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TikTokLiteにみる新時代

 TikTokLiteというアプリがある。TikTokではなくTikTokLiteである。簡単にいうとポイ活アプリだ。
 このTikTokLiteを見て思ったのは企業による可処分時間の奪い合いがここまで来るのかということである。元来、動画配信サイトにおいてその金銭的利益を享受できるのはサイトとクリエイターだけであった。それも当然で、ただの利用者に金が発生するとしても金を払う側としてであり、もらう側ということは通常あり得ない。しかし、TikTokLiteはそれを覆した。何も生み出さない一消費者のフリーライドを許容したのだ。
たしかに、その他のポイ活アプリと何も違わないように思えるだろう。しかし、TikTokLiteが異常であるのはその簡易性にある。TikTokLiteにおけるポイントをためる方法は以下のとおりである。
・動画を見る(最大180分)
・一ついいねを押す
・20分おきにポイントを受け取る(最大10回)
 この三つで一日51円ほどのポイントがたまる。3時間かかることの何が簡単なんだと思うかもしれない。しかし、本当に180分見るわけではない。なぜなら、自動スクロール機能があり放置していてもポイントが貯まっていくからだ。それに、たかが51円と思うかもしれないが1カ月もやれば1,500円ほどになる。ちょっといいランチ代くらいにはなるだろう。一年続ければ18,000円になる。これを他のポイ活サイトで貯めることが絶対に不可能というわけではないが結構大変ではあった。そのことを鑑みると現在破格のレートであるという事だ。
 思うに現在のTikTokLiteは囲い込み期間である。PayPayで経験したことがある人もいるかもしれないが一定以上のシェアを取れるまでポイントや還元でのばらまきがあった。TikTokLiteも同様に今現在は囲い込み期間でありお得な期間であるといえる。例えば、招待するとされた側が10日間チェックインするだけで4000円もらえる。
 もしTikTokLiteが成功に終わったのならば無料娯楽による可処分時間消費の転換点となるだろう。では、TikTokLiteにおける成功とはなんだろうか。それは、TikTokのアクティブユーザー数を超えることだと考える。なぜならば、基本的にTikTokLiteのユーザーはユーザー単価が悪いからだ。ユーザーにも還元している以上、通常と比べて利益も落ちるのは当然のことである。しかし、事業として継続する以上TikTokLiteも利益は出ているわけで、TikTokを超える利益を出すとなるとTikTok以上の人を集めるプラットフォームへと成長するほかない。そして成功すれば、Youtubeも続く可能性がある。       
 TikTokからショート動画の大きな流れができたように、TikTokLiteから新たな流れが生み出されるかもしれない。


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