うわーん、また空振った。翌日に持ち越し!#DAY36
今日は朝、作業場(視覚障害者協会)に行ったの?
朝、オフィス(オリンピック協会)に行くとジョセフの秘書ニーシャがぼくに問うた。いつもより少し遅い出勤だったからそう思ったのかもしれない。
いや、渋滞と雨が降ってたからちょっと遅くなっただけだよ
あら、金曜日に材料が入るって言ってたじゃない?それの確認と作業を見に行ってたのかと思ったのに。
ん?そんなこと先週言ってたかなぁ、そういう会話があれば、いくら英語力が低くとも少なくとも金曜日に何か来るんだなということくらいはわかると思うんだけど。ちなみに材料とはモップの材料のことだ。税関かどこかでずっとストップしてたのがようやく作業場に納品されたらしい。
今日から作業が始まるから見に行けばいいじゃない
えー、もうこっち来ちゃったじゃん、片道バスで15分でも復路はバスキャッチするまでにも時間かかるから30分くらいかかるじゃん、行ったり来たりじゃん、明日でいいやって思ってるとジョセフも行った方が良いよと言う。
別に今日行けない理由はないんだろ?カメラ渡すから作業風景とか写真撮ってさ、ウェブサイトに載せようよ。はい、行ってらっしゃい!
なんて言われながらCANONのカメラを渡された。え、これたぶんですけどフィルムカメラですよね?データじゃないよね?なんて思いながら、まあずっとオフィスに引きこもってるよりは良いかと、キリの良いところまで作業し、お昼に作業場へ向かった。
この国で2番目にオシャレなスポットであるベネズエランカフェでタコスをさっと食べ作業場へ。
たしかにモップのモフモフした部分が入り口の脇に積み上げられていた。ほんとにちゃんと入ってきたようだ。
初めましての盲目のブラウンに挨拶をし、もう一度ぐるっと作業場内と見渡した。
この場にいるのはスタンリー、ダニー、アズラン、いつものメンバーに加えブラウンの4人。床にはモップの切れ端が散らばってるあたり、午前中にいくらか作業を行ったのだろう。いまはお昼休憩なのかもしれない。
作業風景を写真に収めに来たんだよ、と言うとスタンリーは、
え?ふぉっふぉっふぉ、今日はもう終わったよ。朝8時から10時半までが作業だからね、明日朝また来ると良いよ
とおっしゃった。
えー、空振ってるじゃん。肝心なところでオフィスの方と嚙み合ってないやないか、とんだ無駄足。
なんというか、生産性とか効率性至上主義みたいなところからきたぼくにとって、こういう自分の時間を無駄にされるの結構ストレスなんだよなぁ…こっちの人にはそういう気は全くないんだろうけど。
と思いつつ借りてたモップビジネスと配給のキャッシュフロー計算書のノートブック、古い写真の束を返却した。奥の事務室の方にファビーナもいてちょっとおしゃべりして、とほほ、明日朝出直すよと伝えた。
空振りに終わったのは残念だったけど、ぼくにしたって急だったわけで準備不足だったからよかったのかもしれない。
せっかく盲目の人がどんな風にモップを作るのかが見学できるわけだし、自分のカメラでも撮っておきたいし、PR用なら動画もおもしろいかもしれない。どんな風に見せればウケるのか、魅せることができるかも考えた方が良い。動画撮影の経験もテクニックもないけれど、期せずして少し考える時間はできた。
ポジティブに、ポジティブに。
こうしてウェブサイトの完成もどんどん遅れていくのだった。