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ソンジェ背負って走れ③_登場人物ごとの感想(ネタばれ有)

まだ興奮冷めやらず、ついに登場人物ごとの感想を書こうとしている私…
よければ読んでいってください…。ちなみに、俳優さんへの感想と役柄への感想ごちゃまぜです…。

ソル:キム・ヘユン

まず本当に最初に、ソル役を引き受けてくれてありがとう。「ソンジェ背負って走れ」の本当の始まりは、ヘユンちゃんがこの仕事を引き受けたことな気がしています。

1話の最初の絶望からソンジェの一言で救われるところ、なんども泣きながら必死になってソンジェを守ろうとする姿に視聴者は自分を重ねてみたと思います…。

私も好きな俳優を突然失ったこと、何度も何度もあの夜に戻りたいと思ったことを思い出して、1話から心がえぐられる思いでした。

ソルの一番好きなところは、常に前向きで賢くて行動しまくるところ。韓ドラのヒロインは、最初めちゃめちゃ明るかったのに後半めちゃめちゃ暗くなってしまい、これ別人格では?と思ったりすることがあるのですが、ソルは泣くシーン多いのに根っこの部分は変わらず前向きで明るい様子がよく伝わってきました。

ソンジェを何としてでも生かすんだ、という強い意志を考えれば、ソルの行動はすべて納得できるものだった、と個人的には思います。

ソルの立場(元々はソンジェのファンだった)や愛嬌のある性格は、一歩間違えれば視聴者から叩かれやすい役だったのでは?と思います。しかもソンジェはソルの笑顔にひとめぼれして、そこからずっと好きという設定。

ヘユンちゃんはそんなソルを愛するしかないキャラクターに見事に演じていて、本当にすごいなと思ったし、あの明るい笑顔でソンジェの長い片思い設定もありにしてしまったのが素晴らしい…。

私が一番好きなのは、5話で映画を見に行くときに目玉をぐるぐる回すところ笑 それまでにやにやをこらえていたソンジェが、初めてソルを愛おしそうに正面から見ている気がするのですが、大納得!そんなことをヘユンちゃん演ずるソルにやられたら、誰だってあの表情になるよね…。

ほかの記事にも書きましたが、このドラマは「ソンジェがソルにひとめぼれする」ということが一番の肝であり、その恋の素朴さ神聖さが非常に重要だと思っています。そしてこの夕立の中訪れた太陽のようなソルの笑顔が「ソンジェ―ソル」の記憶の全ての始まりとなる…。のですが、それをヘユンちゃんが見事に演じていて、、、本当にすごい。

また、一つ記憶に残っているのが、6話でソンジェからの告白を受けるシーン。その場で断りはしないけど、明らかに断ろうとしているソルが「ソンジェ、」と言いかけるその言葉で急にソルの生々しい感情が伝わってきて、泣いたのを覚えています。あとからビハインドをみて、監督から「ソンジェ、と言葉を発するタイミングで感情を増してほしい」にみたいな指示が飛んでいることを知りました。つまり、監督の指示通りに私の感情が動いていて、、、本当にキム・ヘユン、すごすぎて怖い、と思いました。

また、11話でソンジェに「未来に帰った」とうそをついて列車を降りるシーン。車内のやりとりでは完全に「未来に帰ったのか…」と思わせておくも、列車から降りたソルの正面にカメラが回った途端、セリフも説明もなにもないのに、ソルの表情から「まだ戻ってない!!!」と分かった衝撃がすごかったです。

正直、なんで自分が「ソルがまだ未来に戻っておらず、ソンジェに嘘をついた」ことが彼女の表情から分かったのかが分かりません……。でもその演技から確かにそのことが伝わっている……。すごすぎる…。

ソンジェ:ピョン・ウソク(ビョン・ウソク)

いやもう…。この人は語る必要ない気がしますが、しっかり語ります笑
私が初めて見たのはコッパダン。正直、、、正直言うと、「え、韓ドラで珍しいくらい演技ぎこちないな、、そして年も結構上だな、、」という感想でした。

モデル出身という情報を得たので、モデルと2足の草鞋でやってるのか~ビジュアル枠なんだな~とか思っていました。

その後、何度か名前を見かけることはあったけれど、その作品がすごい流行っているような感じもなかったので特に見ることはなく、ここまで来ました。作品ごと評判がよくないか、作品の評判は良くてもヒロインばかり言及されてて、ピョン・ウソクにはそんなに言及されていなかったり…。正直、2番手くらいの役をもらい続けていることを横目で見ていて、不思議なくらいでした。そのうち消えちゃうのかな…くらいなことも思っていました。(ほんと失礼)

久しぶりにピョン・ウソクの評判を聞いたのはリュ・シオ役。多分カンナムスンの最終回が放送されたころで、多くの人が「まって、シオは??彼はそんな扱いで終わるの??」みたいな感想だったことを覚えています。

その感想を見て、「悪役をうまく演じた人がいたんだ!誰だろう!」と検索してびっくり。ピョン・ウソクでした。正直ずっと演技がぎこちない印象が強くて…。まだ演技を続けていていい役もらえたんだ、という失礼にもほどがある驚きと、彼の演技が話題になっている!!という驚き。

そんなことがあった後、わたしが話が面白そうだから見てみるか~と思っていた「ソンジェ背負って走れ」の主演が彼だということを知ります。正直、、正直不安だった!!!!ごめんなさい!!!

