松本一哉 サウンドパフォーマンス「鐡冴ゆる」ツアー × 幸灯工房 まとめ
松本一哉 サウンドパフォーマンス「鐡冴ゆる」ツアーのうちの一か所として
2月21日(木) 幸灯工房(森の家)にて行われました。
今回ご縁があった経緯と、今回のライブをきっかけに感じた今後の森の家の活用の展望を含めまとめておきたいと思います。
昨年末に幸灯工房のHPに届いたお問い合わせメールから今回のお話が始まりました。
松本一哉さんは東京を拠点に活動している石川県金沢出身の音楽家、サウンドアーティスト、作曲家、打楽器奏者、ドラマー。
主に楽器ではなく、波紋音を中心とした音の鳴る造形物や非楽器を使用。
音階や旋律ではなく音の響きそのものや、音の流れに着目し、自然の中での演奏・録音からドキュメンタルな作品作りを行うなど、独自の音楽活動を展開。
自身の演奏と環境音とを繋げていき、空間全体を聴く事で表現する即興音楽は、打楽器奏者の枠を超えより自由に空間の成り立ちを提示できる数少ないアーティストとして様々な分野から高い評価を受けておられます。
プロフィールの詳細については前回のnoteで書いています。以下
https://note.mu/todaigaoka/n/ncdc18c7c6641
忠臣蔵の話が出てくる演劇を何度もやっていた経験から、以前から赤穂市を通過するたびに、赤穂市で演奏がしてみたいと思われていて、赤穂市で演奏をさせてもらえる場所はないかと調べていたところ幸灯工房のHPなどを見て空間を気に入ってオファーを頂きました。
添付されていたHPやYouTubeのアドレスから
経歴やパフォーマンスの映像を見て「これはすごい!」と思いました。
ただ森の家にどれだけ集客できるのかが心配でした。
正直に松本さんにお伝えしたところ、とても快いお返事を頂いたので、そう言って頂けるのならとお受けしました。
赤穂で演奏したいと思って頂いた中で、縁あって幸灯工房に行きついたからには、赤穂に来て演奏して良かったと思って頂けるように、私のできる限りのことはしようと思いました。
特殊なジャンルではあったので、皆さんに興味を持ってもらえるかという事があったので
Facebookのイベントページだけでは弱いと思い
チラシを作成して、興味を持ってくれるような方が来そうなお店やイベントを回り、直接説明して「素晴らしい演奏なので是非YouTubeを見て下さい」と伝えたところ、直接お話した方はかなりの確率で興味を持ってくれて来て下さいました。
平日という設定と場所柄どの時間帯にどのお客様が来てくれるか読めなかったので選択できるように2部制にしませんかと提案して
幸灯工房だけ昼と夜の2公演にしてもらいました。
結果的には夜を選ばれた方がほとんどでしたが
夜に来れない方がお昼の公演に来れた形になったので良かったかなと思います。
夜の部は部屋がいっぱいになり満員御礼でした!
そして幸灯工房でするからには
幸灯工房ならではの演出で他とは違う雰囲気を味わってもらいたいと思いあかりとのコラボという形にさせて頂きました。
あと、松本さんが演奏する座られる場所に赤穂緞通があったらいいなと思い、赤穂緞通工房 六月の阪上梨恵さんに古緞通を借りる相談をしたら快く引き受けてくれて、客席分も合わせて選んでくれました。
セットの下に敷いている赤穂緞通は
代表的な「網利剣」の柄。通称「忠臣蔵」と呼ばれているそうです。
松本さんが演劇で忠臣蔵の題材に携わって赤穂での演奏を希望された経緯から梨恵さんが合わせてセレクトしてくれました。
森の家にはもともと古緞通があるので、森の家らしい、赤穂緞通が敷き詰められた空間になりました。
夜の部では、森の家に上がる階段が暗いので
私のKODAMAという作品でアプローチを灯しながら誘導し、中の演出に繋がるようにしたので、昼とは違った雰囲気を楽しんで頂けたかなと思います。
演奏は始まるとノンストップの約60分の即興演奏。
その場の雰囲気や空気感、場の音などを感じながら表現する。。
実際、私は昼と夜の2公演聴きましたが、全く違っていて興味深かったです。
チラシのコメントにあった
「音の響きそのものを空間に溶け込ませて、類をみない音の世界へと誘います」
本当に類をみない音の世界という言葉がぴったり!
メロディーではなく、音そのものを感じる時間。
目を閉じて、音に集中し、体感し、心地よい、瞑想しているような…それは新たな経験でした。
素晴らしい演奏の後の交流会
波紋音や銅鑼の聴いたことのない音に皆さんからたくさん質問が出ました。
波紋音とは古くからあるものでも、楽器でもなく、現代の彫刻家、斎藤鉄平さんが水琴窟の音に触発され、創作されたものです。
鉄を鍛金で丸くし、打面に溶断でスリットが入れられており、一つの波紋音からいくつもの音が出る仕掛けになっています。
今回このような機会を頂いて、森の家には音楽が合うな…と再確認。
松本さんは自然の音を録音し、制作されているので、森の家のまわりの竹のあたる音や風の音が気に入られたようで、今度は録音をしに来たいと言われていました。
そのように制作活動の場に使ってもらうのは、森の家の理想的な活用の形ではないかな…と思います。
また夜の部で奇跡的な出会いが!
なんと以前、音楽イベントの企画で松本さんに何度か出演してもらったという方が、森の家から車で数分のところに住んでおられて
松本さんとSNSで繋がっていたことから、今回のライブを知り、当日参加して下さったのです。
「まさかこんな近くで松本さんのライブが見れるなんて」とびっくりされていました。
そして今回のライブで森の家の存在を知り、空間をとても気に入って下さって
こういったライブをさせてもらえるのか?との問いに色々お話をさせて頂きました。
幸灯工房のあかりの演出にもとても興味を持って頂き、何か企画を考えますと!
なんだか急に森の家のこれからが見えてきた気がしました。面白い展開になるんじゃないかな…
幸灯工房が森の家に拠点を構えた事から始まったように、この御崎エリアがクリエイターの拠点になるように…と始まった事が
スタートしてもうすぐ2年…ようやく本来の思いに沿った形になりつつあるのかも…とワクワクしています!
音楽や撮影など…そういった場所を求めている人達に向けての情報発信をこれからしていこうと思います。
私は自分の個展などでもいつも感じている事なのですが、必ず毎回新たな出会いがあって次に繋がって行きます。
この意味があったんだな…とか。
まさに今回もしっかり未来へ繋がる意味のあるものでした!
森の家が音楽・アート・パフォーマンスの発信の場になる…
森の家から作品が生まれる…
素敵じゃないですか!!!
幸灯工房wrote
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