エマルジョントランスファーという技法
エマルジョントランスファーという技法をつかった作品。
撮影したポラロイドフィルムを熱湯につけることで、エマルジョン(乳剤)から剥離た画像だけを、別の台紙(紙やキャンバス)に転写するという技法です。
この技法自体は真新しい物ではなくすでに一部のマニアの嗜好品とかしてしまったポラロイドカメラが主流の頃からあった技法のひとつなんです。
ポラロイドカメラで普通に撮影して、写真が浮かび上がるのを待ちます。
撮って、写真が仕上がるまでのドキドキもフィルムカメラの楽しみの一つですよね。
今回は、原稿のポラロイドフィルムを使ってるので、やや難しいかなと思いますが、実験的にやってみることにしました。
全盛期の頃は、専用のフィルムがあったのですが、今ではほとんど手にすることができません。ただポラロイドフィルムであれば仕組みは同じなので、なんとかなるそうです。
最近はやりのチェキ(インスタックス)は構造が違うのでエマルジョントランスファーはできないとのこと。
それでは、実際にやってみた画像をアップしていきます。
ここから先は、実際にやった画像と、説明程度の文字量なので、無料公開でも良かったのですが、ポラロイドカメラとフィルム代にそこそこ費用がかかってしまったので、カンパ感覚で購入してお読みいただけると嬉しいです。
※期間限定で無料公開してます。
白枠にそって、写真を切り抜きます。このとき、ぴったり枠線通りじゃなくて大丈夫です。
約75℃のお湯に浸します。あまり熱すぎても温くてもだめです。
温度計で確認しながら約10分間待ちましょう。
乳剤のついた台紙から透明のシートごと剥がすとこんな感じです。
少しゆがんでますが、貼るときに調整すると良いです。
(実際にはこの歪みもアーティスティックな味なのです)
スケッチブックの紙に転写した直後です。
これを乾かすと完成です。
同じ物は2つとしてできません。デジタルデータでいくらでも保存できていくらでも印刷できる時代に、唯一無二を感じることができる。
エマルジョントランスファーは作品としての写真の楽しさを思い出させてくれました。
和紙とかも試してみようかと思います。
セールスコピーライター
フォトグラファー
トガマサ