コッパダンから見てなかった私が悪いんだけど、死という繊細な問題が関わるドラマ、しかもソンジェ高校生役、あれ、ピョン・ウソクって色気ある役やってるイメージしかないけど…しかも相手役ヘユンちゃんで演技力爆発すると思うけど………という不安でいっぱいでした。

ところがどっこい。最終回を迎えた今、ドラマ視聴者ほぼ全員が思っているように、彼以外にソンジェ役は考えられない。それは10代から30代までを演じ分けることのできる容姿や高身長さという見た目だけではなく、本当に本当に演技が素晴らしかった。ヘユンちゃんの演技にいい意味で飲み込まれるように、ソンジェが確かにそこにはいる、と感じるような…。

超人気スターで、高身長容姿端麗、なのにどこか抜けていて愛らしくて、なんと恋愛には奥手。多分恋愛遍歴もそこまでない。そんな現実離れしすぎたソンジェ像を本当にリアルにしてくれた。ソルを心から愛している表情が痛いほど素敵で、そしてどこか儚くて。だからこそソルが必死に彼の死を防ごうとする姿に視聴者の身が重なる。あんなにふざけて子供っぽいのに、ふと消えてしまいそうなあの感じはなんなのだろう……。

特に15話から16話、すべてを忘れていたところから思い出すシーン。この世で起こるはずのない、誰も体験したことのないであろう感覚をリアルに演じていて、鳥肌がたった。記憶喪失の人が思い出すのとは違う、魂に刻まれていた膨大な愛の記憶を思い出す様。何度も何度も見てしまう。

何かのインタビューでピョン・ウソクがそのシーンのことを「生々しくその記憶がよみがえる感覚があった」みたいなことを言っていて、とっても感動した。本当にソンジェとして生きたんだな、ということがよく伝わってきていたので、彼の感覚と視聴者の感覚が一緒だということが分かって嬉しかった。このシーンやピョン・ウソクに限らず、俳優さんと視聴者の心に残っているシーンが一緒なのって、すごいことだよね。一緒に生きている気持ちになる。

他にも彼の演技、ソンジェの表情で魅了されたシーンは沢山ある。告白のシーンはセリフもどれもよくて、10代のまっすぐな瞳(これは恋という感じ)、20代の恋から愛に変わったような表情、30代の初対面の無機質な瞳から、ソルの笑顔を見てなにかが溶けたような瞳、そして16話の蜂蜜がこぼれそうな瞳…。それに加え、彼の不安な気持ちを表す表情も好きだった。僕は2023年に死ぬのか、とソルに尋ねるシーンや、最終話のプロポーズのシーン。ソルの表情をみながら不安に揺れるソンジェの瞳が、こちらの涙腺に触れる。

あとはコメディがとてもうまかったのも知らなかった…!海辺のこけ方、学生に知られてなかったときのずっこけ方、全部本当にうまかった笑 沢山笑ったな。

でも一番印象に残るのは、最終話ソルのおばあちゃんと二人で話すシーン。34歳、何度も自分が死んだことがあることを理解したうえで、おばあちゃんから声をかけられ、思わず涙するシーン。多分、おばあちゃんがソンジェの過去を知っていること、理解しているように感じる。34歳というと、しっかり大人で子育てしている人も多い。だからこそ年下や同年代には見せられない弱さがあり…。ソンジェも1-16話の中で沢山泣いたけど、あの泣き方はお父さんにもソルにも見せたことのない、実は不安でちょっと休みたそうな等身大な34歳に見えた。大人になると、ああやって優しく言ってくれる人って少なくなるよね。私が16話で一番泣いたのもこのシーン。高校生の時に入院し、弱っている姿を見るのが怖くて一度もお見舞いに行けず、そのまま亡くなってしまった私のおばあちゃんを思い出して、おばあちゃんに言われたような気分になって大号泣した。会いたいな。(ストーリー関係なくてすみません…)

「ソンジェ背負って走れ」というドラマは、そのドラマだけでも十分に面白いのに、3年間も色々な俳優に断られ続け、まわりまわってピョン・ウソクの手に渡り、そして彼の代表作になったことが本当にこのドラマを盛り上げていると思う。奇跡だよね本当に。このドラマの主題でもあるけれど、運命って本当にあるのかもしれない、と彼を見ていて思った。

当たり役とはこのことで、放送当初はそこまで注目されていなかったにも関わらず、どんどんドラマが人気になっていき、それにともなってピョン・ウソクが人気俳優の階段を駆け上がったこの驚異的な2か月に立ち会った気になっている。彼にとって大きな転機となったであろうこの2か月間。本当に立ち会えてよかった。ドラマの内容だけではなく、彼の生き方からも本当に多くの影響を受けたな…。これはリアタイならではの醍醐味だったかもしれない。

そして、今更ながらEclipseの歌全部歌ってるのは本当にすごい。しかもソナギに関しては、劇中に出てくるたびに生歌生演奏だったとは。この人、ソンジェ役やるために生まれてきたのだろうか…。もう物語の後半では普通にOSTとしてピョン・ウソクの歌声が流れ、そして普通に良いという…。なるべくしてなったソンジェ役。本当に本当にあなたじゃないとだめだった。

最終話見た後、舞台挨拶で泣いている姿を見て、そしてそれを暖かく見守る周りのキャストがいて…。時間はかかったけど、その分開く花は大きく、感動も大きかっただろうな…と思って私まで泣いてしまった。ソンジェからは愛のために走る純粋さ綺麗さ、そしてピョン・ウソクからは打席に立ち続けること、何事も一生懸命に続けること、腐らないことを学んだ。

欲を言えば、あともう一つ代表作が作れればもう間違いない気がしている…(超余計なお世話…)ので、彼の次の代表作を見るまで見続けたいと思う。

テソンまで行こうと思ったけど、今日はここで終わり!また次の記事で……。


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