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驚異の利益率8割のサイトコントローラービジネス

従業員1人当たり営業利益が高い企業を分析すると、どのようなビジネスが効率的で「美味しい」のかが浮き彫りになります。一般的に知られている有名企業が必ずしも高い利益を上げているわけではなく、時には無名な企業やニッチな分野に特化した企業が高い収益を生んでいることがあります。

今回取り上げるのは、手間いらず株式会社という会社です。上場しているので中には知っている人もいるかもしれません。社員40人程度の小規模企業でありながらも高い利益率を維持している企業です。

手間いらず株式会社のメイン事業

手間いらず株式会社のメイン事業は、宿泊業界向けのオンライン予約サイトを一元管理する「TEMAIRAZU」シリーズの開発および提供です。宿泊業の予約サイトはたくさん乱立しており、パッと思いつくだけでも、楽天トラベルやじゃらん、一休など多くのサイトから予約が行われます。昨今はインバウンドも重要で、アゴダやBooking.com、さらにはAirbnbなど海外予約サイトからの予約も管理できるようになっています。ホテル自身の公式予約サイトを設けている場合も多いです。

そういった別々の予約サイトから受けた予約をかみ合わせるのは骨が折れる仕事です。それを助けるサービスが「TEMAIRAZU」です。とにかくたくさんのサイトのAPIを繋ぎあわせて一本にまとめる、というアプリです。やっていることはシンプルですが、これが大きい利益を生み出しています。

TEMAIRAZUの実績

「TEMAIRAZU」はアマプラやNetflixと同様に月額課金制ととなっており以下の料金設定になっています。(2020年12月時点)

  • 初期費用 58,000円(一括)

  • 月額基本料金 20,900円~(室数によって変動)

このTEMAIRAZUが手間いらずの売り上げの柱で、全体20.2億円のうち20億円を占めていおり、前年比13.1%で成長しています(2024年)。なんと営業利益は16.1億円で売上の80%となっており、前年比で10.9%増加しています。大きな成長はないものの、安定して8割の利益を生み出すキャッシュマシンとなっています。

最近あったダブルブッキング

最近私は石垣島でのカヌー体験の予約をしたのですが、予約サイト上では空きがあったのに、予約後に連絡が来て、枠が埋まったので他の枠を案内されるということがありました。予約した会社にはサイトコントローラーが入っていなかったのだろうか?アクティビティ系の方はじゃらんやアソビューなどの予約サイトがありますが、こちらのタイプのサイトコントローラーはないのだろうか、、?

と思い調べてみるとActimやNutmeg、ウラカタなどそういうサービスは既にいくつかあるみたいです。これらも利益率は高いことが推察できます。

複数の予約サイトの一括管理というアイディアはそんなに目新しいものではないですが、利益率の大きいビジネスということがわかりました。

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