データドリブンの重要性:部署内セミナー⑥『顧客視点から考えるFAB式アプローチ』#オープン社内報
後輩たちと共に顧客視点を強化するために始めた部署内セミナー。
6章に分けて学んできたことも最終回を迎えました。
各章についてはこちらからご覧いただけます
序章:始めた目的などについて
2章:既存認知、つくってみる
3章:FAB・ペルソナ像について(座学
4章:草案作成と意見交換
第5章:データドリブンと顧客インサイトの活用
こんな感じにこれまで5回ほど行ってきた部署内セミナー。
メルマガの配信日に合わせて商品ページを作って行くというスケジュールを組んでいるので、割と余裕がありません。
5章では当初予定していた6章『実際に商品ページと、メルマガを作ったものを発表する』を交えて行う事にしました。
各自が作ったものがどういうポイントに置いて作成しているのかや、データドリブンの活用方法等を伝えていきます。
各成果物をそれぞれ発表する
後輩其々が担当している物を実際に発表してもらいました。
後輩くんが担当しているのは商品ページ作成、後輩ちゃんが担当しているのはメールマガジンです。
ちなみに・・・・
メールマガジンではお悩み解決をテーマに商品を2品番紹介しています。
これまでのメルマガはこちらからご覧いただけます
https://note.com/todahifuku/m/m7b7a0c0da8e4
前回の3章において、メールマガジンや商品ページ草案を作成時に『訴求ポイントが似ている商品』を2品番選びました。
3章では、その訴求ポイントが当てはまるお悩み事を持つ方(ペルソナ)に『どういった言葉をかければ注目してもらえるか』を話し合いながら、共同で草案を作成しています。
そのテーマにそって後輩ちゃんはメールマガジンをつくり、後輩君は商品ページを作りました。
作成した商品ページ
https://item.rakuten.co.jp/toda-hifuku/39290/
顧客ニーズ確認
商品の共通の大きなテーマとしてあるのが『加齢に変化により服に窮屈さを感じている方にむけて快適さを提案』です。
今回の商品の共通点は下腹部に対してどうであるかを訴求しています。
もう一つの商品
どちらも『お腹の出っ張りが気になる』方に向けて訴求していますが、訴求の仕方をそれぞれ変えています。
着用シーンや、商品の持つイメージなどから選ばれるお客様層が異なる為『どういう風に魅せたらいいか』を考えながら作成しました。
このふたつの商品を纏めて一つのテーマで紹介しているメールマガジンが、弊社楽天ショップで毎週配信している『スタッフあわねのお勧めマガジン』です。
作成したメルマガ
『お腹がキツイを着心地と見た目で解決する2つの提案』と件名でこちらもお腹周りをテーマに作っています。
其々がどういう風に考えて作ったかの発表をし、意見交換をします。
良かった点を主に言いがちになりますが、気になった点等はどんどんツッコんで訊いていきます。
商品ページはFABの流れではなく、大まかにBAFの説明の流れで作るので、その流れかどうか、訴求する相手に向けての表現になっているかどうか、ポイントは彼方此方に飛んでいないか等々。
メルマガは大まかにFABの説明の流れで作るので、同じように流れがどうか、訴求する相手に向けての表現になっているかどうか、同じように考えます。
例えばメルマガの商品説明部分
F:Future(特徴)
お腹周りはゴムがよく伸びる
A:Advantage (利点)
ゆったりとはくことができます
B:Benefit(利益)
締め付け感も少なく、はき心地楽ちん
といった具合に説明文がFABに沿っている事が判ります。
商品画像でいえば
『おなか楽』とB:Benefit(利益)からまず最初に伝えられています。
そんな風に決めた流れに沿っているかどうかを互いに確認しあいながら、メルマガと商品ページの文章のズレや、そもそもの対象顧客(ペルソナ)に向けての言い回しや訴求ポイントがどうであるかを話し合いました。
セミナー始める前に39290の品番商品は販売開始したばかりだったのですが、即売れたようで報告が上がってきました。
「本当に売れた・・・」と後輩がビックリした反応を示してくれていて、即実体験出来たことは、セミナー主催した私としてもとても良かったです。
データドリブン
さて、ここまではこれまでの顧客情報を元に私が持っているデータでフォローしながら草案作成や、商品ページ作成・メルマガ作成等を行ってきました。
これからは後輩たちが自分でデータを活用していく必要があります。
データドリブンとは
データドリブン(Data-driven)とは、意思決定や戦略策定の際にデータを活用し、客観的な情報や洞察に基づいて行動するアプローチや手法を指します。
