ボツになったBeer Friday。。。
トドケールの社内文化やイベントを紹介するシリーズ、第4弾の今回は定着しなかった「Beer Friday!」です。
トドケールにおいては様々な取り組みをしてまいりましたが、全く定着しなかった制度もあります。それが「Beer Friyday(ビアーフライデイ:ビールの金曜日)」です。なお、今回はCEOである野島本人による特別寄稿です。
■ なんで始まったの?
なぜBeer Fridayが始まったかというと、話はトドケールの創業者である私がアメリカはカルフォルニアで働いていた宅配ロッカースタートアップ、Percel Pending, Inc.にまでさかのぼります。そこには”Beer Friday”という制度がありました。
Beer Fridayとは「金曜日は15時を過ぎたら、ビールを飲みながら仕事をして良いという制度」で、オフィスの冷蔵庫に大量にストックされたビールを従業員が思い思いに手に取り、そこかしこで乾杯をしながら、週末前の最後の追い込みをかけるという素敵なイベントでした。
ビールの銘柄は毎月社員による投票で決められ、月末にCompany Official Beerに決まったビールが大量に発注されて、月の最初の金曜日午前中にオフィスに届きます。私は「ステラアルトワ」のファンで、毎回これに投票していたため、これが選ばれるととても嬉しかったことを覚えています。ちなみに「コロナビール」はあまり好きではありませんでした。
社員がTシャツ、短パン、ビーサンで働くオフィス環境に驚いていた私は金曜の夕方になるとオフィスのデスクにビール瓶が並び、ぐびぐびとビールを飲みながら皆が会議する光景に衝撃を受け、「起業したらいつかこれを制度として会社に導入したい!」と密かに夢見ていました。そして、起業し、オフィスを構えた勢いに任せてこの制度をまねた結果、Beer Fridayがトドケールにも誕生したのです。
■ なんでやめちゃったの?
結論を言えば、トドケールにおいてBeer Fridayは定着しませんでした。その理由は3つあると思っています。
1.私が勝手に決めた
定着するに至った制度やイベントは大体が社員のニーズやその就労体験を改善することを目的としていて、全員へのヒアリングやディスカッションの結果、始まりました。一方、Beer Fridayは私の思い付き、かつ、「こんな会社にしたい!」という勝手な思いにより始まったものです。
しかし、事業開発においても同様であるようにユーザーのニーズを無視した制度やイベントは定着しないということを思い知りました。トドケールの社員はビールを飲みながら仕事をしたいなんて思っていなかったのです。
2.コンセプトが社員にハマらなかった
「金曜日であれば15時からビールが飲めちゃう会社」というイケてるコンセプトは私の心を打ちぬいたのですが、どうやら日本の社員にとってはそうでもなかったらしいです。結局、Beer Fridayは定着しなかったわけですが、Beer Fridayが終了した決定打は、とある金曜日の社員の一言でした。
その日も、金曜日は15時以降ビールを飲んでもいいというルールに基づいて、私は午後の全社会議にビールを飲みながら参加していました。しかし、報告や議論が進む中、会議に集中せず、重要な内容を聞き逃してしまった私が何度か内容を聞き直したところ、その言動にイラついた社員が怒気をはらんだ声で言いました。
その一言に周囲の社員が無言でうなずきました。そこで初めて私は気が付いたのです。
3.私は酒に弱かった
最後に、私はビールを1杯飲んだだけで顔が赤くなります。社員にとっては、みんな忙しい中、一人だけ赤ら顔でビールを飲んでいる社長はムカつくようです。
思えば倫理観高く、お客様にサービスを提供する中でミスがないように気を使って作業をしているスタッフからすれば、横でビールを飲んで仕事をする社長がムカつかないわけはありません。
確かにカリフォルニアでビールを飲んでいたPercel Pendingの社員たちはめっぽう酒に強く、顔が赤くなる人などいませんでした。かくして、社員による「やめませんか?」の一言でBeer Fridayは制度導入から1か月もしないうちに終了しました。
■ 学んだこと
ー 反省とやりたかったこと
このBeer Fridayの終了とともに私は大切なことを学びました。
会社は社員とともに作るものであり、そのニーズを無視した福利厚生は全く意味がありません。思い返せば、私がやりたいというだけの理由で導入したBeer Fridayは私の掛け声だけで、私以外はお酒などには目もくれず仕事をしていました。また、なんかイケてそうという理由で地域の文化や事情の違いを考慮せず、カリフォルニアからコンセプトをそのまま持ち込んだことも愚かでした。
しかし、カリフォルニアの会社にMBAの学生インターンから始まって、フルタイムで就労し、学校以外に友人もいない環境の中で完全外国人として働いていた私にとって、このBeer Fridayは様々な人と会話のきっかけをくれた実利ある制度でした。
廊下ですれ違った他部署の社員と投票したビールは何かを話すことが共通の話題になったり、珍しいビールが選ばれた時には仕事の合間にみんなで感想を言いあったり、Beer Fridayはオフィスでほかの社員と交流するためのきっかけを与えてくれたことも事実です。
この経験から社員が仲良くなるきっかけになればと思って始めた制度でしたが、そのころの社員はまだ2名で、同じオフィスで毎日顔を合わせていたため、そんな制度に意味はありませんでした。
つまり、私の独断で勝手なものを作るのではなく、会社の規模やニーズや色々な事情を考慮して社員と一緒に制度やイベント、そして会社の文化作ることが重要だと私は学びました。
ー もうBeer Fridayはやらないの?
最後に、今はボツになってしまったBeer Fridayですが、実は私はまだあきらめていません。(だってなんかイケてるじゃん!)
また、外資系コンサル育ちの私のもとに集まってくれた社員たちは、そろって自分の仕事が終わればいつの間にかいなくなるドライな外資系カルチャーなので、「もう少しウェットな関係があっても良くないすか!?」とか思ったりすることもあります。
さすがに「ビールを片手に仕事をする」というのは日本の文化に合わないとしても、金曜日の業務が終わったあと、すべてを片付けて、帰る間際にカンパニーオフィシャルビールを片手に業務を終えた社員同士が少し交流をするという文化はいずれ定着させたいなと密かに思っています。(ビールよりもいいものがあれば教えてほしいっ!)
ただ、まだ社員数が少なく、同じフロアで全員が話をできるうちは必要なさそうなので、当面はみんなが帰った後に冷蔵庫の端に隠されて置いてあるビールを私がひっそりと飲むだけになりそうです。ちなみに私が冷蔵庫の隅に常備しているビールがこちら。
もし、私と一緒に「Beer Fridayを一緒に定着させたい!」、「金曜の仕事終わりにささやかに乾杯してから帰る会社サイコー!」という方がいれば、ぜひ会社の採用ページを見てみてください。
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