最新カリブ治安情報!大使館の人に話を聞いたよ#DAY23
カリブといえばリゾート。例えば上の写真のようにテラスから沈みゆく夕日を見ながらディナーをひと時を過ごすことをイメージするわけだけれど、気になるのが治安。
今日たまたまこのあたり(セントルシア、セントビンセント含む)を管轄するトリニダード・トバゴ大使館の方から話を聞く機会があった。
トリニダード・トバゴは治安がここ3年悪化している!
ベネズエラから最も近いところでわずか8kmしか離れていないということもあって、合法違法問わず大量の移民が来ているらしい。トリニダード・トバゴの公用語は英語だけれど、街中でスペイン語を聞く機会がどっと増えたようだ。
もともと治安はそれほど良くなかったところにベネズエラから移民がどっと増え、銃も安く入ってくるようになり、人口133万人程度にもかかわらず毎日新聞で殺人事件のニュースが躍る国になっている。
少し前に韓国の大使館職員が身代金目的で誘拐されたり、大使館付きのドライバーが殺害されたりと麻薬絡みとかギャング絡みの事件が大半というセントルシアやセントビンセントとは事情が異なる。
とにかく、治安が悪くみんなピリピリしていて、銃が簡単に手に入るようになったということもあって、ついカッとなってバンっ!!と撃てる環境だから、人の命が軽くなったようだ。
セントルシア、セントビンセントの治安悪化も時間の問題?
ベネズエラから流れてきた銃がセントルシアの沖合で取引されているようでセントルシアで使われている銃は大半がベネズエラからだそうで、セントルシアやセントビンセントでも治安が悪化してるのでは?と大使館の方の話だったけれど、事前の治安情報では、たしかにセントルシアではビーチでゆっくりしていた観光客に拳銃をつきつけての強盗というのが2,3年前に1回報告されていたり、ホテルの廊下まで強盗が入ってきたりということもあった。けれど、あくまで麻薬やギャング絡みでなけれど拳銃と出会うことはないだろうというのが、セントルシアの安全アドバイザーの話だったし、おそらくセントビンセントでも事情は同じはずだ。(時折、銃声が聞こえるのは仕方ないこととして)
セントビンセントの野党議員の話によると、若者(15歳~24歳?)の失業率が40%で大きな問題になっているそうだ。おそらく政府の人たちが懸念しているのは、その失業者がギャングになってしまったりして銃を持ち、強盗を始めることなんではないかと思う。
このあたりはどこでも事情は同じだ。生きるために強盗をする。
お前はその財布を取られたって死にはしないだろ?俺らは生活が懸かってる。俺らはお前の財布を「今」手に入れないと今日を生きられない、というやつだ。
ぼくたちの持つ「人のものを盗んではいけません」という倫理感は安全安心に生活できるという前提の下に成り立つと思わされる話だ。
日本のプレゼンスを上げましょう!
どこまでバイアスのかかった話なのか疑問だけれど、このカリブの島しょ国にも中国マネーが流れてきているけれど、「中国人」の評判はそれほどよくはないらしい。トリニダード・トバゴは開発マネーが入ってきたけれど、現地の雇用を生まず中国人でまかなったというのも影響しているようだ(現在は若干現地人も雇用しているらしい)。
加えて、太平洋の島しょ国、アフリカの国々が港や土地を借金のカタにかっさらっていくのをみて、次はウチでは?と感じているらしい。
そんなわけで、中国人狙いの犯罪もあるようだ。
となると、見た目が同じ日本人が巻き込まれる可能性が大なわけで、こっちとしてはたまったもんじゃない。だってぼかぁ、自分の持ってる技術を伝え、現地の人といっしょに課題に取り組むために来てるんだから!
で、セントビンセントのジャーナリストが以前、日本のことを取り上げたら反応が良かったそうで、JICAの取り組みをもっと知ってもらうべきでは?ひいては日本のことをもっと知ってもらうべきではと感じているし、取材もしたいと言っているそうだ。
これは、ぼくの活動にも大いに影響することであるし、現地メディアの人たちとは早い段階でコンタクトを取りたいと思っていたから願ってもないチャンス。
最後は少し話がそれたけれど、まとめると現状、治安が悪化しても仕方ない状況ではあるけれど、通常の観光をする分には、途上国を旅行してますよという警戒心をもっていれば大丈夫なのではないかと思う。
というのもこのカリブ地域、観光産業が主な産業のひとつなので、観光客が来ないのは非常に困ること。先週土曜日にセントルシアでカナダ人観光客がパスポートから財布から入ったカバンをひったくられた事件があったんだけれど、結構大きく取り扱ってる。国の恥だとも言うほど。それほど国としても観光に力を入れているわけで、ヘンなところでお金をケチるようなことをしなければ危険な目には合わないと思う。ただしトリニダード・トバゴ除く。
トリニダード・トバゴ現地人曰く、トリニダード・トバゴは現地ガイドを雇っていっしょに歩いてないと危ないらしい。
どこまでほんとかはわからないが、それを信用するならぼくの体感ではパプアニューギニアと同等。