ソンジェ背負って走れ④_登場人物ごとの感想2(ネタバレ有り)
ちょっと時間が空いてしまいましたが、登場人物ごとの感想パート2を書きたいと思います!また、何名かの方が前回までの私の記事を読んでくださいました!本当に嬉しいです。これからもよかったら読んでくださいね。
テソン: ソン・ゴニ
ソンジェ背負って走れの物語に欠かせない人物といえばテソン。特に最後のタイムスリップを終えた世界のテソンの描かれ方は、私の中では韓ドラの2番手の常識を変えるような描かれ方で、なんていうんだろう…「2番手」という肩書きではない新しい役目な気がしました。この物語の脚本がキラリと光るのはこういうところなんだよね…。
この脚本のテソンに関することで1番胸にきたのは、なんと言ってもソンジェが死ぬという運命を直接変えたのはソルではなくテソンであったということ。1話の時点では、ソルに名前も顔も覚えられておらず、「なんか喧嘩して高校卒業しなかったらしいよ〜」レベルだったテソン。それがソルがテソンともしっかり向き合い、彼の運命を変えることで、最後テソンが全てを終わらせた、というテソン中心に見れば「もうテソン主演なのでは?」くらいの大役でした。最終話のテソンの車が犯人のタクシーに突っ込んだシーンの構図が大好きで、上からの図が「ソンジェと犯人のタクシーが直線上に並ぶ」ところを、テソンの車がその直線を横から断ち切るような構図となっているのが本当にすごいなと思った。まさにこの因縁の関係を図示したような構図。
そして、その後のテソン父とのやりとりを入れてくるあたり、本当にこの脚本は素晴らしい。テソンは本来なら犯人を生かしたまま捕まえ、取り調べをするべきだったはず。犯人を意図せず死なせてしまい、どこかぼーっとするテソンにテソンのお父さん(現役の警官だったことがわかってすごく嬉しかった!笑)が「犯人が死ななければ、違う誰かが死んだかもしれない」と伝えることで、視聴者は「そっか、また刑期を終えた犯人が出所したら、ソルとソンジェに何かあるかもしれないもんね」と、この脚本が犯人を生かさなかった理由を理解できたと思う。また、多分テソンの根底にあった「家族に愛されていない」という寂しさが限りなく薄れていて、お父さんといい関係性が築けていることも分かるような場面だったな。
ソルのタイムスリップ中に行った全てのことが無駄になっていないことが、テソンの変化を通しても再度視聴者に伝わってくる。だって最初の世界線では、ソルはテソンの顔も名前もはっきりと覚えていなくて、「あいつ喧嘩して高校中退したらしいよ」「へぇ〜」みたいな存在だったのに。そんな人が自分やソンジェの運命を最終的に大きく変える人物になろうとは。
ちょっと話は変わり、、、
正直、高校生テソンに私は全くときめかず(あ、でもベース弾いてる姿はカッコよかった!)、どうなることか〜と勝手に思っていたのだけど、大学生時代(テソンの視点だと洋服のオーナー時代)と警官時代のテソンは本当にかっこよく見えて、髪型や服装もあるんだろうけど、俳優さんって本当にすごいなと思ったし、どんどんテソンがよく見えるようになる脚本にあっぱれ。
私の中で2番手というと、最終的に闇落ちしちゃうパターンや1番手に全く及ばずで1番手との張り合いが全くないパターン、逆に「なんで2番手が報われないんだ!1番手よりいいだろ!」パターンなどなどあると思うのだけど、今回は本当に新しかったと思う。正直、ソルとソンジェの間の絆や愛が深すぎてテソンの入る隙なしなことは3話くらいから見え見えだし(テソンも「なんで僕に嫉妬してるの?」ってソンジェに言ってたね笑)、ソンジェがカッコ良すぎて優しすぎるから視聴者の多くは「テソンもいいけどソンジェ!」派がほとんどだったように感じます。
つまり、「当て馬2番手男子」はこのドラマで不要だったと思うのだけど、テソンを「2人の運命を直接的に変える役」として書くことで、テソンは本当に必要な役になったんだな、と本当に感動しました。また、8・9話で変に主演の2人に絡ませなかったのも本当によかった。どこかで「テソンはどうなった?」と視聴者を気にさせて、かつしつこい当て馬に全くさせなかったのが本当にうまい。
あと、酔っ払ったソンジェから「ありがとう」と言われるテソンも胸熱だったな…。2番手は色んなところでヒロインや1番手を救いながらも、直接的に感謝されないor気付かれないことが多い気がするけど、今回はソンジェから直接お礼を言われていて、(テソンとしては「?」だったけど)視聴者としてはもやもやなく終われることができたな…。テソン、私からもありがとう…。
