We put a spell on each other.
自分は小説を書かないといけないと思っている。書きたいとか書きたくないとかでなく、書かないといけないと。書きたいことが見つからないまま。ここ20年くらい。そう。クバの書いた通り、To Do Listの一番上にずっと鎮座している。まったく手つかずで。そのせいで僕はこの20年、夏休みの宿題を何もしないまま外に出かける2学期が始まる3日前のような気持ちで過ごしてきた。端的に言って、ひどく苦しい。呪いと言っても過言ではないだろう。
この強迫観念を解き放てば、楽になるのだろう。すっぱりと忘れて諦めれば。表現Xと体験Y、だっけ?体験を心から楽しめるように、なるのかな。目の前の人生を。
ただ、20年くらい前に、俺が小説家になることを期待してくれていた将来ミュージシャンとして一旗あげそうな奴がいたような気がするんだ。俺はその時の彼の期待を裏切りたくないみたいだ。あるいは期待されているというのが自分の思い込みだったとしても。自分が限りなく凡夫であると理解した今でも。たとえ何の主題もなかろうとも。
というわけで、もうしばらく自分はこの呪いを引き受けるつもりだ。