逃げる
【今回の文字数:1845文字(所要時間約3分~4分半)】
はじめに
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先日、こちらの記事をアップしました
ここで、
まずその場で努力することが大事です。ですが、人一倍努力しているのになかなか成果が上がらないという時は、努力不足ではなく、場所が悪い可能性を疑わなければなりません。つまり、あなたの資質能力と、その仕事や物事の相性が悪い可能性があるわけです。努力には「その場で一所懸命努力し続ける」というものと、「自分にはどんな仕事や物事が向いているかと考え、さまざまな情報を集めて次の仕事や物事を見つける」という努力の2種類があります。この2つめの努力は、『自分には向いていない』という事実にしっかり向き合う必要があります。一見すると「逃げている」ととらえられかねませんが、そんなことはありません。むしろ、ひたすらに分かりやすい努力を続けることこそ、「自分に合った場所を探す努力」から逃げていると言い換えることもできます。
と書きました。今回はこの一見すると「逃げている」ととらえられかねないというところについて少し掘り下げたいと思います。
「逃げる」ことはネガティブなことなのか
そもそも「逃げる」という言葉はネガティブなものではありません。
最も端的に表れるのが、軍事における撤退の場面です。例えば魏晋南北朝時代の有名な兵法書『兵法三十六計』の最後には「走為上=走るを上と為せ」という項目があります。これはつまり「逃走は最善の策である。」という意味です。
また、有名な孫氏の兵法にも「勝ち目がないと分かったときには損失を最小化するために迅速に撤退する。」という行動は戦略的に極めて正しいと書かれています。
逆に、なかなか逃走できずに国を滅亡の寸前まで追い込んでしまったのが旧日本軍のエリート軍人です。太平洋戦争の戦死者はおよそ300万人と推計されていますが、死者の多くは最後の1年で出ています。
一般人の犠牲者についても同様で、東京大空襲や広島・長崎への原爆投下もすべて1945年3月以降のことです。1942年にミッドウェー海戦で主力空母を4隻失った時点で講和していれば、そこまでの犠牲は生まずに済んだのではという主張をされる方もいます。これもまた、「逃げる」ことができなかったことで生まれた悲劇といえるでしょう。
「逃げる」ことは生物の本能
生き物は、命の危険に直面すると、「戦う」か「逃げる」のどちらかを選択します。ですが、我々人間は、「じっと耐える」「何とか頑張る」という選択をとってしまいます。野生の生き物で「耐える」という選択肢を選ばない理由は単純で、「じっと耐える」「何とか頑張る」という選択をとった生き物は絶滅してしまった、ということです。
なぜ「逃げる」ことをネガティブに感じるのか
理由は2つあります。1つ目の理由は「逃げる人」が出てくると、自分の選択に自信が持てなくなるからです。
例えば、同期入社の中から転職者が出てくると、「自分はこのままでいいのか」という一株の不安にとらわれることになります。この不安を払拭するために「逃げる」ことを戒めます。
2つ目の理由は、逃げる人が出てくるとほかの人の負担が増えるからです。コミュニティを維持するためには何らかのルーチンワークが必要になります。この仕事を分担しているわけですが、逃げる人が出てきてしまうとほかの人が逃げた人の仕事を肩代わりしなければならなくなるためです。
一生懸命のもともとの言葉は一所懸命
一生懸命といえば、ポジティブなイメージを抱きますが、もともとの意味は「一所懸命」です。これは本来、中世日本において、各々の在地領主が本貫とした土地を「命がけで守り抜く」という覚悟を表したものです。つまり、「土地のオーナー」が持つべき覚悟を表している言葉です(会社でいうなら社長や会長でしょうか)。オーナーでもない領民(社員)の覚悟ではなかったわけです。ですが、これがいつしか、土地のオーナーである領主が、その領地で働く人々に対して押し付ける「弱者の道徳」に転換されたわけです。
そもそも、「逃げる」人が増えることで社会はよくなる
不甲斐ないリーダーやブラック企業と戦うために、下にいる人間が取れる行動は「意見をして行動をただす」か「その人(会社)のもとから逃げ出す」の2つしかありません。特に「逃げる」ことは重要です。どれだけ権力を持っている人でも、周囲に誰も取り巻きがいなくなれば権力をふるうことはできません。その結果、不甲斐ないリーダーやブラック企業のような従業員を大事にしない人間、会社は淘汰されていくことになります。
参考文献
新時代を生き抜く24の思考・行動様式 NEWTYPE ニュータイプの時代:山口周著
今後の予定
※下記日程は予定です。生徒指導などの関係でnoteが更新できない場合、掲載日がずれます。
※下記題名は仮題です。
5月17日(月)やんちゃ学校に1か月勤務して
5月18日(火)「聞き方」にはレベルがある
5月19日(水)「わからない」から学べ
他にも「こんな話が聞きたい」というものがあればリクエストお待ちしております。
最後に
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