レポ30:門司西海岸5号防波堤灯台(2019/6/13)
九州の玄関口、JR鹿児島本線の起点駅であるJR門司港(もじこう)駅。福岡県北九州市にあるこの街には関門海峡を往来する船舶を見守る防波堤灯台があります…
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ30:門司西海岸5号防波堤灯台(2019/6/13)
JR門司港(もじこう)駅はJR九州 鹿児島本線の起点駅で、大正ロマン漂う港町として観光地にもなっています。駅舎も貫禄のある佇まいです。
門司港のある地域は和布刈(めかり)地区と呼ばれていて、その由来は「ワカメ狩り」と言われています。『李部王記』という古事の中で「和布刈神事」で採集したワカメを朝廷に献上した記述が出てくるとのこと。
駅前の像は「和布刈神事」を行なっており、大松明、手桶、鎌を社殿前に備えて航海の安全と豊漁を祈願しているシーンです。
早速、駅近くの港から船島(巌流島)へ出発します。
渡船場そばには門司西海岸5号防波堤灯台が見えています。
船島(巌流島)への道中、巨大貨物船とニアミスし、少し焦りました。
進行方向右手の山口県側に目をやると遠くの方に下関岬ノ町防波堤灯台(赤灯台)が小さく見えました。そばにある高層タワーは関門海峡のランドマークである「海峡ゆめタワー」です。
15分ほどであっという間に船島(巌流島)に到着。正式な所在地は下関市大字彦島字船島と、山口県なんですね。
元々は舟の形に似ているため船島と呼ばれていましたが、付近の岩礁地帯が航海の難所のため三菱重工業が埋め立てました。
その結果、かつては17,000㎡だった敷地が約6倍の103,000㎡となり、現在でも一部は三菱重工業の敷地で立入禁止区域となっています。(以下画像の茶色部分)
巌流島の港から山口県の彦島方面に目をやると彦島導灯が堂々と並んでいました。導灯の隣に見えるのは三菱重工業下関造船所です。かつては船島の大半も所有していたそうです。
船島(巌流島)の南、福岡県側の岸辺にはかつて巌流島灯台がありました。1913年に初点灯し長年関門の船舶往来を見守ってきましたが、2003年に彦島導灯の設置により役目を終え、廃灯となりまた。
島の端には、かつてあった巌流島灯台のいた跡がありありと残っていました。現役の時に赤と白の縞模様の灯台姿を一目見たかったですね。
巌流島は武蔵と小次郎の決闘の地で有名な場所ですので、島内にはその銅像があります。
港に戻ると夕焼けに染まる防波堤灯台がお出迎え
せっかくなので、陸からも近寄ってみることに。船着場からぐるりと回り込まないと行けませんので、5分ほど歩きます。
防波堤には比較的大きめの船舶がズラリと停泊していました。
関門橋をバックに佇む姿は貫禄があります。
船の発着場2Fは休憩室になっており、西日に吸い込まれる船舶と防波堤灯台が見えました。
村上 記