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森田剛 坂本昌行 白鍵と黒鍵の間に キャメロット

白鍵と黒鍵の間に 

先ずは #白鍵と黒鍵の間に を堪能。予告編から想像していた作りとは異なりっていた。とはいえ、映画をみるときはまっさらな気持ちでみたいから、事前情報はあまり入れずに見ることにしている。だから、池松壮亮が一人二役なのも知らなかった。ガチャガチャした下世話な店(銀座というよりもっと庶民的なエリアにありそう)で始まり、そこに「あいつ」(森田剛)が出てきたのは新鮮だった。バンマスの演技が、笑いを取りに行く感じのアプローチで、え?そんな感じ?と思っちゃいました。「危険でセクシーで、濡れたアコースティックJAZZがブンブン鳴り響く怪しい」映画を勝手に想像していたからだ。でも、それ以降はすんなり没入しました。

1988年設定なので、自分がリアルに体験した時代を懐かしんだり、実際銀座のど真ん中ロケは難しいので、頑張って工夫してるなぁ、など裏メセンでみたりしつつ、とにかく森田剛が楽しそうに演じているのが微笑ましかった。あくまで主軸は池松壮亮メセンの話なので、剛はどう揺さぶりをかけてくれるんだろうか?と楽しんだ。描写もブラックコメディ風で、気楽にみることが出来た。

映画の白眉は、ジミー・コックス(Jimmy Cox)作の名曲(ベッシー・スミス、オーティス・レディング、ニーナ・シモン、エリック・クラプトンなどもカバー)、Nobody Knows You When You're Down And Out を池松壮亮、クリスタル・ケイ、高橋和也などバンドマンたちが真剣に演奏する場面🎹

ミュージシャンたちは誰しも自分の音楽で人を楽しませ、喜ばせたくて演奏し歌い、音楽をやっている。しかし、クラブの箱バンは、あくまで雰囲気作りのBGM。生活のため、いつしか売れるために店で演奏しているバンドマンたちが、プライドをかけてガチに演奏する描写、クリスタル・ケイの歌唱や、個々の演奏に、客が心身ともに夢中になってゆくシーンが感動的で、涙がでるほどでした。

そしてギタリスト、バンマス役の高橋和也はブレずに隙なくずっと素晴らしい存在感で、映画を引き締めていました。 @hakkentokokken@GoMorita_JP

The Godfather 愛のテーマ が流れるラストシークエンス以降は意外な展開で、ある種、アナーキーな志も感じ取れました。森田剛は頭で考えず、自由な発想で監督の意向に寄り添い、楽しんで演じていた気がします。そんな風に見えました。

John Lennon    森 田 剛

一ヶ所、ジョン・レノンへのトリビュートのような表現があった。これは、単なる勘ですが、「心の壁、愛の端 Walls &Bridges」というアルバムに、Nobody Loves You When You Down And Outという、タイトルをパロッた曲(劇中で皆が演奏する曲)があって(メロディなどは全く異なる名曲)、それでジョン・レノンを思い出した監督が森田剛でアレ(映画でご覧ください)をやったのか?単なる偶然か?なんてことを思いました。とか、ダラダラ書いていたら、ジョン・レノンと長野博誕生日10月9日になっちゃいました。博、51歳か〜めでたい🎉

HAPPY BIRTHDAY JOHN & HIROSHI !!

アルバムとは異なる未完成テイクだが、ジョンの声がリアルに響くパワフルなバージョンのNOBODY LOVES YOU ☟

キャメロット初日 日生劇場

キャメロット CAMELOT

坂本昌行 桐山照史 唯月ふうか 入野自由 今井清隆ほか
中世イングランドの都キャメロットを舞台にしたミュージカル 日生劇場

2023年10月7日に幕が開くミュージカルだ。稽古期間中に、未曾有の事件が顕在化した。そんな状況下でも人前で歌い、感情を駆使し演じ続ける。舞台は当然、生だ。きっと今まで直面したことがない難しい環境だ。嫌な雑音も耳に入ってくる。そこをくぐり抜てて舞台に立つ坂本昌行座長、桐山照史の心中は察して余りある、というか想像さえできない。もの凄いプレッシャーだということは分かる。数日前に、岡田准一の退所も発表された。井ノ原快彦は副社長として会見に臨んでいる。そんなとき、長野博を含む20th Centuryという3人組のグループの存在は、どんなに心強いことだろうか。色んな事や人々に人一倍、気を遣うリーダーにとって、集中を余儀なくさせる「舞台」という存在も、落ち着ける「居場所」なのかもしれない。今回のキャメロットは、そんなことに思いを巡らせながら初日の舞台を観た。

入場したら、緞帳の向こう側から、様々な楽器の調べが流れている。生オケの舞台は素敵だ。皆さん本番に向け、厳しい稽古を積んできたのだ。開演して、OVERTUREの演奏が始まり、徐々に照明が落ちてゆく。美しい音楽だ。

無邪気に登場したアーサー王は、実に若々しい。グィネヴィア(唯月ふうか)とすぐ恋に落ち「誰よりも賢く、勇敢で立派な王になる」と誓い、グィネヴィアを王妃として迎え結婚する。争いの絶えない世でも正義と公正さを信じ、武力ではなく法を統治することを掲げ、円卓会議を発案する。アーサー王は、優しさがそうさせるのか、ものごとを明確に言い切り、最高権力者として君臨する強い王ではない。フランス人騎士ランスロット(桐山照史)に惚れこみ、全幅の信頼を寄せるアーサーだったが、ランスロットは、あろうことかグィネヴィアを愛し合ってしまう悲劇的な状況に。アーサーは、二人の反逆者を死刑にすることが出来ず、、二人を赦すという尋常ではない巨大な愛情で皆を包みこむ。このふり幅の大きいキャラを、見事に昇華し、真実味をもって肉体化する坂本昌行の才能は、人間力あってこその賜物と言えるだろう。素晴らしい舞台でした。

KING ARTHUR

坂本昌行座長の素晴らしき歌声と大きな愛情に包まれた夜になった。体調に気を付けて、千秋楽まで頑張ってください🙏

P. S.
チャーリーとチョコレート工場 の会見の場で、質問に答える堂本光一の言葉を聞いた。

自分の知っている彼と違ったりする部分も自分の中ではあったりはするんですよね。ですけど、自分の中でも認めなきゃいけないんだろうなという風に思いますし、

心に刻まれたものに❌をつけて、十字架にして、今後は自分として表現をしていかなきゃいけない、と強く思っています。

複雑な想いを語る姿には、光一君がこだわってきた男らしさ、潔さが溢れていた。

「傷つくことでまた一つ、新たな表現を手に入れる」と作品の台詞にも出てくるけれど、その考え方はあらゆる芸事にも通底していると思う。苦悩や難関を乗り越えることでも強さや表現力を身につけ磨いてゆく姿勢は欠かせないだけに、今後の作品や仕事に生きてくるんだろうと思う。


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