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冬の一日

仕事場から10分の施設に要介護度5の母を預けて、三度目の冬を過ごしている。この近さなら仕事の合間にいつでも逢いに行けると思ったのだが、私は赤穂段通という悪魔に魂を売り渡した身の上であった。その僅かな時間を機から離れる事ができない。
本当に久しぶりに窓から海を見晴らす施設に行った。母とはあまり会話ができない。しばらく枕元で過ごしていると、気がついたらウトウト眠りこんでいる。娘が来ていることに気づいているのかどうか、だがそれなりに平和なひと時を過ごす。

帰りがけに仕事場から5分の海辺の梅林に立ち寄る。今年は開花が遅れているのか、まだちらほら咲きだった。ここもすぐ近くなのに、もう咲いたかなぁと思いながらも、なかなか訪れることができなかった。
ひさびさに悪魔の呪縛から解放されたので、勢いがついて、仕事場から3分の若手が最近仕事始めたのになかなか訪れることができなかった工房にも立ち寄る。外に出るともう日暮れでマジカルアワーの光景が広がっていた。

赤穂段通工房ひぐらしwrote #海辺の田舎暮らし

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