バチェロレッテ考察
こんにちは。今回はバチェロレッツテシーズン1について考察していきたいと思います。普段、私はゲームとか世論とかオタク寄りの題材についてNOTEの記事にしているんですが、今回はこの手のヒューマンドラマを記事にしても、面白いんじゃないかと思いテキストにしました。
※この記事は4600文字程度で構成されています。
考察と題しても、このバチエロレッテというドラマ。参加人数も多く、規模が大きすぎるので、バチェロレッテのヒロインである主人公の福田萌子さんの考察をメインにしていこう思います。
尚、この記事は人物を否定するものではないと初めに書いておきます。
福田萌子と真実の愛について。
ツイターや批評を閲覧するとバチエロレッテこと福田萌子に対して大バッシングの嵐です。男を弄んでるという意見や、番組としてルール違反だという意見。結婚できない女代表みたいな書き込みをよく目にします。いわゆる悪女というレッテルです。
【私の年収は推定3000万です】
さて、この福田萌子さん。実際のところ、本当に悪女なのでしょうか?少し考えてみましょう。結論から先に言うと答えはNO。彼女は悪女ではないと思います。ドラマの趣旨に反した選択を行い。結果的に男性陣を弄んだような結果になりはしましたが、それで彼女が悪と決めつけるのは早計だと感じます。最終回があまりにも衝撃的過ぎたので、みんな忘れがちですが、バチェラーという番組の最初の目的はなんだったか覚えているでしょうか?
そう、真実の愛を探すというものです。
詳しく書くとバチェロレッテ(女性1名)と男性陣(17名)が一緒に旅をして、男性陣が女性に選別されながら結婚相手や『真実の愛を探す』というものです。
みなさんは、真実の愛とはなにか?と問われ即答できるでしょうか?多分、多くの人が答えに戸惑ってしまうのではないでしょうか?あまりにも質問が抽象的すぎるからです。
愛というのは、突き詰めれば哲学です。答えのない禅問答とも言えます。求めるものには苦痛を強いるのが常であり。答えがないのも常なのです。
萌子もこの旅で結婚相手や真実の愛を探すのだと最初は明言していました。ですが、旅の途中。男性陣を選別するという過程で、彼女は気づいたのではないでしょうか?真実の愛という哲学的なモノを探すには、番組の舞台はあまりにも場違いで、かつ時間が足らなすぎるのだと。
と、とにかく、面倒くさい
この番組では、どう頑張っても萌子の目的は果たせない。そう考えれば、彼女の最後の選択も情状酌量があるのかもしれません。
バチェラーという環境(舞台)について
まず、バチェラーは結婚する場や真実の愛を探すのに向いてる環境とは思えません。真実の愛を探すと言っても旅の期間は2か月の猶予しかありません。
しかもその期間に17人の男性から1人を選びこむというプロセスも存在します。結婚を前提とすれば、その時から、何十年と続くかもしれない相手を限られた短い時間の中で選択しなければなりません。その上、選別するということは、男性陣からすればサバイバルです。男は女をものにする為に本気で自分を取り繕うでしょう。バチェラーの舞台は噛み砕けば、お見合いや就職活動ですから中身より外見の印象は大事です。
就活みたいなものと考えると本心出せませんよね
競争を否定するわけではないですが、そんな中では今回のようなテーマ。真実の愛は見つけるのはナンセンスなのではないでしょうか。
さて、番組のテーマと環境がマッチしてないことを再確認したことでメインである福田萌子という人物について考えていこうと思います。
福田萌子という女性について
第一印象
最初に疑問に思ったのが、何故ここまで高スペックの女性が一度も結婚を経験していないのだ?ということです。晩婚化が進んだとはいえ、ここまでの高嶺の花が20代という市場価値MAXの状態で売れ残ってるのはおかしい。なにか問題があると勘繰るのが普通です。考察もこの第一印象を下敷きに行うことにしました。
3000万の女が未婚?仕手株かなにかですか?
能力
彼女はかなりの高スペックです。序盤~終盤にかけて論理的に男性を選んでいる場面が見受けられますし。デートで見た目だけ褒めた男性を私の内面を観てないと判断して、かつ相手が容姿にコンプレックスがあると見極め指摘したり、男性陣に「教師ですね」と言われてる場面も多数存在します。
設定上、相手に選ばれるがゆえの心の余裕かと思って観ていましたが、デートスポットの下調べを入念していたり、相手にシェアするという言葉を多用することから相手をよく観察して準備を怠らず、小さな言動や動作から相手を指導、指摘する教師的な能力が高い。あげまん系の女性と言えます。
頭の回転が早いともいえるのかもしれませんね。
けれども、その観察力が転じて短所にもなっています。
他人に対しての指摘する能力が的確であるということは、場(環境)を見極める能力も高いということ。旅の途中早い段階で、彼女は気づいてしまったのではないでしょうか?
