夢語り㉑
(単なる夢の記録)
早朝、まだ暗いうちに、自転車で家を出た。
向かうのは神戸の方角(東)。自転車はすいすいと楽にこげる。海沿いの道の北側はなぜか原っぱばかりで、建物は見当たらない。祖父母の墓がある墓地が山の上に見えた。やがて街に着く。
土手のような場所から見下ろすと、土手を下りたところに踏切があって、数人の子供たちが線路の上でゴロゴロしている。遊び場のようである。
自転車を抱えて階段を降りようとしたところへ警官があらわれて、踏切に行くならそっちの坂を下りろと言う。ひどく傾斜の急な坂だ。「〇△さんでも下りるのが大変な坂だ」などと脅かされるが、意外にたやすく下りられた。
踏切の前に立つと、電柱にここらの地名が記されているのを見つけた。(芦屋市牟田)と書かれている。私はその街が気に入ってしまい、こんなところで暮らしたいと考える。
いつの間にか日が落ちていて、踏切にももう誰もいない。帰ろうとしていると、通りすがりの男が自分の家に泊まれと誘ってくれた。ついていくと、男の妻と幼い娘が、狭いダイニングキッチンでご飯を食べていた。タオルや下着を貸してやりなさいと男が妻に言う。この街から帰らなきゃと私は考える。
(1992年1月29日)
(注・芦屋氏牟田という地名は実在しません。たぶん)
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