粥のすすめ
お粥を週に一度炊いている。
ぼーっと湯気を眺めてたまにかき混ぜるだけでびっくりするほど美味しい。
土曜の昼過ぎ、少しだけビールが残ったあたまで起き抜けキッチンに向かう。
電気はつけず玄関から洩れる薄い光のなかにいる。
お米を4分の1カップほどすくって鍋に入れ、水を鍋の半分くらい注ぐ。米も洗わないし計らなくて毎回とっても美味しい。
生姜とニンニクの薄切り、手羽先など骨のついた鶏肉を数本入れて火にかける。塩をひとつまみ。
折り畳みのスツールに座って薄目で火を眺める、だんだんふつふつしてあったかい湯気が立つ。
一度沸騰して弱火にしたら何度も読み返したよしもとばななのエッセイを読むか、もしくはオードリーのラジオを聴く。
足先のハゲかけたマニキュアを見つめる、小さなスツールの上で腰が痛くなるような姿勢でだらける。
時折気まぐれに混ぜて、20分ほど煮てとろーんとしたら出来上がり!
とろとろのお米にぷるぷるの手羽先。
この日はザーサイと醤油麹、かいわれ大根を添えて。山椒をガリガリ挽いたりブラックペッパーも合う。
湯気の立ち込むキッチンを抜け出してテーブルに運ぶ。
いつだって体に溶け込む優しい味を他に知らない。
土曜の起き抜けをとても愛している。