そして、最後酔っ払ったソンジェに駆け寄るソルを見て、友人として笑うテソンが本当によかった。一瞬ソルのことを好きになったかもしれないけど、私個人的にはあの3人はこれから友情を築いていくんじゃないかなと思う。そんなことを十分に感じられるテソンの表情だったな…。
ソン・ゴニ君はノクドゥ伝で初めましてで、それ以来見かけていなかったと思う。ノクドゥ伝では主役の兄役だったこともあり、普通に年上だと思っていたらなんと同世代だったとは。ノクドゥ伝がもう5年前らしいので、あの時はまだ20歳くらいだったなんて。今作の方がずっと若く見える!ソンジェの最終回放映後に出たインタビューで、「ソンジェの撮影に入る前、少し難しい時期だった、絶望していた」みたいなことを言っていてびっくり。だけど、同年代として分かるような…(勿論レベルは違いすぎるけれど)。
だんだん30代に近づくにつれ、ガチの大人の世界がよりクリアに見えて、ああもう本当に夢とか言ってる場合じゃない…ってなってくるよね…と謎に共感してしまった笑。同世代や年下で主演やってる人も続々出てきているだろうしね…。この「ソンジェ背負って走れ」はゴニ君も当たり役!彼以外のテソンは考えられない。ちょっとチャラい高校生、ちょっと大人になって社会人の空気も出つつテソン本来の軽さ(いい意味で!)を失っていない20代、そして責任を持って警官をしていることが分かる30代。どうしてもピョン・ウソクの見事な演じ分けに注目が集まってしまうけど、ソン・ゴニ君の演じ分けも本当に素晴らしかった!最後13ー16話のテソンの追い上げすごかった!!!これからもソン・ゴニ君が良い役で活躍しますように。
インヒョク: イ・スンヒョプ
ずっと良い友達だったインヒョク。脚本家さんも言ってたけど、原作になかったテソンを登場させることで、ソンジェと親友インヒョクは本当にずっと良い友達でいられた。
私は途中から、ソンジェ背負って走ってるのはインヒョクなのでは??とずっと思っていた笑。恋愛のアドバイスして、花吹雪用意して、酔ったら介抱して、松ぼっくり散らかしたら片付けて、そしてきっとコードも一生懸命教えて…。だからこそ、海の場面でソンジェが「煌めく青春があるのならば、お前と過ごしたい」的なセリフを言ったのがインヒョクであったことにすごく感動した。確か予告でこのセリフが流れた時は、ソルに向かって言ったのかな?と思わせるような感じだったから余計にすごく感動した。そうだよね、青春って恋愛だけでは全くなくて、友情も煌めく時間だよね、と改めて感じました。ソンジェの物語は勿論主軸はソルとソンジェの物語なんだけど、最終話に向かうにつれて、友情や家族愛も描かれているところが、この脚本本当に素晴らしいと思う理由の一つ。
良い友達なだけじゃなくて、彼がずっと音楽に対して一生懸命だったからこそ、この物語が続いたよね。Eclipseがなければソルはソンジェのファンになっていないのだから。最後のタイムループ後の世界では、ソンジェが高校生の時のように明るくてちょっと抜けててそれで愛される性格なのは、きっと側に素敵な友達がいたからだろうなと思いました。ソルと出会っていないことになっているから、なんというか心の奥から出てくる優しさみたいなものは欠けているかもしれないけど、それ以外のソンジェの魅力ある性格がそのままだったのがすごく嬉しかったのを覚えてる。インヒョクありがとうなほんと……。
ソルにとっても視聴者にとっても、インヒョクがソンジェの過去の行動をネタバレしてくれるのがどれだけありがたかったか!笑。ソルを忘れられないソンジェをずっと世話してくれて、ことあるごとにソルとソンジェの間を取り持ってくれようとアドバイスしたり(有効策だったかは置いておいて笑)、マネージャーもそうだったけど、インヒョクもこの物語に必要不可欠な「陽」の人としてすごく上手く機能していたと思う。
そう思うと、ソンジェが自殺と思われていた世界(他殺だったけれど)は、ソル以上にインヒョクにとって地獄だったと思う。ソルはあくまでファンだったけど、インヒョクは少年時代からのソンジェの友達であり、自分がEclipesに誘った身であり、勿論メンバーであり…。1話の時点では「メンバー仲悪いな〜」くらいにしか思わなかったけど、全部見終えた後に考えるとインヒョクがあそこまで怒る理由も理解できる。最初の世界は、本当に登場人物全員不幸だったんだな…。
ということであっという間にこんな長文に…。次回でどうにか登場人物編は終わらせて、エピソードごとの感想に移りたい…笑