データドリブンなアプローチでは、主観や勘だけに頼るのではなく、データから得られる情報を重視して意思決定を行います。
自分たちが考えたものはそれぞれの主観や勘で作られたものになるので、それが正しいかどうかを検証する必要があります。
自分たちが考えた元になる根拠です。
これまでお客様と接する中で培われたものを元に作っているので、大きなずれはないでしょうが、そこに根拠がないまま突き進んでいってしまうと、最初は小さなズレだったとしても、やがて大きなズレになっている可能性もあります。
ですので根拠はとても大事ですし、他者に成果物等の説明をする時に絶大なる自信につながります。
データドリブンの考え方
1:データ収集
適切なデータを収集し、情報のベースとなるデータセットを作成します。
これには、市場調査、顧客のフィードバック、ウェブサイトやアプリのアナリティクスデータ、購買履歴など、さまざまな情報源を活用することがあります。
2:データ分析
収集したデータを分析し、パターンや傾向を把握します。
統計的手法やデータマイニング(収集された情報のなかから傾向や関連性を見出す分析手法)などの解析手法を使って、意味のある情報を抽出し、洞察を得ることが目的です。
3:洞察の発見
データ分析を通じて得られた洞察や傾向を活用し、問題や機会を特定します。顧客のニーズや行動パターン、市場のトレンドなどを理解し、ビジネスの課題に対して具体的なアプローチを見つけ出します。
これまでのやり方であれば、商品の訴求ポイントを顧客のニーズに合わせて考えていくことですね。
4:意思決定と戦略策定
データから得られた洞察をもとに、意思決定や戦略策定を行います。
データを基にした客観的な情報を持つことで、リスクを最小限に抑えつつ、効果的な戦略を立てることができます。
5:モニタリングと改善
実施した戦略や施策の結果をモニタリングし、データに基づいたフィードバックループを作ります。
データを継続的に収集・分析し、改善点や効果の確認を行いながら、戦略を最適化していくプロセスです。
データドリブンなアプローチの利点は、客観的な情報に基づいた意思決定ができることや、効果的な戦略の立案・改善が可能になることです。
活用すべきデータポイント
自分たちが作った成果物で『ここは根拠をしっかり持ちたい』という部分は必ずあるはずです。
根拠を持ちたい箇所に関して何を調べたらいいのか、どう調べたらいいのかを後輩たちにレクチャーしました。
基本的にアナログな戦法で泥臭いやり方なんですが、確実なのでそれを伝えました。
今は便利なツールなども沢山あるんですが、私はアナログに掘り起こすタイプの方が性にあってるのでそれらを伝えました。
そうやって必要なデータを漁っていくうちに(そこのピンポイントデータにかぎらずですが)見えてくるものがあります。
それらについても後輩たちに説明しました。
これは今作っている成果物に対してというより、別方向に広がる大事な視点となります。
データを見ているとお客様の生活背景だったり、隠れた悩みだったりが見えてくる事がありまして、そういった悩みに対してお客様本人も気づいていなかったりするんですね。
そして、そういう悩みに対する解決方法を我々が持ってたりする場合があります。
それこそが顧客インサイトの掘り起こしです。
顧客インサイトとは
顧客インサイト(Customer Insight)は、顧客の行動、ニーズ、態度、意見などを深く洞察することで得られる、顧客が認識していない欲求の事です。
顧客インサイトを得ることにより、以下のような情報を把握することができます。
顧客のニーズと要求:
顧客が求めている製品やサービスの特定の要素、利点、機能についての理解や洞察を得ることができます。これにより、製品やサービスの開発や改善において、顧客のニーズに応えることができます。
購買行動とパターン:
顧客が製品やサービスを選ぶ際の意思決定プロセスや購買行動の理解を得ることができます。これにより、マーケティング戦略や販促活動の最適化が可能になります。
好みと嗜好:
顧客の好み、嗜好、ライフスタイル、興味関心などを理解することができます。これにより、ターゲット市場の区分やパーソナライズされたマーケティングの展開が可能になります。
満足度と顧客体験:
顧客が製品やサービスを利用した際の満足度や体験についての洞察を得ることができます。これにより、顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティの構築に貢献します。
顧客インサイトは、マーケティング、製品開発、カスタマーサービス、戦略策定などのビジネス活動において重要な情報源となります。顧客のニーズや行動を深く理解することで、顧客中心のアプローチを実現し、競争力のある製品やサービスを提供することができます。
