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もう我が家には扇風機はなく、たまに涼しすぎると感じ

座興公演「り、り、り」終演しましたね。佐光です。
ご来場いただいたみなさま、応援したり興味を持ってくださったみなさま。ありがとうございました。

相変わらず、特に目的もなく筆が走るまま書き出してみようと思います。

今回会場とした新町川文化ギャラリーは、かねてよりここで上演したいと強く願っていた会場でした。建物に息づく歴史と、美しさ。平和を願う我々のフィロソフィーとも合致すると勝手に考えていました。
ただ、こちらで上演するならば、ここで上演する意味がある作品でなくてはいけない。ということで、代表と話し合いを重ねた結果の公演となりました。

「喪失をテーマにしたオムニバス」。
これをお客様に「観たい」と思っていただけるように伝えるのは難しい。いつものように頭を抱えていましたが、話し合う中で公演タイトルが生まれ、イメージが生まれ、、ドラマトゥルクとまではいかずとも、それに似た役割を担わせていただいていていつもありがたく思っています。

喪失を受け容れ、前に進む。
とある方よりいただいたアンケートに、以下の一文がありました。

喪失とは、ドラマティックではないということなのですね

「り、り、り」アンケートより

私見を述べます。
喪失は実にドラマティックでショッキングな出来事だと思います。
生きる中で喪失を経験するたびにその衝撃度が薄れていきます。それは優れていることでも劣っていることでもありません。慣れてしまうということは事実としてあります。

代表が当日パンフレットに寄せた文言には、実にプライベートな喪失の記録がありました。文面確認の連絡が来た際には面食らいました(主に、代表に対する心配です)が、観客目線で見たときにはこの作品群の根底にあるものを読み解く上で大きな助けになるものだったと思います。

私自身、多分に漏れず喪失を重ねてきた人生でした。幼い頃に豊かにあった資産(物的でなく、心理的なものも含めて)を、喪失して、消費して、素寒貧になった瞬間さえありました。
思い返せば、成人してからでも。空き巣に入られたり、親友の死、祖父母の首吊り、実家がなくなってみたり、弟も亡くなってみたり、大好きだった祖父までも。最近は存命の祖母の記憶から、私が消えました。
記憶の中で「その瞬間」に立ち戻ると、その時と同じ景色が見えます。感情がまた湧いてきます。でも、それらの鮮やかさは失われています。だんだんと霞んでいって、事実だけが捉えられるようになります。お寺の境内、階段を登る途中、歩けなくなるくらいにしゃくりあげて泣いていたこと。見てはいけないものを見るような、親族の視線。皮膚が痛いくらいに熱かった日射しに、汗ばんでいた礼服の感覚も。全部、全部思い出せるけど、どこか客観視できるようになりました。これは私にとっては悲しいことでもありますが(できれば、なんでも瑞々しいままで記憶を蓄えていたいという思いがあるからです)、自分のもつ強さ、前に進む力を信じられるという点では、いいことだなと感じています。

受け容れるということは、何度も繰り返し、反芻することで可能になることなのだと思います。
今回の「コーヒー」においてのエビちゃん。「宮澤タローの家出」で聴こえた、猫の声。
登場人物たちが抱いた彼女らの「喪失」がドラマティックではなく見えていたのならば、彼女らはきっと強く前に進めていることなのだなと。嬉しく思いました。

さて、スタッフワークについて。

<スタッフ:宣伝美術>

チラシ作成を担当しました。
モデルはtodokeru,随一の芸能人、ですやんさん。(テレビ出てはるからね。映画もね。)

これはうちの窓です。

[restart、reset、reborn]は、意図的に見えづらい表現にしています。
どれでもないからです。なんのこった。

さて、これは伝わらないと思うんですが、主に裏面は、コーヒーらしさを出した配色とレイアウトにしました。

上の方がリッドとか泡で、クラフト紙で、グリーンはスリーブで、、

シアトル系コーヒーショップの紙コップに、見えてきませんか?
遠目で見て!はい!見えるかも!
……見えません!!
すみません、これはね、自己満足です。気に入ってはいます。

あと、特にInstagramでは永見パイセンにお世話になりました。今流行り?のリールとか、3つ並べて投稿するやつとか、そういうセンスが必要なものが苦手すぎるんですが恐ろしいスピードで恐ろしいクオリティの投稿が重なってビビリ散らかしました。ありがとう。

<スタッフ:制作>

あまり言い訳にしたくないのですが(と言いつつ言い訳しまくってますが)産後のマミーブレインが酷いです。ただでさえ会話が苦手ということもありますが、文章が如実に読めなくなっています。読もうと思って買った本が見開き一ページも読めないし、頭も回ってくれません。

本番当日も参加できるか本当にわからなかったので(夫の出張が入りそうだった。入っていたらアウトでした、見てもらえるひとがいないので)、今回はほとんどのことをほわくんにお願いしました。

