スタートアップにおける長期インターンのメリットは?
こんにちは、トドケールの野島です。今日はトドケールで募集しているインターンについて思うことがあるので書いてみました。
長期インターンとは?
インターンという言葉は日本でも一般的になりつつありますが、内容はまだ1日インターンなど会社紹介の域をでないのが日本のインターン事情です。トドケールが募集しているのは1日や1週間などの短期ではなく、3か月以上の期間を想定した比較的長期のインターンを意味しており、短期の会社紹介的なインターンとは異なります。そして、学生のうちに何か社会人になってから役に立つ経験をしたいと考えているなら、長期インターンがおすすめです。そう考える理由は私自身のインターンの経験にあります。
私はこれまでの人生の中で2社のインターンを経験しています。それは私がアメリカはカリフォルニアで大学院生をしていた時の事で、2社ともアメリカのスタートアップでした。そして、社会人経験も含めたこれまでの人生の中で、その2社におけるインターンは最も有意義な経験でした。
長期インターンの利点
長期インターンの利点は偏に経験を得られることにあります。今後、学生の皆さんは就職活動をすることになると思いますが、その中で必ずといっていいほど「何がしたいか?」と「なぜそれをしたいか?」を聞かれることになります。そして、ほとんどの学生は「会社の中にどんな仕事があるのか?」「どんなことをするのか?」すら知らない状態でこれらの質問に答えないといけないという不条理と向き合うことになります。
OB訪問や自分のリサーチである程度はわかるかもしれません。しかし、間接的な伝聞や、文献からの情報は直接の経験と比べると得られる情報の量と質の観点で大きく異なります。OB訪問のあるあるですが、訪問先の1年目、2年目の社員が話す内容が実態と大きく異なっている姿を個人的にも何度も見かけたことがあります。見栄もありますし、頼られたからには面白い仕事の話を聞いて帰ってほしいという善意もあるのだと思います。心情は理解できますが、仕事を知りたいと考える学生にとっては有意義な時間とはならないでしょう。
また、自分でリサーチをするにもネットで簡単に手に入る情報の真偽は不明ですし、人が発信する内容はどうしても発信者のバイアスがかかります。単純な情報を一つ伝えるにも書き手が読み手を誘導することになるので、それが本当にあなたにとって意味のあるものかは分かりません。「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、長期インターンはこれらの業務を知るには最適な機会だと思います。
小規模な企業でインターンをするメリット
トドケールの長期インターンは最低3か月~1年程度を想定しており、スタートアップのテック業界とそれに付随する一般的な業務を知るための機会を提供します。
営業、カスタマーサクセス、オペレーション、エンジニアなど、複数のポジションがあります。インターンの醍醐味は就職に向けて、仕事を「知る」ことにあると考えています。
「営業ってどういうことをするんだろう?」、「カスタマーサクセスってどんなことをするんだろう?」、「開発ってどんなことをするんだろう?」を「知る」ことで今後の皆さんの就職活動で「どんなことがしたいですか?」「何がしたいですか?」に答えることができるようになる実体験を基にした一次情報を得られることがインターンとして働く方に提供できる利益だと考えています。
また、皆さんが優秀であれば今後、入社される企業の規模は大きい可能性が高く、大企業で働いていれば、自分たちが部分的な仕事しかしていないことにいつの日か気が付くはずです。自分の経験からも確信を持って言えますが、ほとんどの人たちが業務の全体像を見ることなく、一部の仕事を担当していることが大企業では普通です。頼まれて渡したデータが何に使われているのか知らない。自分が作成した資料が何に使われているのか知らない。自分の部署以外で何がどう動いているのか知らない。きっとそんな自分にいつかは気が付くはずです。
かたや、DXを推進する昨今の企業においては部署横断的なプロジェクトも多く、他の部署ではどんなことをやっているのかを知る人材には高いニーズがあります。入社して何年かが経った後に、そんなプロジェクトに入ることになった時にここでの知識も役に立つはずです。
私のインターン経験
続いて、自分の経験を伝えたいと思います。冒頭で私はアメリカで経験した2社のインターンが人生にとって最も有意義な時間だったと書きました。その頃の私はMBAを卒業した進路としてMBAの学生にはありきたりなコンサルティングや投資銀行に進むことが本当に自分のやりたいことなのか悩んでいました。本音では米国のスタートアップへの就職や起業も考えてみたいと思っていたのだと思いますが、思い切ることができない状態でした。
そこで考え付いたのがインターンでした。私が経験した2社は4人しかいない金融系スタートアップと50人程度のシリーズAを終えたテック系スタートアップで、合計18か月の間その2社で働きました。2社の異なるサイズのスタートアップでインターンを経験することで、私が思い描いている起業やスタートアップの仕事の現実がどんなものなのかを確かめるということが目的でした。結果、この2社での経験が私の人生を大きく変えて、私は今こうして起業することになりました。
インターンは正社員として組織に対して長期のコミットを求められる前にお試しで社会を知ることができる貴重な機会です。ぜひこの機会を活用して、最高の社会勉強をしてほしいと思っています。
スタートアップは新卒学生の選択肢か?
最後にスタートアップという言葉は最近メジャーになり始め、新卒の学生の進路としても非現実的ではなくなり始めました。その一方で「スタートアップなんてただの中小企業」という冷ややかな声も聞こえてきます。実際、私が20年前に学生だった時にも同じようなことを言う人たちが多く、私もその一人でした。
当時はまだインターンという制度自体が認知されておらず、アルバイトという概念でしたが、貴重な学生時代という社会に出る前のモラトリアムをそういったスタートアップ(その頃はベンチャー企業と呼んでました)でアルバイト・インターンとして消費する稀有な学生を見て私は理解できずにいましたが、それらの企業はあっという間に大きくなり、そこでアルバイト・インターンをしていた学生たちが正社員として入社し、幹部に成り上がり、自分で起業していく姿を見てきました。そのスタートアップこそが楽天、サイバーエージェント、DeNAなどです。
「スタートアップなんてただの中小企業」という主張をすべて否定するつもりはありません。実際、そのとおりと感じる側面も多くあり、合う人と合わない人がいると思います。ただ、新卒の学生たちとって大手企業だけが選択肢になりがちな日本の中で、本当はスタートアップのような自由とチャンスが多い環境のほうが能力を発揮できるであろう人たちが、大手企業に就職し、職場や業務に文句や不満を漏らしながらも転職する勇気を持てずに同じ職場で不本意に働き続ける現場を私は長い社会人生活の中で見てきました。
もしスタートアップという環境に興味があるけれど、それを本当に選択肢にしていいのかわからない、スタートアップに興味があるという思いが少しでもあるなら、人生の中でほんの少しだけ許されたお試し期間としてのインターンを活用してこれからの就職活動を有利に、そして納得できる就職後のキャリアを歩みませんか?
あなたの応募を待っています。
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