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確かな音楽

こんばんは、こんにちは。toga.shiです。
音楽にまつわる出来事です。
今日、色々な事情で職員が少なくて、私は来年度から担当するグループのヘルプに行くことになりました。そこの利用者さんたちは、今担当しているグループの人よりも情緒不安定だったり、作業能力が低かったり、言葉がなかったりします。どうだろう、私、どんな風に関われるかな??
 今日は、利用者さんは少なく、いつも前面に出てきて会話を楽しんだり、思いっきり情緒不安定な利用者さんはいませんでした。その代わり、あまり目立たずに、静かに過ごしている人や、自分のペースで過ごしている人がいました。午前中は機械の解体を集中してやったり、紙をちぎったり、ペットボトルを洗ったり。目は合うけれど、言葉がでないし、表情も乏しいから、感情を読み取りにくい…。このグループ、目立つ人はずっと話しかけてくるし、関わりがどうしても生まれるけれど、そうじゃない人は目立たないから、関わる隙間を見つけるのが難しいかもしれない。

で、午後、余暇時間だったので、卓上ピアノを持って来て、歌うことにしました。で、歌い始めると、その利用者さん達、手を叩いたり、少しだけ声が出たり、口元が笑顔になっているのを発見しました。小さなタンバリンを渡すと、シャラシャラシャラと音を出してくれます。
「わ、反応してくれている」「楽しんでくれているみたい?」
言葉がなくても、やりとりができていて、通じている気がする。
わぁ、なんか、この感じ、楽しくて優しくて癒されるなぁ…。
と思っていたら、扉の外から、他のグループの利用者さんがじーっと見つめている。その人は、言葉はあまりでないけど、いつも音楽をきいている、音楽大好きな人。私とすれ違う時、なぜかいつも「ぼくときみ!」と声をかけてくれるので「はじめて会った~こんにちはこんにちは♪」(おかあさんといっしょで流れていた歌)と私も声をかける間柄なのでした。
「いいよ、こっちにきて一緒にやろうよ」と声をかけると、その人もやってきて、うーうーうなりながら、「さんぽ」とか、「マルモリ」とか、リクエストをくれる。歌うと、うーうーうなって、近づいてきて、とっても嬉しそう。 結局、1時間半くらい、リクエストやら、歌の本にのっているピンときた曲をだらだら弾いて歌って、普段は目立たない人の笑顔や、身振りや、楽器を鳴らす音や、小さな声がきけたし、隣の垣根をこえて、音に誘われて人がやってきて…わー、これはすごく…感動する。と感じたのでした。
静かなんだけど、心が確かに震えている。
私がやりたかった音楽って、こういう感じ。
音楽って言葉をこえて、人と人をつなげるし、心に感情を生み出す。
余計なものがなくて静かだからこそ、そのことが確かな手ごたえとして感じられたのでした。

この確かな感覚をベースにおいて、内容をもうちょっと整理して、このグループで定期的に音楽活動ができたら、利用者さんの意外な一面を発見できるし、表現を生み出すことができるし、関わりしろを作ることができるじゃないかと。今、イメージしています。イメージしたのだから、それはもう起きるしかないですね。ムフフ。

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