ダイアログインタビュー ~市井の人~ 内田雅人さん「私が動く理由」4

――「こどものつばさ」は相変わらずいつも忙しそうですね。

内田 年中忙しいわけじゃないけど。今年の夏は保養受入れの申し出が全部で25団体あって、520人くらいの子どもたちがそれぞれのプログラムに参加したな。

――団体数も参加人数も少し減った感じですか?

内田 年々少しずつ減ってるね。毎年今年くらいの規模は保ってるけど。
でも、例年お付き合いしている団体で、今年になって参加人数を倍増させてくれた団体もあるんだよ。ありがたい話だよね。初めの年(2011年)は約1000人くらいの子どもたちが参加してる。

――震災の次の年だったかな?保養プログラムの説明会に私も参加したんだけど、さくらホール(鹿島区にある500人収容のホール)の客席が親子連れで満席になるほどの盛況っぷりで!保養プログラムを組んでくれた県外の支援団体が3~40団体も、会場の来場者に向けて「こんなプログラムで子どもたちをお迎えします」というプレゼンテーションをしてました。
内田 あ~初めのころはそんなスタイルで説明会をしていたね。最近は隣の万葉ふれあいセンターの大会議室でやっているよ。

――県外の団体からの保養の誘いって減ってるんですか?

内田 減ってるね~。声をかけてくれる団体の数も、30団体くらいはあったんだけど、今年は25団体になってるしね。それに、一つの保養プログラムでの募集人数も減ってるし。逆に増えてるところもあるんで、単純にプログラム数の目減りした分募集人数の総数が減ってるとは言えないんだけど。

――継続して誘ってくれてる団体もあるんですか?

内田 あるある!

――そういった団体とのスピンオフ企画なんかもあるんですか?

内田 そういう交流の必要性は「こどものつばさ」の中でも話されてて、「同窓会企画」みたいな企画はある。そこから発展するところまでには至ってないんだけど。「呼んでもらうだけじゃなくて、向こうから来てもらう」みたいな。例えばピースボートも、初年度から数えると、延べ100人くらい参加してる。船に乗る企画が今回で4回目だし。船に乗る企画の引率を毎回僕がやってる。船に乗らない企画もあって、飛行機でベネズエラに行ったりオーストラリアにホームステイしたりもしてるし。合わせて100人ほどにもなるこれまでの参加者に対して「何かしよう」という事で「大同窓会を開きます」と銘打って、案内状を郵送して、去年それを開催したんだ。蓋を開けたら、参加者は20人ほどだったんだけどね。若者はみんな忙しかったらしくて(苦笑)。年齢が一番上の子は、2011年当時の中3だったから、今は21歳くらいになってて。出向前のピースボートが横浜に停泊してたんだけど、その船の一角を間借りして、そこにみんなを連れて行ってね。そんな事はやってます。

この5年間の「こどものつばさ」の活動を駆け足で振り返りながら、次なる展開の必要性を内田さんは話してくれた。この5年間で「こどものつばさ」には、物凄くたくさんの支援の申し出があったのだろう。4度の船旅に、延べ100人もの参加者を集めた数々の保養プログラム。そうした事業にかかり切りで取り組めたとしたって、その仕事量は相当なものだ。しかも内田さんは、こうした「こどものつばさ」の事業以外に本業を持ち、さらに別の非営利活動団体も立ち上げて活動しているのだ。一体そのエネルギーはどこから湧いてくるのだろう?率直に訊いてみたくなった。

~続~

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