レポ9:特牛灯台(2018/8/4)
おそらく多くの人が読めない難読地名であろう特牛(こっとい)。明治最後の年に山口県下関市で産声をあげた灯台も、平成最後の現代では忘れ去られようとしている。人知れずひっそりと山奥にポツリと佇む灯台を忘れてはいけない…
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、自身の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ9:特牛灯台(2018/8/4)
特牛(こっとい)灯台は山口県下関市北部にあります。合併前の名前は豊浦(とようら)郡豊北(ほうほく)町。その名の通り、西は響灘、北は日本海に面した自然豊かな地域です。
灯台の近くには本州最西端の道の駅とされる「北浦街道 道の駅 豊北」があるため、少し立ち寄ることに。展望テラスから外に目をやると和久漁港の先に山口県の有名絶景スポットである角島(つのしま)が臨めます。実は特牛灯台も米粒のような大きさですが白く見えています。
下に降りてみて和久港の灯台も眺めてみました。これまた写真では分かりづらいですがここにも特牛灯台がちっちゃく見えますので、灯台マニアは要チェックスポットです。
少し車を走らせ特牛港に到着。少し分かりにくい灯台入口から茂みを駆け上がり、クモの巣に引っかかりながら奥へ進んでいくと、少し開けた先にいました、特牛灯台です。チョコンと座っているかのような後ろ姿がキュートです。
特牛灯台は高さ約6mと小さいのですが、照射灯も付いるのが珍しい。これがまた第2の目のようなフォルムをしてます。照射灯が照らす先は眼下にある「特牛地ノ瀬」と呼ばれる危険な岩礁地帯上にある白柱です。
特牛灯台の銘板に目をやると、明治最後の45年1月15日に初点灯したようです。でも、よく市販の書籍等で紹介されている「明治期の灯台」一覧からは除外されています。
海上保安庁が指定する、現役の明治期灯台で歴史的・文化財的価値が高いとされる保存灯台にも指定されていない、少し可哀想な灯台なのです。
眼下の特牛港に降りると特牛灯台と岩礁の位置関係がよく分かります。また、特牛港南防波堤灯台も合わせて見ることが出来ます。
この防波堤からの夕陽がまた格別に綺麗で、観光客も滅多に来ないため、個人的に隠れた名スポットだと思っています。晴れた日に是非、訪ねて頂きたい。
夕陽を見つめる特牛灯台。でも、夏場はクモの巣やヤブ蚊が発生するため、服装にはくれぐれもご注意ください。また、暗くなると来た道が真っ暗闇になり、非常に危険ですので引き返す時間帯にもお気を付けて。
これからも人知れずひっそりと行き交う船舶を見守る特牛灯台。この灯台は本当に護りたくなる不思議な魅力のある灯台です。頑張れ、特牛灯台。
村上 記