現役編集者が教える、わかりやすい文章を書くための9つのコツ
こんにちは。とどです。
僕は今、とあるスタートアップでウェブマーケター兼編集者として仕事をしています。僕の仕事には、ライティングだけでなく、チームメンバーの文章添削・指導も含まれます。
ここで働く前は、ウェブリオ株式会社というウェブ辞書の会社でも働いていました。書いている文章は、主にビジネスパーソン向けの文章で、割とかっちりしたやつです。編集長が元出版社の人間で、それはそれは厳しい指導でした。当時は文章の指摘が怖くて、何十回も文章を見直してました。
それはさておき。現職では、メールマーケティングに関するセミナーの講師をやる機会が多いのですが、お客さまから「そもそも文章が書けなくて困っている」という相談を結構受けます。
そこで、現役編集者が日頃気をつけているライティングのコツを共有します。ブロガーさんや、ライターさんだけでなく、多くのビジネスパーソンに読んでいただきたい内容です。
1:受け身の表現を使わない
受け身の表現、意識していないと使ってしまいがちです。基本的に、受動態より能動態が読みやすいので、注意するようにしています。
2:「方」が出てきたら要注意
「方」という漢字が出てきたら要注意です。「方」という漢字を使うシチュエーションは、主に次の2パターンです。
1つ目のパターンは、「人」を意味する「方」です。
「人」を意味する「方」が出てきたら、ターゲットを明確にします。ターゲットを明確にすると、ターゲットに刺さりやすい文章になります。また、SEO対策をしているブロガーさんにとっては、キーワードの密度を増やすことにも繋がります。
「今回ご紹介するテクニックは、文章が書けなくて困っている方に参考にしてほしい内容です」
「今回ご紹介するテクニックは、文章が書けなくて困っているブロガーさんや、新社会人に参考にしてほしい内容です」
2つ目のパターンは、「2つあるもののうちの一方」を表す「方」です。
このパターンの「方」は、多くの場合省略できます。
「あなたより私の方が優れている」
「あなたよりも私が優れている」
3:遠回しな表現を避け、断言する
はい。出ましたこれ。遠回しな表現が大好きな人、多すぎます。遠回しな表現が好きな人は、注意していないとすぐに遠回しな表現が出てしまいますので、注意しましょう。
遠回しな表現とは、「〜だと思われます」「〜がよいと考えられます」などの表現を指します。このような遠回しな表現は、すべて断言しましょう。断言することで、価値が生まれます。
「マーケティングの仕事とは、付加価値を提供することだと私は考えています」
「マーケティングの仕事とは、付加価値を提供することです」
断言することで文章がスッキリしましたし、文章から自信が読み取れます。
4:あいまいな表現を減らす
あいまいな表現を減らすのは、言うは易し行うは難しの代表例です。僕もやってしまうことがあります。あいまいな表現に自分で気づくのはとても難しいのですが、意識していれば気づける箇所もあります。
たとえば、「〜をすばやくビジネスの現場で活かせるように、〜をマスターしましょう」という表現。ビジネスの現場って何だろうか。ビジネスの現場で活かすって、どんなことをイメージしているのだろうか。マスターとは、どんな状態のことを指すのか。
あいまいな表現を使った文章を見ると、疑問は尽きません。何より、抽象的でぼやっとした印象になり、まったく中身のない文章になります。(たまに、こういうあいまいな表現だらけの情報商材みたいなもの、ありますよね。。)
5:余計な付言を取る
余計な付言は取りましょう。
余計な付言にありがちなものを挙げると、「基本的に」「一般的に」といった表現です。100%の保証はないから、予防線として「基本的に」「一般的に」といった表現を使いたくなるのでしょうが、不要です。
また、「〜すること」「〜ということ」は不要なことが多いです。
「貯金をするということは、そのお金で得られたはずの機会を失っているとも言える」
「貯金とは、そのお金で得られたはずの機会を失うことでもある」
6:主語と述語のねじれに注意する
文章を長くしてしまう癖がある人に多いのが、主語と述語のねじれです。文章が長くなればなるほど、主語と述語が離れていき、結果的に主語と述語がねじれます。
「第3文型とは、SVOの形をとり、非常に多くの文章が第3文型に当たります。」
「第3文型とは」で文章が始まっているのなら、「〜です」で終わるのが望ましいですよね。この文章を短くしてみると、違和感がよくわかります。「第3文型とは、第3文型に当たります。」おかしな文章になってしまっていますね。
7:極力読者に何かを強いるような表現は避ける
これはスタイルにもよりますが、僕は読者に何かを強いるような表現は、極力避けています。何をやるか、やらないかは、読者が決めればよいと思っているからです。
「〜に注意すべきです」「〜に注意しなければなりません」よりも、「〜に注意しましょう」「〜に注意が必要です」と書いた方が、読者をムッとさせる可能性が低くなります。
8:「の」の用法に注意する
準体助詞の「の」は、体言の肩代わりをしています。準体助詞の「の」とは、「気をつけなければならないのは、〜」のような文章における「の」です。準体助詞の「の」は、具体的な表現で言い換えられます。
言い換えると、「気をつけなければならない点は、〜」といった感じです。
9:「い」で終わる形容詞+です、は稚拙な印象を与えるため避ける
「難しいです」「美味しいです」「楽しいです」といった、形容詞+ですを使った表現は、読者に稚拙な印象を与えるため、避けます。
「学んだことを実践するのは、難しいです」
「学んだことを実践するのは、容易ではありません」
「その判断をするには、まだ早いです。」
「その判断をするには、時期尚早です」
さいごに
ライティングのルールは、個々人や会社によって違います。読みやすいと感じる文章も、読む人によって異なります。ですので、あまり神経質になっても仕方ない面はあります。
それに、趣味のnoteやブログでは、「綺麗に書く」ことよりも、「継続する」「熱量を持って書く」ことが大事です。難しいと思ったら、まずは綺麗に書くことは無視しても構いません。
そんなわけで、また会いましょう。
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