格差社会
ランサーズで合間の仕事を探していたら面白そうな募集を見つけた。
"格差社会についての意見を募集中"
思い出す間もなく頭をよぎった2年前のこと。アメリカの豪華客船で働いていた。
働く前からエージェントからほんのり匂わされていた船の中での階級、格差について。
まず、国籍によって(明言されているわけではないけど明らかだった。)スタートの賃金だったり階級が異なる。任期も日本人や欧米人は6ヶ月に対して中国やフィリピン、南米は9ヶ月。
日本では目の当たりにしたことの無いストレートさで格差が広がっていた。
階級が違うというのはもちろんお給料にも影響が出る、でも仕事上の負担はさほど変わらい。
そうすると妬みや嫉妬が生まれて階級をまたぐ交流が少なくなる。
ますますお互いを理解し合うことが難しくなる。
同じ場所で寝起きをして同じ目的を持って働くのに、大きな格差が広がっている。
あからさまな格差を感じたのはその時が初めてだった。
乗船するお客様との交流も貴重な経験になった。日本では豪華客船で世界を巡る大人はごく少数だと思う。自分がそんな老後を送れるのか想像もつかなかった。
では、どうやって海外の人はお金を稼いで来たんだろう。
何度も耳にした、投資という言葉。
"貯金してもお金は増えないから、貯蓄の一部を投資に回したんだ。利益が出たら、その範囲でまた運用する。お金がお金を産む土台を作るんだよ。"
いままで働いた時間の引き換えにしか、お金を得たことがなかった。
大部分の人がそうだと思う。
投資なんて会社の社長みたいな、余剰なお金がたくさんある人がするものだと思っていた。
だけどごく普通の一般的な会社員だった人でも、生活の一部として投資を取り入れて、長期的な運用によって利益を出していた。
お金の格差は、知識の格差から来ていると思う。
21世紀の資本論を読んで、
単純労働者と知識労働者の格差は広がっている、
と書いてあって納得した。
有益な情報とお金を得ることは密接に繋がっている。
今、お金の不安を抱える人がどれだけ多いことか。それなのに、具体的な行動を起こす人は僅かだ。お金が足りないと思うなら、その問題はどこから来ているのか、自分に出来る改善策はないか、一人一人が考えることが格差縮小に繋がるのではないか。
日本に帰国してからも船で働いていた時に
感じたように、妬みや哀れみに阻まれて、
富む者と持たざる者をまたぐ交流は少ないと感じる。
お金持ちはお金持ちと交流し更に富む。
お金がない人はお金がない人と愚痴を言い合いそこに根本的解決は無い。
お金を既に持っている人から富を再分配するより、ひとりひとりがお金について考えること、知識をつける事こそ格差を小さくする有効な方法だと思う。
私は海外で働いてからずっと気になっていた海外積立をスタートさせた。
毎月35,000円、25年の積立をする。
短期的に莫大なお金を稼ぐなんて非現実的過ぎる、だけど長期的に複利を味方に運用する事は若くて貯金が少なくたって出来ることだ。
今の時代、昔より競争心が和らいでみんなで幸せになろうとするムーブメントを感じる。
格差社会は富む者、富を持たざる者両方が考える必要がある課題だ。
先の読めない21世紀で、自分がどちらに転ぶのかこの先誰も読めないのだから。
いま格差をシビアに感じるのは富を持たない大多数の人だと思う。
お金はツールであって、人間そのものの優劣を図るものではない。
真の豊かさを考える人が増えること、
それが格差縮小に繋がる第一歩だと思う。