予約受付システムの選定からはじまり、販促管理、当日運営、文面の作成まで。出演もある中で、本当に大変だったと思います。本当に助かりました。

お客様への公演案内の送付の際には、情報入力など細かい部分をネネちゃんがサポートしてくれました。
物理的な距離は離れてしまいましたが、なにかできることはないかと気にかけてくれているのがとても嬉しいです。

当日パンフレットは、久米ちゃんが自分から手をあげてくれました。ふみちゃんと同い年コンビで、想いのこもった素敵な作品として仕上げてくれました。ギリギリまでありがとうね。

<スタッフ:衣装>

できるだけ彩度を落とすこと、しかしながら真っ白と真っ黒は避けるように意識しました。典型的な「喪」の印象にしたくなかったためです。演出の意向でもあります。

衣装についての当初のイメージラフ

「宮澤タローの家出」
唄子ちゃんはナチュラルで軽快なイメージでした。
とにかくチャコールグレーとストライプを着てほしかった。
星一くんは、ヒゲも指定させてもらいました。ビジュアルイメージだけでいうと、チャラくない長谷●恵一さんみたいな感じです。

「コーヒー」
この二人の衣装は、彼女らにとっての鎧を意識しています。自身のあるべき姿を服として纏っているイメージです。
だから、多恵ちゃんにはアクセサリーをたくさんつけてもらいました。目に見える「強さ」で、彼女は自身を守っています。朋美だってそうです。彼女自身が描く「っぽい服装」で、エビちゃんに誇れる自分になっている。
メイクは口出し一切してなかったのですが、さすがでした。

「窓はそのままで」
鈴木さんのキャラクターイメージを掴むことに難儀しましたが、結果足首を出してもらえたので本当によかったなと思います。
相馬くんは一生懸命さ、誠実さがあらわれていたらいいなと思います。

<スタッフ:写真撮影>

私、いうてそもそもこれがやりたくて劇団に入ってるので、撮りにいけてよかったです。
光の入り方も美しく、そういう意味でも最高の会場でした。

この夫婦すき
とにかく、窓の
窓の力が大きくて

子供の預け先がないので撮影も難しいかなあと思ってたんですけど、大木さんとかやっちが子を抱っこしたりあやしてくれて事なきを得ました。子連れにマジ優しい劇団。本当ありがとう。

この後大急ぎで保育園に長女を迎えに行きました

反省会を終えて

さて先日、公演の反省会を行ったのですが、その際にポジティブな意味合いで強く感じたことがあります。我々が行っているのは、商業演劇ではないということ、そして、だからこそ作れる美しさがあるのだな、ということです。

各担当は、各担当の範囲において、今回の公演での反省点を自省した後に、次回の公演では今回よりも高いクオリティのものを提示したいという旨の発言をしていました。純粋な美しさをまずそこで感じました。
私自身は、パワーの配分についてはつい費用対効果の側面で考えてしまう部分があります。基本的に怠け者なので。公演規模によって、チラシの枚数も配布先も、チケット販売の範囲も変わってきたり、そういった側面は大なり小なりあると思います。が、そのあたりを度外視して全力でボールを投げ続けることを理想として掲げていく美しさを目の当たりにして、なんだか頭を打たれたような気持ちになりました。そして、それができるのは、団体としても個としても今の形だからこそなのだなと。
常に全力投球して燃え尽きて退場する人を社会でもよく見ますしなんなら私もその一人でした。でも、そうやって人が、全力で輝こうとするものを、その先につらい思いが待っている可能性が高いからと言って止めようとすることは果たして、年長者として、善い在り方なのかなと考える機会にもなりました。
これについては親の視点からも悩むことがとても多いのですが、、だって、できるならば安全が確保された道を選んでほしい、と思ってしまうもの。何度も落とし穴に落ちた身としてはね。愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶというけれど、賢しいだけがいいのかというとどうなのか、人生を振り返ってみれば楽しかった瞬間って、とにかく、とにかく愚かだったなあと、そう思ったりもしてね。独り言でした。

次回公演の告知など

・8月6日 賀川豊彦記念館にて、平和祈念朗読会に参加!

・9月14日 玉藻公園(史跡高松城跡)内「披雲閣」にて、マエカブ演劇フェスティバル2024(通称:カブフェス)になんと初参加!

todokeru,のホームページも地味に地道に情報更新をしているので、よかったら見てもらえたら嬉しいです。

オリジナルTシャツもできました。
アイテムから素材からデザイン、カラーからモデルに撮影までやっちがトータルプロデュース。

やっち撮影のくめち
くめち撮影のやっち

通販も地味〜にやってるのでよかったらご活用くださいね。

怒涛のお知らせの最後ですが、todokeru,は劇団員も随時募集しています。いっしょに演劇を楽しみましょう!
まずは稽古見学から!
ぜひウェブサイトより問い合わせくださいね。

それではまたねー。

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