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レポ37:太郎岩照射灯(2019/8/17)
大分県国東半島の種田(たねだ)。姫島からもほど近い山間部に囲まれた漁港の沖合に太郎岩(たろういわ)。今回は岩礁を照らすちょっぴりアートな照射灯を訪れました。
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ37:太郎岩照射灯(2019/8/17)
太郎岩(たろういわ)照射灯があるのは種田(たねだ)という小さな漁村です。徳山との連絡航路のある竹田津港と、姫島との連絡航路のある伊美港の中間地点にある、周囲を山間部に囲まれた場所です。
今回は国見中町の伊美側方面から向かいました。伊美川があるのは、こんなのどかな風景の場所。
カーナビに種田と入れてひとまず山道を走ります。自動車でないとここで挫折しそうです。
この峠の看板を直進します。鬼塚古墳という史跡があるようですが、まだ種田のかなり手前なので道なりに真っ直ぐ進みます。
ちなみに左手の道は竹田津港側へ出るルートになります。
種田という集落入口にあるこの場所。非常に分かりにくかったですが、この右の獣道が照射灯の入り口です。注意していないと見落とします。私も一度見落としてそのまま村に到着してしまいました。
車は何とか脇に置けそうな気もしますが、私は一度村まで向かい、村に車を置かせてもらってから戻ってきました。村からは徒歩で5分もかかりません。
意外と道幅の広い山道なので、歩きやすかったです。
入り口にはイノシシ捕獲用トラップの跡らしきものが。確かに野生のイノシシが出てもおかしくない雰囲気です。
2〜3分歩くと陽だまりの中に灯台の姿が見えてきました。
太郎岩照射灯は非常に独特な外観をしています。
それほど人が足を踏み入れないであろう、クモの巣だらけのこんな場所に、こんな曲線と直線を組み合わせた前衛的なデザインの灯台を何故建てたのか。技術的な問題なのでしょうか。
山の中から海上を照らすため灯高は45mあります。塔高も6.7mとそれなりに高く、周囲を歩けるスペースは殆どない狭い敷地でした。
灯台周囲は草ムラが茂っており、またクモの巣が張り巡らされているので照射灯本体は残念ながら確認出来ませんでしたが、真四角のハコの中に入っている様子。
灯台下から照らす先を見ると、緑が生い茂っており、とても海上から見えるとは思えませんでした。灯光は灯台の西北西約600mの太郎岩上の標柱を照らします。
…ということで、実際に下まで降りてみました。照射灯への入り口をそのまま直進すると小さな村があります。下り坂の途中に照射灯が照らす太郎岩の標柱が見えました。
村に着くと直ぐに漁港に出られます。海に向かって左側に大きく防波堤が延びています。
この防波堤を先端まで歩くと向かいの山頂上あたりに、ひょっこりと顔を出している白色の照射灯を見つけることが出来ました。
すぐそばには太郎岩標柱も見ることができ、改めて照射灯の活躍ぶりを実感することが出来ました。
今回は厳密には灯台ではありませんが、航路標識で大事な役割を担っている照射灯を訪れました。
村上 記
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