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【教えて!正頭先生】#special「年末の大掃除で子どもの達成感UP!?」

トド英語公式アンバサダーに就任された正頭英和さん。「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に選ばれ、今も多くのエデュテイメントに関わる教育のスペシャリストです。そんな正頭さんに、冬休みの子どもとの過ごし方を質問してみました!👀


Q.冬休み中にやっておくと良い家の片付けや整理整頓はありますか?

子どもは、何かをやろうと決めてから実際に始めるまでに少し時間がかかることがよくありますよね。できれば、この「始めるまでの時間」を短くした方が良いのです。実は、こんな実験があるんです。

① スマホを机の上に置いておく
② スマホを机の引き出しに入れておく
③ スマホを机の引き出しに入れて鍵をかけ、鍵を自分で持っている

この3つの状態で、3人の学生が勉強をするという実験です。①の子はスマホをすぐに手に取れますが、②の子は1アクション(引き出しを開ける)必要があり、③の子はさらに2アクション(鍵を開ける)必要です。しばらく続けると、③の子がスマホを触る時間は明らかに短くなったという結果が出ました。スマホを触らないように指導するのではなく、物理的な負担を増やすことで、自然にスマホを触る回数が減ったんですね。

この実験から学べるのは、集中を妨げるものには負担を増やし、集中したいことには負担を減らすという「仕組み作り」の重要性です。片付けや整理整頓においても同じです。例えば、触って欲しくないものにはアクセスを難しくし、やりたいことはすぐに取り掛かれるように準備しておくと良いと思います。

大人も同じことが言えます。例えば、お菓子を袋から出して食べるより、個包装のお菓子の方が減る速度が遅くなります。人は無意識に「面倒なこと」を避ける傾向があるので、この特性を逆手に取ってうまく活用することが、整理整頓のコツです。

Q.年末の大掃除の際、子どもにどのように手伝わせると楽しくなるでしょうか?

掃除を通じて「結果が目に見える」ことが大切です。例えば、汚れた窓を拭く作業などは、掃除前と後で変化がわかりやすく、達成感を感じやすいです。掃除を始める前と後に写真を撮っておくと、その違いが一目でわかり、さらにやる気が出ると思います。

一方で、机を拭く作業などは、仕上がりが目に見えにくく、なかなか実感が湧きません。そんなときは、落ちているゴミを1つでも2つでも拾ってもらうとか、くしゃくしゃになった布団を整えてもらうといった作業の方が、変化を感じやすいです。これも「Before & After」をしっかり撮影しておくと、達成感を味わえて、子どもも楽しく掃除に取り組めるはずです。

Q.冬休みを使って、子どもの学力を伸ばすためにお勧めのアクティビティはありますか?

学力の定義や、それに影響を与える環境はさまざまなので一概には言えませんが、親戚との交流をお勧めします。親戚を別の言い方をすれば、学校の先生や親以外の大人といえるかもしれません。実は、親以外の大人とじっくり関わる機会って意外と少ないものです。そのため、親戚と会うこと自体が貴重なチャンスだと思います。

例えば、親戚のおじさんに勉強を見てもらったり、公園で遊んでもらったりすることは、子どもにとって貴重な経験です。特に、普段あまり接しない大人と深く関わることは、学びにもつながりますし、親としても安心して見守れる点が良いところです。

また、親が普段から言っていること(「コツコツ毎日やりなさい」「整理整頓は大事だよ」など)も、親戚や他の大人が言うと、子どもは意外と素直に聞いたりします。親としては少しもどかしいかもしれませんが、それも普通のことです。ですので、アクティビティを特別に準備する必要はなく、親戚と会うこと自体が貴重で特別な時間だと思います

Q.子どもが冬休み中にやりたがるゲームや活動をどうセーブしてあげたらいいでしょうか?

お小遣い制を導入するのがおすすめです。お小遣いは、例えば「お手伝いをしたら100円もらえる」でも、「ゲームを10分できる」といった形でも構いません。せっかく一生懸命に稼いだ10分という時間を、無駄に使うことは少ないと思います。子どもは、最初の10分で「何をしようか?」と考え、次の10分もどう使うか計画的に考えるようになるでしょう。時間は有限ですから、自然と「これとこれはどちらがいいか?」と選択を意識するようになります。

このような工夫を通じて、無駄なく時間を使う力が育まれます。無駄に思えるような選択でも、脳を使って計画する過程が大切ですので、「何か頑張ったらゲームをしてもいい」といった流れは良いと思います。

また、せっかくの年末年始ですので、時間があれば大人も一緒にゲームを楽しんでみるのも良いでしょう。家族みんなで楽しめるゲームといえば、「桃鉄」などがぴったりですね!みんなでワイワイ楽しみながら、時間を過ごすのも素敵な思い出になります。

Q.新年の目標設定を子どもと一緒にやる方法はありますか?

1月に何かをスタートさせるのは、日本の生活リズムには少し合わないかもしれません。日本では、4月が新しいスタートの時期ですから、もし目標を立てるなら、4月に設定した方が良いと思います。実際、1月に立てた目標のうち、80%の人は2月には忘れてしまうというデータもあるので、新年に目標を立てること自体が無意味というわけではありませんが、あまり本格的に守らせようとするのは、逆に難しいかもしれません。もし目標を立てる場合は、形式的に目標を書いたり、初詣や書き初めを通じて儀式的に行うのは、楽しみながらやる意味では良い方法だと思います。

一方、もし「4月に子どもと一緒に目標設定をしたい」と考えるなら、目標設定はシンプルにして、無理のない目標を作ることが大切です。達成が難しすぎる目標は避け、少しずつステップアップできる目標を立てると良いです。

例えば、勉強であれば、健康や学力向上の目標を段階的に設定する方法も有効です。最初に「80点を目指す」という最低限の目標を立て、中間目標として「90点を目指す」、そして最高目標として「100点を取る」という風に設定します。達成したら次の目標に挑戦することで、燃え尽きることなくモチベーションを保つことができます。

このように、段階を踏んだ目標設定は、達成感を味わいながら成長を促す良い方法だと思います。

ご家族みんなで目標を決めて、一緒に取り組むのもいいですね。


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