上記でも述べた。このバチェロレという舞台装置が自分の目的(結婚相手や真実の愛を探す)に一致しないことに。
事実、台湾デート(第五話)辺りで、「結婚はできなくても、みんなに、なにか得るものを持ち帰って欲しい」と誰も選ばない可能性を示唆しています。
細かい言動に気づき、考えすぎる点は弟さんや男性陣の親御さんとの会話にも出てきています。
性格
とまれ、能力の話はおいておき、次は彼女の性格について考えてみましょう。正直、頭の回転の早さ、容姿も端麗な点もあいまって、負けん気の強い勝気な性格になっていると言わざるえません。
乗馬デートでは2人どちらか1人を選ばなければいけないルールでも、どっちも選ばなかったり、最終選考でも誰も選ばなかったり、アフターローズセレモニーでは、「誰かを納得させる為に決断していない。自分を納得させる為に決断している」と、わがままを豪語しちゃったりしています。
良い風に見れば信念をもった理想家なのですが、視聴者から見ればただの意固地なわがまま女であります。恐らくみなさんもこの辺りが逆鱗に触れているのではないでしょうか? 曰く「はっきり言えることが強さ」と言及する場面もあります。
強すぎない…?ってナレーションも言ってましたね。
とはいえ彼女の性格の短所(わがままがでる時)は論理や能力で解決できない状況に対面した時の防衛本能だとも考えられます。彼女は能力の高さ故、大抵の状況は論破できるのでしょうが、愛や恋などの抽象的で答えの出ない問題。取捨選択の難しい状況では、不透明な状況では選べない(半端な気持ちでは選べないと劇中では表現してます)という論理に寄って答えを出してしまい、指摘されると意固地になってしまうのではないでしょうか?
同性だけあり女性の洞察は鋭いです。
「考えすぎ、直観で考えた方が良いわよ」
これは、上記写真の男性陣の親御さんからのアドバイスですが、この意見に対して、萌子自身「すごく響いた」と所感をのべています。おそらく図星なのでしょう。
旅の中でも、隠された自己として、彼女自身、自分の為に生きてる発言。わがまま、が垣間見える発言が、何か所か存在しています。極めつけなのがドラマ冒頭や節目で言う彼女を象徴するかのような、このセリフ。
「旅の終わりは私が決める。私の旅だから」
天上天下唯我独尊
以上のことから考察できる彼女の性格は、論理的な思考をもつが、それゆえ解決できない場面に直面した場合、わがまま人間に転換する。プライドの高い典型的なお嬢様タイプと言えるでしょう。
そして、この論理性からの反転。つまり、わがままが最終選別で表に出てしまった為に、ドラマ視聴者は裏切られた感を覚え、強い反感を招いたのではないでしょうか?
人に言ってることと、ちゃうやん!?
結婚できない理由
能力、性格を総括すると。
状況を瞬時に判断し、気づいてはいけないことまで気づく観察力。そして、歯に衣着せず口に出す性格。考えすぎてしまう繊細な思考回路、解決できない問題にあたると酷くわがままになってしまい、論理に矛盾をきたしてしまう欠点が結婚できなかったor結婚まで進めなかった要因なのではないだろうか?と私は考えます。
ですが、冒頭でも言いましたが、彼女が悪女かというと、それは違います。彼女自身がいろいろな点で的確に男性を成長させているのは確かなのです。不自由な選択を迫らなければ、基本、論理的ではあるし、男性を的確に指導できる。パートナーの素養があることは変わりはありません。これが、教育や論理などをテーマにした番組なら、一転して福田萌子。理想の女性説も在ったはずです。だけども、今回はテーマと環境が悪かったのです。
繰り返しますが、バチェラーパーティの環境は。テーマである真実の愛や結婚相手を探す場所としては、ミスマッチなのです。
多分、これは、番組、司会者側も痛感したはずです。もし、番組を上手に成立させたければ、誤解覚悟で悪く言えば、もう少し馬鹿で軟派な人物が適切だったと。そう、今回は、バチエロレッテに招く女性を間違えたのです。
上記の番組が、カメラに気づかない子供が適材であるようにです。
総括すると福田萌子は人間としては、悪女ではないが、バチエロレッテパーティのヒロインとしては失格なのです。視聴者の多くは彼女だけでなく、エンタテインメントとして番組を観ています、番組を観て、終わり悪ければ全て悪しの印象に誘導されてしまった。それが、炎上して今のネット世論になってるのだと感じました。
以上が私のバチェロレというドラマと福田萌子に対しての考察です。
あ、ちなみに僕と福田萌子さんとの男女の相性は最悪だと思います(笑)上司と部下(教師と生徒)みたいの関係ならありえるかも。注、閑話休題。
演出と小道具について。
最後にバチェロレの小道具について少し触れていきたいと思います。バチェロレは薔薇やワインなどが多数登場します。センスのある品も多かったので印象的だった3つを紹介します。
赤い薔薇。
花言葉は「情熱」「愛情」「美貌」「貴女を愛します」ドラマを象徴するアイテムと言えます。バチェロレッタがこの薔薇を手渡す。胸に差すで相手のことを現状どう思っているかを考えてみると面白いです。萌子は、手渡すより胸に差す所作が多い気がしました。これも、【私が決める】という強い意志表示の表れだったのかもしれません。
紫の薔薇。
紫色のバラの花言葉は「気品」「誇り」「尊敬」と言った、相手の外面や内面の上品さ、あるいは業績に対して尊敬する気持ちを表現できるアイテム。この薔薇を逆手にストールンローズと称した脚本家にセンスを感じます。劇中では1回しか使用しなかったが、最初から登場してもよかったのではないかと思います。
ワイン(ダークホース)
紹興酒や白ワインなども登場しましたが、ラベルがしっかりと分かったのはこの赤ワインのみでした。意味は 競馬では予想外の活躍をして番狂わせを演じるかもしれない馬。穴馬。あるいは、実力は未知だが、有力と思われる競争相手。このワインにドラマの先行きを暗示させていたなら脱帽です。
バチェロレテは話題になったドラマ作品で、僕もこの手の作品は初めて鑑賞したのですが、考察しがいのある良作でした。観て良かったと思います。
ここまで、読んでくれてありがとう。
では、またね。
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