『どうすればよかったか？』【12/7(土)初日@ポレポレ東中野】舞台挨拶レポート📝
▰▰本日より公開▰▰
『どうすればよかったか？』
12/7㊏の本日、東京・ポレポレ東中野、ヒューマントラストシネマ有楽町、横浜シネマ・ジャック＆ベティ、大阪・第七藝術劇場にて公開が始まりました。
東京・ポレポレ東中野、ヒューマントラストシネマ有楽町では、なんと土曜日曜と上映全回が満席、横浜 シネマ・ジャック＆ベティ、大阪 第七藝術劇場でも満席と、全館たくさんの方にご来場いただいてのスタートとなりました。
本日、ポレポレ東中野での初回の上映後に、藤野知明監督、淺野由美子プロデューサーによる舞台挨拶を開催しました。その模様をレポートします📝▼
「どうして家から分裂症が出なきゃなんないの？」——映画の冒頭の音声は、統合失調症と思われる症状が出ているお姉さんの声。初めての記録は1992年で録音のみ、お姉さんが発症したと思われるときから9年後のことでした。そして、家族に初めてカメラを向けたのが2001年。撮影期間は20年以上、録音も含めれば記録は30年にもわたっています。
記録をはじめたときは作品にするつもりはなかった、という藤野監督。
「記録として残しておかなければ事実が消えてしまうと…とにかく何か残さなければという想いでした」
映画としてまとめることができるかもしれない、映像を通して人に伝えることができるかもしれないと思ったのは、お姉さんを精神科に連れていくことができ快方の兆しが見えてからだったといいます。
映画のなかで、統合失調症と認めない両親の説得を続けながら、一方で、直接、お姉さんにも声をかけ対話を試みる藤野監督の声が印象的です。
「医師である両親が統合失調症であることを否定し、姉はそのふりをしているだけと言っていて、私自身は医師ではないので判断ができない部分もあった。なので、両親が正しいという可能性も考えて声をかけていましたが、姉さんから思うような反応は返ってこない。やはり統合失調症なのではと、強い疑いをもちながら撮影を続けました」
2013年に藤野監督とともに「動画工房ぞうしま」を設立し、本作の以前は、アイヌの人びとを取材したドキュメンタリーを一緒に制作してきた淺野由美子プロデューサー。
「最初に家族の問題を記録し続けていると知ったときは、大変な状況のなかを生きているのだなと…。藤野さんから、このままではなかったことにされてしまう、という想いも聴いていたので、いつか映画としてまとまればとは思っていました」
淺野プロデューサーと藤野監督のお姉さんの想い出は…「江別によく通っている喫茶店があって、とても居心地のいい場所で。藤野さんとも仕事の話などをそこでするようになって、何度かお姉さんも連れて来てくれました。一緒にご飯を食べたりお話したり。タロットで占ってくれたりもして、楽しい想い出がありますね」
上映の前からたくさんの注目が集まっていた本作。
この反響に対して藤野監督は、「これまでアイヌの人権についてのドキュメンタリーを制作してきました。これまでの作品と本作とで自分がやったことは同じつもりなので、関心の違いに複雑な思いもあります」
「この映画も人権についての作品で、そういう意味では、これまでのアイヌの人びとの映画とも通じています。この作品を受け容れてもらえたことにとても感謝しています」と淺野プロデューサー。
どうすればよかったか？——見ている最中、タイトルの言葉が頭のなかに何度も浮かびます。
「編集をすすめるなかで、タイトルは何度も変わりました。でも、編集中にずっと考えていたことを言葉にしてみたとき、このタイトルに決まりました。最初は、両親に対しての問いだったんですよね。だけど、両親に言葉が届かなかったこと、診察まで25年もかかってしまったということに自分の責任も感じていて…結果として、姉さんの時間を失うことになってしまった。そのことは今でも考えています」
映画館を出てからもタイトルの問いかけから対話が生まれる本作。
観た方それぞれの答えのない問いの先を照らす可能性を秘めた作品です。
上映はまだまだ続きます。配信やソフト化は未定です。ぜひスクリーンでご覧ください。
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藤野知明監督『どうすればよかったか？』
12/7㊏より東京 ポレポレ東中野、ヒューマントラストシネマ有楽町、横浜シネマ・ジャック＆ベティ、大阪 第七藝術劇場にて公開中！
12/13㊎より京都シネマ、12/14㊏より札幌 シアターキノ、ほか全国順次公開📽
各地の劇場で、藤野知明監督と淺野由美子プロデューサーによる舞台挨拶も開催👣
⚠️混雑が予想されますので、オンライン予約ができる劇場は、ご来場前にご予約いただくことをお勧めいたします。
劇場最新情報は映画公式サイトやSNSにて随時お知らせしていきますので、ぜひチェックください🙌
映画公式サイト▼