特集「引き寄せの法則は人生を救うか」その10 感想文『願望物質化の「超」法則』
前回に引き続き今回も所謂「引き寄せの古典」みたいな本の感想をかいてまいります。
今回は『願望物質化の「超」法則』という1921年に書かれた本。
ブック・タフにて100円で購入した後放置しており、捨てる際に読み返したらなかなか興味深いことが書かれていたのでここに書いてまいります。
「良い気分」なんかになるな
本書の前半は著者のナンタラ・レーベン(仏系米国人)が、イギリスのトロワード判事という、なんかガンダムWのスネオヘアーに似た名前のオッサンに弟子入りする為、2万ドル(現在の2億円)をビジュアライゼーションによってゲットするというお話。
※そういやガンダムW、アマプラで見たけどつまらないので10分でリタイアしました。やっぱ富野節がないガンダムはあかんわ(まぁターンAは富野節あるけど好きじゃないが)。高山みなみのデビュー作?である主題歌だけは良いと思いました。
そんなエピソードの中で注目すべきは以下の内容。
…
へぇっ!?
引き寄せってそうなのー?
「興奮から自由になれ」だなんて、全く逆じゃないか。
やれ「良い気分になれば良いことが起きる」だの「ワクワクしよう」だのと大嘘抜かしているインチキセミナーの教祖の皆さん、またそれに騙されている頭の悪い皆さん、息してる?
「既に持っているならば、なぜ興奮しなければいけないんだい?」と以前の記事に書いたけど、その通りのことが書いてあるじゃないか。
本書内にある「興奮」というのは所謂「エゴの興奮」のことでしょう。
そんな興奮あっても何の得にもならないのですが、なんか現在の引き寄せ界隈はこの「エゴの興奮」があれば願いが叶うみたいな流れになっていて、カモを引っ掛けるようになっていますな特にキラキラ☆ハッピー系。
あと、
なんていう、やっぱり↑の記事で私が書いた通りのことがかかれてあり、たまげてしまいました。
まぁこの「自己の存在を知る」ことが下手したら10年単位でかかるし、99%の人間はチラ見することもなく一生を終えるだろうし、何より本書にはその方法が書かれていないんやけどなブヘヘヘ。
引き寄せの歴史
前回のワトルズの本もそうですが、元々引き寄せには「気分」「感情」なんていう不安定なものは関係なかったのに、一体どうしてこうなってしまったのでしょうか。
本書に出てくるトロワード判事はイギリス支配下のパンジャブ州で判事をしていたとのことで、ここから私の勝手な推論を述べると、
インドを支配していたイギリス人がインドの文化や思想と出会い、それを本国に持ち帰った、その後キリスト教とかとミックスされたものが出来上がり、イギリスから同じ英語圏のアメリカに渡った。
そんな感じでアメリカに行ったのでしょうが、シャンカラの教えやラマナの教えとか読めば分かるけど、ああいうインド哲学ってキリスト教を盲信する一般的なアメリカ人の知能レベルでは理解できない(偏見)だろうし、
宗教もそうだけど、バカを引っ掛けるためにはもっと分かりやすくしてバカの欲望を掻き立てる必要があったってことでしょう。
しかもラマナとかの古来よりある教えじゃ金にならないし。
そんなわけで現代になって、やれ「良い気分」だの「ワクワク」だのとバカにも理解でき、しかも「良い気分でワクワクなら良いことが起きる」なんていう欲望を掻き立てる概念をでっち上げる輩が出てきて、
その極めつけがエイブラハムやバシャールや『ザ・シークレット』だった、というのが正直なところなのでしょう。
結局何が言いたいのかというと、
「気分」「感情」「ワクワク」などといった一時的な移ろう不安定なものを主題としている輩には気をつけよう!
同じ引き寄せでも、読むなら本書や『お金持ちになる科学』や『マスターキー』といった、歪曲されていない古典の方が何百倍もマシだしうまくいけば効果出るかもしれない。
というか、そんなの読まずに『ウパデーシャサーハスリー』や『私は誰か』とか読んだ方がいい。
ということで、今回はここまで。