ナンパ

乗降客数の多い駅で乗り換えをするのは、
仕事終わりにはイラつきを増す要素でしかない。
横から女子高生がぶつかってきた。
急いでいるようで何かを訴えるような目をしていた。
その後から髪を染めた小柄な男が後を追っていた。
チャラい見た目、ナンパだろうか？
男は何かを話しかけているが、女子高生は目を合わそうとしない。
恋愛のもつれなのか傍目からは状況は分からない。
こんなに人がいるのだから「助けて」と言えば、
誰かしら助けてくれるだろう。
そのくらい実は世界は優しくできているし、
「見てみぬふり」を非難する人は気付いてほしいの甘さに溺れている。
改札とは違う方向に二人は歩いて行ったため、その後は知らない。
改めて「意思表示」という言葉の重要性を胸にしまった。