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東大式、卒論の書き方について


なんかTwitterで「卒論の書き方について書いて」とリクエストを受けたので、当時を思い出しながら書いてみます。
そういや卒論の期限が確か正月明けくらいでしたので、よく考えてみりゃあと2ヶ月くらいでございます。

ただし、「書き方」なんていっても私自身のケースしか知らないので、終始見苦しい自分語りになりますし全く参考になるとは思えません。

しゃあっ 卒論・優!
恩師がご存命、どころかいまだ現役のようなので、恩師の名誉のため研究室は伏せます。この紙切れは前にも見せましたな。

(駒場から)もう始まってる!

そんな卒論なのですが、実は東大の場合、1年の頃から卒論の練習が始まっているのであります。

どういうことかというと、今はどうか知らないけど、駒場の教養課程において、理科では基礎実験があるように、文科には「基礎演習」なるものがあり、
自分の興味のあるものについて調べて1人1人が皆の前で発表し、教授やクラスメイトのツッコミを受けるという、コミュ障にとっては地獄のような授業があるのであります。

  • 自分の興味のあるものについて調べる

  • 調べた結果をまとめる

というまさしく卒論の為の「基礎」を1年の時からやるので、卒論も同様にこなせば良いし、コミュ障を自覚している受験生諸君は、東大に入ったら否が応でも矯正させられるから安心しぃ、ということであります。

これも今はどうか知らんけど、授業の最終日、全員の発表が終わった後、そのまま教室で飲み会をやりましたな。もろちん教授のおごりで。

Y先生その節はありがとうございました。

本郷での演習

次に本郷の各研究室に進むと、「演習」なるものがあり、まず手始めに自分の興味のあること(ただし研究室に沿った内容)について調べ、またもや皆の前で発表するという授業があります。

4年の夏学期か冬学期か忘れたけど、最後の最後で「私はこういうテーマで卒論書くで」という発表もありました。

なんか「自分で調べて皆の前で発表する」という授業ばかりだった気がするで東大って。

それが終わった後に、駒場同様本郷でも、教室で飲み会やったのを思い出しました。もろちん教授のおごりで。

S先生その節はありがとうございました。

ただS先生は少々アルハラ気味で、私が飲めると知ってかジャンジャン飲まされ、タダ酒ほど美味いものはないと私も大いに飲み、帰りの丸ノ内線で気分が悪くなって途中の霞ヶ関のトイレで盛大に下呂をぶちまけたのでありました。

当時の丸ノ内線って微妙に上下振動するから色々突き上げてきて飲み過ぎにはキツかったですわホンマ。同じ赤い路線なら今の御堂筋線の方がよっぽどマシやね。

卒論の書き方

そんな自分語りしかできないのですが、そういう経験から私なりの卒論の書き方を簡単に述べると以下の通り。

1.自分の興味のあることを見つける

まずこれ。その研究室に進んだからには何かしらの興味があるのだろうから、何でもいいのでそれを見つけましょう。

2.徹底的に調べて資料を揃える

その興味のあることを徹底的に調べましょう。所謂「学術的な本」だけに限らず、雑誌、漫画、ウェブ上の情報、あらゆる媒体を駆使して調べましょう。
調べたことはそれぞれまとめておきましょう。それを卒論に用いるか用いないかは後で決めればいいので、とりあえずまとめるだけまとめて資料にしておきましょう。

※注意:私が言うまでもないことですが、調べたものを卒論に用いる場合、必ず参考文献として巻末に載せましょう。無断でパクった場合どうなるかは知りません。多分教授陣に囲まれ説教されて不可になるんじゃないの。

3.卒論の構成を考える

資料が揃ったら、卒論の構成を考えましょう。
基本的な構成は以下の通りでいいでしょう。

イ.まずなぜ自分がそのテーマに興味を持ったか、延々と自分語りをする。「きょう、ママンが死んだ」レベルの書き出しだとインパクトあって受けるかも。

ロ.調べた資料を元に色々書く。一方の視点から一通り書き、次に異なる視点から書き、その2点、あるいは複数点から「何か」を導き出してみる。所謂アウフヘーベン的手法やね。

ハ.前項で導き出した「何か」について自分なりに肉付けして、本論文の結論とする。明確な結論が出ずとも「本校を卒業後もこのテーマについて考察していきたい」とか書くと受けが良くなるかも。

4.プリントアウトして製本して提出する

こんな感じで卒論を書き、推敲後にプリントアウトして生協の製本機で製本して教務課に提出すれば万事OKであります。

なんか製本していた時、他研究室の学生が私の5倍以上の厚さの卒論書いているのを見かけて大いにたまげた覚えがありますが、別に沢山書いたからといって優がもらえるわけではないというのは、私の成績が証明しております。

予備で取っていた卒論の受付用紙。割印を押された後に右の受領証をもらったはずだが、どっかにいきました…
これも予備でもらった卒論の表紙に貼る票。なくしたら卒業できなくなるからね。しょうがないね。

5.教授との面談

最後は卒論についての教授との面談(口頭試験?)があります。
うちの研究室の場合は教授4名に対して私1名でした。

この面談がある頃には、就職活動も終わって面接には慣れているだろうから、自分の書いた内容をど忘れしなければ大丈夫でしょう。

逆に誰かに代筆してもらったりどっかからパクったりしてたらバレて不可になるかも。

理系の場合は…?

以上、「1年の頃からやってきたことを活かして書けばよい」というのが私なりの卒論の書き方なのですが、理系の場合はどうかというと、

  • 文章よりも数式書いてりゃいい。

  • 文系よりも短くてOK。

  • ただしデータ処理等の基本には忠実に。

というのが個人的な見解。

以前、不肖の弟が荷物を送ってきた際、書き損じのレポートを丸めたものを緩衝材にしていたのですが、広げて読んでみるとわけの分からん数式ばかりで意味不明、「トカマクって何?トカシキなら知ってるけど」なんて思った記憶があります。

なので実験および考察した結果等を書くだけで良いと思うのですが、1年の時の基礎実験で学んだ基礎、標準偏差なりナントカ平均なりのデータ処理はきちんとやりましょう、ということであります。

まあこれは旧帝大レベルの話で、理系は理系でも今どきのFランだと、

「塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜてみました!」
「濃硝酸と希硝酸の違いについて調べてみました!」
「ニールス・ボーアとアインシュタインの意見の違いについて調べてみました!」
「いかがでしたか?」

などという卒論を書いても、ウンザリした教授が半ば追い出す形で単位くれそう、などと偏見に満ち満ちたことを書いたところで、今回はここまで。


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六郎
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