バイトミュージシャンのお金の話
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前回のnoteの最後に「地獄の音楽生活」が始まったと締めくくりましたが、これは嘘ではなく今思えば本当に地獄で、私のバンド生活を締めくくった最後の場所はメンタルクリニックでした。笑
では、メンタルクリニックで私のバンド生活が終わる要因の一つであった、お金周りのお話を今日は少ししたいと思います。
と、その前にちょっと話はそれますが、大学卒業間際に私が悩んだ事として就職しながら音楽を続けるか、アルバイトをしながら音楽を続けるかという進路選択でした。
そして、両者のメリット・デメリットで問題になるのは大抵、
・収入の大小
・休みの融通
の二点です。
この二択におけるベストな選択は本当に人それぞれだと思うのでここでは詳しくは触れませんが、
私は結局アルバイトをしながら音楽を続けるという選択をしたので、ワンルームの部屋を借りて、アルバイトをしながらリハーサルやライブをするという日々を送る事となります。
私が当時組んでいたバンドは、カバー中心のバンドとオリジナルのバンドなどでしたが、メンバーは違えどやる内容は結局は同じで、
リハーサル → ライブ(ノルマ有)
というものでした。
いずれのバンドもライブで収入があった記憶はほとんどなく、どんなに良くてもノルマ分なしぐらいなものでした。
ではここで、アルバイトミュージシャンがどれくらいの収支かを、かなりざっくりですが計算してみましょう。
こちらはあくまでも私の一例です。
あまりプライベートはさらけ出したくはないですが、問題定義として犠牲になりましょう!笑
アルバイトミュージシャンの収支は?
アルバイトは時給1,000円のフルタイム(実働8時間)週5日だったので、月に稼ぐお金はひと月4週とすれば、
1,000(時給)×8(時間)×5(週5日)×4(ひと月4週として)=160,000円
こちらが収入となります。
そして支出は
家賃 50,000円
水道光熱費 7,500円
通信費(インターネットと携帯) 14,000円
税金(実際一年目はない) 7,000円
年金 16,000円
保険料 16,000
奨学金 16,000円
これらを引くと残るお金は、
160,000-(50,000+7,500+14,000+7,000+16,000+16,000+16,000)=33,500円
いいですか。ここにまだひかれていないお金があります。
そうです。食費です。
単純に30日で割っても一日当たり、約1,100円。
勿論、一日にそんなに食費をかけないとはいえ、頑張っても2万くらいはかかります。
それで、残るお金は
13,500円
これでノルマ付き音楽活動をしろというわけです。
どうでしょう、できそうでしょうか?笑
実際のところ、幸いにも家族の協力があったおかげで仕送りを頂けていたのと(とはいえ毎月ではありません)、もう少しバイトを増やしていた事と、年金の猶予申請をしていたのでもう少し余裕がありましたが、とはいえ自由なお金はどんなに多くても5万円くらいです。
ここに毎週のリハーサル代金とライブのチケットノルマを引くと、
リハーサル代金(週一回) 約2,000×4=8,000円
ライブノルマ代金(一回) 約5000円~約10,000円
この辺は本当にピンキリですが、大きく異なる金額ではないのではないかと思います。
また、リハーサルやライブの頻度がこれ以上あることも当然あります。
また、ここには交通費が計算されていません。往復1,000円かかる場所でのリハーサルなら、リハーサル代だけで12,000円になります。
このライブで一枚もチケットが売れなければ丸々ノルマ代金が乗っかります。
これらの金額を見て
「別に割といけるんじゃね?」
と思った方いらっしゃいますか?
たしかに、ノルマ売り切ってさらにはノルマ以上売れば場合によってはバックがあるから、なんとかなりそうだと思うかもしれませんが、
この、チケットを売るというのが思っている以上に難しいのです。
また、これらの収支計算は本当に余分なことを一切しない場合、位の計算です。
週5日8時間のバイト(もしくはそれ以上)をこなしたうえで、外食したり、友達と遊んだり、買い物したりという息抜きを一切しないでずっとやり続けられればこの計算で片付きますが、
それは現実的でしょうか?
夢の為ならそれぐらいしろと言えるほど、必然的な我慢でしょうか?
次回は、またこの辺りを詳しく書いてみたいと思います。
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