【教えて!正頭先生】#23「インプットとアウトプットの間には〇〇〇がある」
トド英語公式アンバサダーに就任された正頭英和さん。「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に選ばれ、今も多くのエデュテイメントに関わる教育のスペシャリストです。そんな正頭さんが、おうち英語で悩むママさんたちの質問に毎週答えてくださることになりました〜😆✨今回は第23弾です!
Q.アルファベットがまだ読めない段階(フォニックスを習い始めた)5歳児が、「book」の音声を聞いて真似する取り組み(シャドーイング?)をしています。これが音読に繋がるのでしょうか?また、ここからどのように文章を読む音読に繋げていけば良いのか、段階的に教えてください。(5、2歳)
繋がっていくと思います!とても良い取り組みだと思うので、ぜひこのまま続けてください。シャドーイングまでいかなくても、音声を聞いて真似するリピート練習は十分効果的です。まだ文章を読む段階は少し先かもしれませんが、焦らなくて大丈夫です。
音読は非常に効果的な学習法ですが、理解が進んでいないとその効果は薄くなってしまいます。ですので、まずはたくさん英語に触れて、言葉の音やリズムに親しむことが大切です。理解が深まることで、次第に文章を読む力もついてきます。
具体的な進め方としては、まずは単語の音やリズムを覚えた後、簡単なフレーズや短い文を一緒に声に出して読んでいくと良いでしょう。その後、少しずつ文章に挑戦していくと自然に音読力がついていきます。
音読は、英語を「聞く」→「話す」というインプットとアウトプットが繰り返し行われるので、非常に効果的な学習法です。しかし、英語学習を専門的に見ると、インプットとアウトプットの間には「インテイク」と呼ばれる、インプットで得たものをアウトプットするための準備段階があることがわかります。音読はまさにその「インテイク」の活動にあたります。
現時点では、まだインプットが十分に進んでいないため、音読を始めるよりも、まずはたくさん英語に触れてインプットを増やすことが大切だと思います。インプットがしっかり蓄積されてから音読を取り入れることで、その効果が最大限に発揮されます。
Q.語彙力が低く、発音もわからないのですが、動画などの見本があっても聴き取れません。iPadなどに表示されていれば意識できるのですが、強弱や繋げて読むなどはそれでも難しいです。音読にはどんなものを選べば良いでしょうか?また、解決策はありますか?(3歳、1歳)
3歳と1歳のお子さんということで、少し目標が高すぎるかもしれません。音読については、前述の通りインプットとアウトプットの段階があるので、少し先のステップかもしれませんね。この年齢では、無理に音読を進めるのではなく、歌やリズムに親しむことがとても効果的です。
例えば、歌を一緒に歌ったり、体を使って踊ったりする活動がとてもおすすめです。この年齢の子どもたちは、楽しむことが何より大切です。「学ばせよう」とか「習得させよう」というよりも、一緒に楽しく遊ぶ感覚で接してあげることが、今は一番重要だと思います。歌の歌詞が完璧に覚えられなくても、音楽がかかると体が自然に動いてしまうような感覚が大切です。
このような楽しい経験を積んでいくことで、後々、語彙力やリズム感が身につきます。まだ「どうしてこうなるの?」という論理的な質問をする年齢ではないかもしれませんが、年齢が上がると、自然に教える機会も増えてきます。そのときに、教えるという行為が成立すると思います。
「できるようになるには時間がかかる」ということを焦らず、子どものペースに合わせてあげてください。たとえ今はできなくても、将来的には大きな効果を生む経験になりますよ。
Q.音読させる英語の意味は、どの程度まで伝えれば良いでしょうか?(フォニックスである程度読めるようになりましたが、それが日本語の意味とリンクしていないことも多いです)(6歳、4歳)
音読においては、意味を推測する力を育てることも大切ですが、わからない場合は意味を教えてあげることも全然問題ありません。特に絵本では、絵を見ながら意味を推測するのが簡単です。しかし、絵がない、文字だけの本の場合は、ある程度意味を教えてあげると良いと思います。
その際、1つ1つの単語をいちいち教えるのではなく、「この本は〇〇について書かれているんだよ」というような、ざっくりとした概要を伝えるだけで十分です。例えば、「このお話は犬と猫が友達になる話だよ」といった感じです。これにより、子どもは全体の流れやストーリーの意味を理解しながら読むことができます。
音読は、単語や文の意味を理解しながら読むことが大事ですが、最初から細かい部分をすべて理解する必要はありません。少しずつ、ストーリーや内容に親しんでいくことが、最終的に言葉の理解を深める大きなステップとなります。
今回は、先日行われた音読体験会ウェビナーの質問タイムでいただいた質問の中で、時間が足りずに答えられなかったものについて、改めて回答してもらいました!
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