ア・フェアウェル・トゥ・ビアード(邦題:幻想美少女☆バトルロイヤル)
「やめろ!やめろよぉ…!」
少女の悲壮な声が酒場に響く。
「なぁに!抵抗しなければ直ぐじゃ!」
「動くと顔に傷が付くぞ!」
おぉ…オーディンよ御照覧あれ!
赤ら顔のドワーフたちが数人がかりで少女を押さえ付けて居るではないか!
■◆■
夕張ドワーフ大工房は炭鉱の町で…あった。
御一新後、日ノ本はヒトを頂点とする国となり、ドワーフの採掘する石炭は国の近代化を推し進めた。だがやがて石炭は枯渇、大工房の火も消えようとしていた…。
■◆■
朝っぱらから酒場にはドワーフの炭鉱夫が屯している。
仕事は無い、だが飲まずには居られない。悪循環だ。
「こっちは儲かるから良いけどサ!」
看板娘スルズ…勿論ドワーフだ…は毎度の台詞を言いながらテーブルを巡る。
「帝都で女だけの武闘会?」
「ああ、賞金は弐拾萬ヒト圓だそうな」
「…スルズなら…」
「阿呆!ドワーフは出れんではないか!」
「だが、もしもだぞ?スルズに髭が無ければ?」
酔漢ドワーフ達は顔を見合せた。
【続く】
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