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レポ38:筑前大島灯台(2019/9/26)
『神宿る島』と呼ばれる世界遺産の福岡県宗像市の「沖ノ島と関連遺産群」。今回は太古の昔より神域とされてきた島に海の守り主として鎮座する灯台を訪れました。
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ38:筑前大島灯台(2019/9/26)
今回訪れる筑前大島(ちくぜんおおしま)灯台は、響灘(ひびきなだ)と玄界灘(げんかいなだ)との境界部の大島にあります。渡るには神湊(こうのみなと)港渡船ターミナルから「大島行き」のフェリーで渡る必要があります。
渡船でフェリーならば25分程度です。この日は曇天ですが、外海には美しい景色や島々が点在していますので、風景に見惚れている間に到着。
大島港では赤の防波堤灯台が2基でお出迎えしてくれました。
大島は名前の通り福岡県内の離島の中で最大の面積を誇ります。また島の大部分は丘陵地なので、西端の灯台までは中心部の御嶽(みたけ)を越えるか迂回かして行かなくてはいけません。
事前予約すればレンタカーも借りられるようですが、今回はレンタサイクルで行けるかなと思い、電動自転車を借りることにしました。
今回は滞在時間と土地勘が無かったので、左回りに島を半周して灯台へ向かうコースを選びました。
レンタサイクルのお店の人に灯台への行き方を聞いたら「灯台は上の方だよ」と言われました。
「上?上って何?」と思いましたが、走り出してすぐ体感しました。整備はされていますが道路はほぼアップダウンのある山道ばかりです。
この日は雨上がりで道路も濡れていたので、下りは特に危険でした。自転車で向かう場合はブレーキ必至で慎重に走ります。
一度海岸線まで下ったところが、夕陽の眺めが絶景で有名な津和瀬(つわせ)海岸でした。灯台まではもう一息です。
ここから灯台まで再び登り坂です。まあまあの高さまで登りました。電動自転車でなければ心が折れていたことでしょう。
登りきったあたりで、ようやく灯台までの案内標識が見えてきました。
とても素晴らしい景色。晴れていればもっと良かったんですが、雨に降られないだけマシですね。
下りカーブを曲がると、突然目の前に灯台登場です。この登場シーンには思わずテンション上がります。灯台までの一本道を走るだけで気持ちが良いです。
港からおよそ20分程で到着。灯台そばの駐車場に自転車を置き、ようやくご対面です。
筑前大島灯台は、まるで城門をたずさえたお城のような佇まいです。この均整の取れたシルエットの美しさは息を呑みます。
敷地の奥から岬の先端に出られます。
この日は視界不良でしたので見えませんでしたが、視界が良ければ岬の先端から約45km離れた世界遺産の沖ノ島が肉眼で見えるそうです。
ちなみに、大島と沖ノ島を結ぶ線をさらに北へ伸ばすと韓国釜山(プサン)に至り、沖ノ島との距離は約145kmとなります。
大陸と日本を結ぶ海の道を「海北道中(かいほくどうちゅう)」と呼ばれ、航海の難所である玄界灘を無事に渡るために沖ノ島で行われた祭祀の奉献品は国宝とされているとのこと。
岬から振り返ると灯台の「顔」がハッキリ見えます。
筑前大島灯台は第5等フレネルレンズを携え大正15年に設置されました。当初は「玄界大島灯台」という名前だったそうですが、現在は「筑前大島灯台」に改名されています。
ちなみに「玄界灘」とは「黒い海域」「北との境界をなす海域」という意味があるそうす。"玄"は「黒い」という意味もありますが、四神の玄武のように北を指す場合もあります。
灯台入り口には馬蹄岩へのルートがありますので、こちらにも進んでみます。
馬蹄岩へのルートは、始めは歩きやすかったのですが、途中から少し歩きにくい藪のような箇所もあり、夏場には服装を気をつける必要がありそうでした。
馬蹄岩がどこにあるかが分かりませんでしたが、絶景スポットには到着しました。
振り返るとこのような感じ。こう見ると結構歩いていますね。
灯台の周辺にに茂っている植物は「ハマヒサカキ」といって別名イソシバとも呼ばれる常緑低木が一面に茂っています。
小高い丘上の先端に立つ様が似合いすぎです。
日々、沖ノ島を見据えながら呼応するかのように近海を照らし続けています。
この後、余韻に浸る間もなく全力ダッシュで来た道を電動自転車で戻りました。
村上
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