【お知らせ】「灯紋(とうもん)制作権」の販売経緯
このたび、熱烈な「推し灯台」がいる灯台ファンや地域の皆さまに向けて、ネットショップのBASE(ベイス)で次の商品を販売開始しました。この記事では商品の価格設定理由や販売に至った経緯を包み隠さずご説明します。
◆販売商品(サービス)と価格設定
<販売商品および価格>
※クリックするとBASE(ベイス)販売ページへ遷移します
商品価格(税込)は、「灯紋の制作」は1基5,500円、「灯紋サポーター」は1口1,000円です。このお値段が高いのか安いのかは、購入される方のご判断にお任せしますが、この『続・灯台護プロジェクト』ではお金儲けの意思は1mmもありません。そのため、今回の売上で得られた収益は全て新たな灯紋(とうもん)制作費に充てられます。
ちなみに「灯紋の制作」は原価そのまま、つまり灯紋をデザインしてくださっている原田専門家さんへプロジェクトから依頼時と同じお値段です。+αの利益は上乗せしていません。むしろBASE(ベイス)手数料が上乗せされている分、赤字です(※その赤字補填として「灯紋サポーターになれる権」の収益を充てさせて頂きます)。
灯紋サポーターはご支援頂いた方のお名前をWebサイト上に掲載するだけなので、正直、1口1,000円はぼったくりのように感じるかもしれません。ただこれも勿論お金儲けするつもりはなくて「灯台ファンが特定の灯台を具体的に応援する仕組み」が世の中に少ないので、その一例をつくってみるという試みです(にも関わらず、サポーター代が他の灯紋制作に充てられる理由は後述します)。
何故「福岡県」と「山口県」という2県だけを販売しているかというと、商品を分けることで地元の方々がよりご興味をお持ち頂けるかなという意図です。単純にこれまで作ってきた灯紋数が多かったのがこの2県でしたから、今後、灯紋数が増えれば、対象商品も増やしていきます。
※なお2県の灯台以外でも、ご購入時にご指定頂ければお好きな灯紋サポーターにはなることは可能です
◆今は「灯台を応援する手段」があまりにも少ない
そもそも「灯紋」とは何かというと単なる灯台のデザインではありません。灯台をより身近な存在として、物語(コミュニケーション)のきっかけとして使って頂きたい、という想いで制作しています。
たとえば、灯台が好きな人でも「日本全国の灯台全てが等しく大好き」かというと、必ずしもそうではないと思います。やはり近所の灯台がお気に入りだったり、何気ない旅行先で出会った初めての灯台訪問体験の方が印象深かったりするわけです。
「灯台が好き」にもグラデーションというか灯台ごとに違いがあります。好きな音楽バンドでもメンバー全員を等しく好き、ということは殆どないでしょう。それと同じことです。
でも、今の世の中には「特定の灯台だけを具体的に応援する方法」や「特定の灯台への愛着度を示す具体的な指標」もこれといってありません。せいぜい自身のSNSで激推しするとか、何度も灯台を訪問してみるとかくらいです。だけどいくら灯台を訪問したからといっても、その灯台が未来永劫存在し続けることを保証するわけではありません。
◆迎えたいのは「好きな灯台を護れる」未来
別に世の中お金が全てだとは思っていません。ただこの先、灯台を護り続ける際の「手段」の一つにはなり得ます。
たとえば、現役灯台は「国有財産」で海上保安庁の管理下にあります。しかし、その役目を終えて廃止される灯台は、歴史的に貴重な灯台でなければ撤去され廃棄される可能性が極めて高いです。
現物を残すにも維持管理コストがかかりますからこの現実は致し方ありません。国が管理していく以上、財源(国民の税金)の話を抜きには語れませんから、予算(お金)はより必要性の高い事業に回されます。
灯台現物だけでも残したいと思った時に、地方自治体等が買い取って維持管理すれば保存できます。でも、それにも「予算(お金)」が必要なのです。そんな時に地域にお住まいの皆さんの中に「地元の灯台をお金を払って応援する」という文化自体がなければ、その手段自体を思いつかない可能性があります。そしてひっそりとその灯台は歴史の表舞台から消え去っていく。
今回の「灯紋の制作依頼する権」や「灯紋のサポーターになれる権」というのは灯台を護る手段として、直接的かつ効果的な打ち手になるとは思っていません。
だけど、少し先の未来に、灯台を護るための手段として「好きな灯台を自分たちで応援する」という文化を作る一つのきっかけになれば、という願いを込めた試みをさせて頂いています。何も動かないよりは試して考えてみよう、という気持ちです。
灯台応援のカタチは一つではありません。直接灯台周辺を清掃している方々もいれば、灯台訪問してその地域にお金を落とす方、灯台グッズを購入して遠方から、間接的に応援する方もいます。そんな方々の中に別の選択肢を設けたいと思い、このような商品を販売させて頂いた次第です。
そのため今回の収益は、灯台を応援できる方々を増やせる可能性のある「新しい灯紋の制作費」に充てさせていただきます。
当プロジェクトでは、「好きなものを好きと言える」「好きなものを直接応援できる」、そんな人たちをサポートしていきたいです。
「続・灯台護プロジェクト」企画運営より