データドリブンと顧客インサイトの活用で得られるもの
データドリブンで自分たちが作ったものの根拠を確認していくうちに、どんどんお客様の事が判っていき、ペルソナ像が深まっていきます。
ペルソナ像が明確になっていく事で、何を伝えるべきか、どう伝えるべきかがわかり、よりお客様に沿った情報提供が出来るようになります。
商品が持つ訴求ポイントと、ペルソナ像が持つ訴求ポイント、それらが一致するものを見つけることで、よりニッチな戦略が可能になってきます。
思い込みだけで走ってしまっては顧客目線を欠き、お客様を置いてきぼりにしてしまいます。
常にお客様の側に立ち続けながら、何をどう伝えたらいいのかを考えて提供し続けることこそが私が一番伝えたかったことです。
だからこそ、顧客視点から考えていく必要があり、効果的な伝え方を学ぶ必要がありました。
全6章に渡った部署内セミナー『顧客視点から考えるFAB式アプローチ』
これで無事に終了です。
次に繋がったセミナー
そんなわけでスキルアップを目指して始めた部署内セミナーです。
今回やってみて、次にここをやった方が良いなと思う事が出てきました。
①コピーライティングと言語表現のトレーニング:
商品ページやメルマガで使う効果的なキャッチコピーの作成法
読者の関心を引き付けるストーリーテリングの技術
言語表現の工夫と具体性をもたせる方法
②データ分析と効果測定の手法:
ウェブアナリティクスや顧客データを活用したマーケティング分析の方法
コンバージョン率やクリック率などの指標の意味と解釈
A/Bテストや効果測定の手法とツールの活用
③パーソナライズドマーケティングの戦略:
ペルソナに合わせた個別化マーケティングの重要性とメリット
ユーザーセグメンテーションとターゲティングの手法
パーソナライズドコンテンツの作成と実践
④メールマーケティングのベストプラクティス:
メルマガの配信頻度やタイミングの最適化
ターゲットメールとオートメーションの活用方法
メールのパフォーマンスを向上させるテクニック
今のところ思いついているのは4つぐらいです。
後輩たちに意思確認したところ、やってみたいという事なので、まず①をやってみようと思います。
こちらも全6回の工程に分けてやっていきます。
第2回部署内セミナー草案
まだまだ草案なので修正しますがこんな感じに考えています。
1章: コピーライティングの基礎
コピーライティングの重要性と役割の復習
ペルソナ像とお悩みの理解の重要性の強調
FAB式アプローチとペルソナ像の組み合わせによる魅力的なコピーの作成方法
2章:ペルソナに沿った言い回しの作成
ペルソナ像の詳細な分析と洞察の重要性
ペルソナの言語や表現スタイルの特徴の把握
ペルソナのお悩みに焦点を当てた言い回しやキャッチフレーズの作成方法
3章: ペルソナの心理的ニーズへのアプローチ
ペルソナの心理的ニーズの理解と分析方法
ペルソナの欲求や目標にアピールする表現方法
ペルソナの痛みや不安を解決するBenefitのポイントの見つけ方
4章: エンパシーを持ったコミュニケーションの構築
ペルソナとの共感を生み出すストーリーテリングのテクニック
ペルソナの言葉遣いや表現スタイルの模倣の効果
ペルソナの感情に響く言葉遣いやフレーズの活用方法
5章: ペルソナとのダイアログ構築
ペルソナへの質問やフィードバックの重要性の説明
ペルソナの声や要望に応える言い回しの作成方法
ペルソナへの提案やアドバイスの具体例の紹介
6章: 効果測定と改善
ペルソナに対するアプローチの効果測定の重要性の説明
ペルソナに関連する指標の設定と分析方法について具体的解説
ペルソナの反応や成果に基づいた改善のアプローチや戦略の提案
前回学んだFAB式アプローチをベースにしつつ、よりペルソナに沿った言い回しやアプローチ方法を具体的に学ぼうと考えています。
各章の中で、前回のセミナーで学んだコンセプトを復習しながら、より具体的な例や演習を通じてペルソナに対するアプローチ方法を探求する感じです。
各回のセミナーでは、今回同様実践的な演習や具体的な事例を通じて後輩たちが理解を深める機会を設けます。また実際のビジネスシーン、主にお客様の問合せ対等などで応用できるように、具体的な課題や状況に対するアドバイスやフィードバックも行えたらいいなと思います。
私自身のスキルアップにもつながりますし、やってみます。
色々準備などは大変ではあるんですが、今回みたいに「売れた・・・!」という喜びを共有できるのはとても良い循環を生んでいくので続けたいところです。
長くなりましたが最後までお読みくださりありがとうございました。
ちょっと準備期間に入るので、またセミナー始まったら記事にしてお伝えしたいと思います。
戸田被服株式会社
新井 美晴