なんだかんだでイギリスのカルチャーの影響を結構受けてる
ー 君がロンドンに旅行に行くって聞いてからしばらくそのことについて考えていたんだがね、ぼくの人生でロンドンはおろか、イギリスに行きたいと思ったことは一度もないんだよ。イギリスには何があるっていうんだい?
最近、友人にこんなことを言われた。「いや、知らんがな」という言葉をグッと飲み込んで、しばらく考えた。
ビートルズ、007、ハリーポッター、シャーロック・ホームズ、ネッシー、フットボール…思いついた順に上げていったけれど、彼には響かなかった。「それはわざわざ訪れないといけないことなのか」というスタンスだ。フットボールに関してはそもそも球技に興味がなかった。
逆にぼくは、ロンドンを訪れることで、地下鉄に乗るだけでも、キングスクロス駅、パディントン駅、ベーカー・ストリート駅、アビーロードなど地名を聞くだけでピンとくることが多くて、街歩きも楽しかった。
はいはい映画やドラマでよく見るやつねと、普段スクリーン上でしか見てなかった景色が目の前に広がっているのもなんだか不思議な感じがした。2日でそれは日常になってしまったけれど。
思えば、ウィリアム・ゴールディング(蠅の王)、ジョージ・オーウェル、カズオ・イシグロ、サマセット・モーム、フランシス・ベーコン、Jake Bugg、ガイ・リッチー(スナッチ)、ダニー・ボイル(トレインスポッティング)などぼくが好きな作家や、アーティスト、映画監督は多い。(海外のクリエーターで日本に入ってきてるのが米英が大半なだけかもしれないけれど…)あと、リトル・ブリテンというマット・ルーカスとデヴィッド・ウォリアムスがやってたコメディが好きだった。
だから、お前もなんかあるだろって話をしていたら、「そういえば…」と彼は言った。
ー モンゴルラリーって知ってる?ああいうアホみたいなの好きなんだよ。あのレースのスタートがイギリスからだから、その1点だな。そうだ、この仕事が終わった年にさ、いっしょに出ないか?イギリスからモンゴルまで車でいっしょに旅しないか?
しまったなと思った。またヘンなことに巻き込まれそうな気がしている。
このモンゴルラリーというのはイギリスでボロい車を買ってモンゴルまでサバイバルレースをやろうっていうクレイジーな企画。ユーラシアを横断。このアドベンチャー感。
ぼくはこういう何の意味があるのかわからないけれど、我々は行かねばならないという謎の使命感を持ったアドベンチャー精神あるイギリスの、頭のねじが緩んだところも好きだ。
そしてちょっと興味持ち始めてるのも事実。
困った。参加できるチャンスはなかなかないから。