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動物と人間

さてさて、前回に森の動物との遭遇について少し面白おかしく書きましたが
人と動物の関係等にも触れておかなければなりません。

ちょっと真面目な話になりますが、今回は田舎の人たちの抱えている動物に関するリアルな悩みを少し紹介したいと思います。

田舎の集落では、動物たちとの食料確保の攻防が常に起こっていると言っても過言ではありません。

最近(と言っても数十年前から)里に下りてくる動物が多くなって、作物を食べられてしまう等の、畑への被害が深刻化しており、個人利用の家庭菜園のみならず、農家さんの様な規模の農園も被害を被っている状況になっています。特に、イノシシの被害は大きいという風に聞いています。

僕のいる集落でも、やはりイノシシの被害を多く聞きます。
イノシシって鼻で土をえぐって、土の中にいるミミズとかを食べるんですね、だから庭とか畑とか山の中も小型ブルドーザーが通った後みたいになっちゃうんですよ。
農園じゃなくても、自分の家の庭や花壇が朝起きて耕されていたら、膝から崩れ落ちますよね。

このような獣害に対して、人間側が用意する対抗手段としては、狩猟をする人(猟師さん)が罠猟や鉄砲で対応しますが、近年(と言っても数年前まで)は狩猟に対してのマイナスイメージや田舎離れもあって、成り手が少なく、高齢化問題になっています。
僕のいる集落では狩猟会の平均年齢は70歳にもなると言っていました。。。

元々狩猟は、作物被害を減らす手段ではなく、動物性たんぱく質を捕るためにやっている仕事です。
だから、今のような鳥や豚や牛等の安定して供給できる家畜を食べていると自然と廃れてきてしまうのは分かる気がします。

狩猟会長から直接話や経験を聞いていると、昔と今とではだいぶ状況が変わってきていて、少し前までは、捕った獲物は猟師さん達で分け合って、余ったり要らないとなると廃棄物処理場送りになっていたそうです。。。
しかし今はジビエの需要が増えてきて、ある程度市場もできてきているので
猟師さんたちは、捕った獲物を食肉加工場に持っていき、無駄にならない様にみんなの口に入るようになっているとの事。
これは良い傾向だと思いました。

でも、僕は少しだけこの先の事が気になります。

それは、一つはジビエに対しての需要が増える事。二つ目はブームで終わる事です。
ジビエの需要が有って、動物たちの命が無駄に捨てられないようになったことは非常に良い事です。
しかし「過ぎたるは及ばざるがごとし」需要を満たすために、捕りすぎる事にならないようにしなければいけません。
山の中に何頭のイノシシがいるかなんて、把握できませんからね。
いつの間にか山から動物が消えた。。。なんて事にならないように、注意深く見ていかなければなりません。

次に、狩猟を始めた人たちがブームで去っていくことが無いようにしてほしいという事です。
猟友会長の話で、最近はアウトドアやジビエのブームがあって若い人たちが増えてきたことは喜ばしいが、一人でも黙って山に入って行って狩猟をやろうという気概の有る人間がいないという事を言っていました。
若い人には大変失礼ですが、生業として昔から狩猟に携わっている人から見ると、まだまだレジャー感覚なんでしょうね… 決してレジャー感覚でやるなとかは思いませんし、非常に大切な経験ををしていると思いますので、僕がやりもしないで、ここで勝手気ままに書く事自体が間違っているのかもしれませんが。。

どちらにしても、野生動物の被害を減らす活動というのは、動物保護の部分でも賛否両論ありますし、環境管理の観点からも脆弱さは否めません。
(そもそも、自然環境を人間が管理するなんてできる訳ないと思いますが)
自然との共存について、この問題からも考えさせられる事が非常に多いです。

※ここに書いた内容は地域性も有るので皆さんの周りの状況とは大きく違っている可能性も有りますので、ご了承ください。


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