塗ったか?
6:汗かかないように!いけるか?
対策5. 足裏と体幹トレーニング
これまでの話とは別に、ロングレースでは、足裏が毎度痛くなるので、強化ポイントと認識。体幹は、100マイルやロングトレイルが強い人ほど安定しているように見えるし、登りの強さを得たいから体幹を鍛えようと決めた。
足裏トレーニングは、緑色のゴムを使ったやつを1日100回×3セット。
体幹トレーニングは、TREAT(今年毎週1回、直前の1ヶ月半は週2回通う)と自宅で毎日実施。
TREATでの体幹トレーニングにプラスして、為末大学の内容を元にアレンジバージョンを1日100回×3セット。
対策6. ペーサー
100マイルレースにはペーサー制度を設けているレースがある。今回同じチームで自分よりも圧倒的な成果(彩の国マイル、トルデジアン)を残している大友さんにペーサーをお願いした。
お願いしていることは二つ。
1:車エイドでのサポート
2:ラスト2周を13時間で引っ張ってもらう。
ペーサー大友さんのログはこちら
3. 礒さんキーさんから、 KOUMI100 完走へのアドバイス
ランボーズのマイラーチームに所属しているので、コーチである礒さんとマネージャーのキーさんからは事前に数多くのアドバイスをもらった。
<キーさん>
走りを見ていつも思うのだが、安定した走り方をしている。具体的には走っている時の動きが少ない、でも速い。特に40kmを超えても身体の動きにブレがなく安定している。
仮説としては体幹が強い。一度、この仮説を話したときの礒さんの反応を見て、この考えの正しさを確信。体幹を鍛えよう。
さらにテーパリングとリカバリーについても、練習やりたい自分に対してキーさんから「無理しないこと、しっかり疲労を抜くこと」を伝えてくれた。
レース前後2週間は何もしないくらいの勢いでいこう。
<礒さん>
礒さんからは、トレーニングメニューを作っていただいたこともそうだが、テーパリング時期の細かいアドバイスやレース中に想定されるトラブルについて数多くのアドバイスを頂いた。心に刻んで走りきろう。
・高度障害が出る、調子が悪いのは標高のせい、気にしない。
・HPよりもMPを意識せよ
・苦しいと感じたときには周りも苦しい
・どんなに強い選手でも3-4周目は辛い。
・食べれなくなったら白湯を飲め
・テーパリングの影響から、1周目は身体が重いと思うが2周目以降は身体が軽くなるはず
4. 結果
<仮説>
・過去の失敗を洗い出して全て対策すれば、目標クリアできるのではないか
・マフェトンで練習し、本番マフェトン心拍で、目標クリアじゃないか
・高地対策すればいいんじゃないか
・登りに耐えうる筋力をつければいいんじゃないか
<結果>
目標 事実
R1 5:18 5:13 -5分
R2 5:48 5:38 -10分
R3 6:18 6:28 +10分
R4 6:30 7:27 +60分
R5 6:30 7:07 +40分
5. 来年の彩の国に向けて
・過去の失敗要因を思い返し、今回は対策がある程度上手く行った。
・とはいえ、雨の影響あれど、目標圧倒的未達。(順位から考えても未達)
・結論、このままでは彩の国マイルは目標未達の可能性が高い
・当日雨だと100%完走できない
・ポイントは、スタミナ強化
・怪我が多いので、フィジカル強化
---
■スタミナ(=長い時間走る×トレイルでの経験)
・スタミナ :ロング走増(内山さんが月間100マイル言うてたな)
---
■フィジカル強化(正しいフォームの追求×体幹トレーニング)
・怪我せずに練習:TREATでの体幹トレーニングとフォーム改善、毎日の疲労抜き
---
最後に、今回のKOUMI100マイルはペーサー大友さんのサポート、礒さんのトレーニングメニュー作成やアドバイス、きーさんからのサポート&アドバイス、そしてTREATの矢田ご夫妻のフィジカル向上&鍼灸治療など、関わった皆さんのおかげで何とか完走することが出来ました。
今までお世話になったことについて好タイムでお返しできたことはめちゃくちゃ嬉しいです。本当にありがとうございました。何気に一番嬉しかったのは、ゴール後の礒さんからのメッセージ。心に刻んでまた走ります。
今度は自分がチームの誰かのペーサーなのかサポートに入って、マイル完走の一助になりたい。MFかな。信越かな。
そして俺は来年も小海に出ようかな。どうしようかな。