属するということ
私がオタクということは推ししか知らない。
あと美容院と整体と眉毛サロンのお姉さんも知ってるけど四捨五入すると推ししか知らない。
なぜなら、友人にはオタクであることを言っていないし、オタ垢の名前もトプ画も自分ではないから。
だからたまに自分のアカウントを見て
誰だよお前???
となる。
綺麗な名前をつけ、可愛い女の子アイドルの自撮りを勝手に拝借して、当たり障りないことをリプする。
アイドルよりよっぽど立派な偶像だ。
だから、本名と顔を知っていて、かつオタクと知っているのは推し(と美容のスペシャリスト3人)だけ。
なぜそこまで徹底して隠すかというと、
既存の知人誰とも交わらずに新しいコミュニティに入りたいから。
私は人間関係があまり上手ではなく、いつも居場所がなくなることに怯えている、というか人と深く関わることを諦めている。
どうせ私の事をちゃんと知ったら
みんな離れていく
だから飽きられてもいいように、
うまくいかなくても大丈夫なように
沢山コミュニティに属して居場所を増やす。
その一つがオタクとしての人格だ。
現実世界でどんなに失敗したり、
人に迷惑をかけたとしても、
オタクの自分は誰からも嫌われていないし
誰も悲しい気持ちをしていない。
おまけに推しがいる。
とても居心地がいい。
オタクの世界に友達はいないため誰かにとっては不快かもと沢山の矢印を心配して気を病むことがない。
(もちろん最低限のマナーは守っていきたい)
推しに嫌われなければ大丈夫。
ずっとそう思っていた。
でもある日、配信を聞いている人たちのことを指す総称が決まり、
私はオタクAから総称Aになった。
まあ別に変わったことはないし相変わらず1人だ
と思っていた。
ところがどっこい
推しは私達を総称でまとめて呼ぶし、
オタクも総称でくくってくれた。
ずっと1人でオタクをしていたのに気付いたらすごく大きな団体に入っているような感覚にとても驚いたが、
それ以上に嬉しかった。
在宅でオタクをしていた時期が長かった私にとって他者と交わるという感覚はとても新鮮で信じられないくらい嬉しい。
みんなでペンライトを振るのはすごく楽しくてよく興奮のあまり色を変えてしまう。
ライブ中ペンライトの色が変わってまたすぐ戻してるオタクがいたら私です。
あとライブ前麻雀して待ってるのも私です。
推しが目の前にいるのも信じられなくてプロジェクションマッピングかと疑ったこともある。
とにかくずっと1人でオタクをしていた私にとって
総称でまとめられることは、怖いけど嬉しくて温かくて居心地がいい。
ラプンツェルにとっての塔の外みたいな。
雪だるま作ろう〜ドアを開けて〜
これは違うか
推しへ
私にまた一つ居場所を作ってくれてありがとう。
貴方の声がする所がいつだって大好きな居場所です。貴方のことが大好きなのは大前提として。
配信を聞いているみなさまへ
自分から友達を作りに行ったり、関わるような行動は上手に出来ていないけれど、本当は推しの配信をいつも一緒に聞いている皆さんのことがとても好きです。
色んな人に内緒にしながらやっと見つけた居場所
壊さないように諦めないように大切に過ごしていくので、しばらくここにいさせてください
オタクより